「2021年の定額制動画配信サービス市場が、前年と比べ20%近く増えた」という結果が発表された。調査したのは、GEM Partners。2月18日に、2021年の動画配信(VOD)市場規模推計と、その後2026年までの市場規模を3つのシナリオで予測した「動画配信(VOD)市場5年間予測(2022-2026年)レポート」を発行し、その中の数値として紹介されている。
そしてもう一つ、同資料の中で注目されているのが「サービス別の市場シェア」。3位が「U-NEXT」で日本勢として最も高いシェアを獲得、2位が「Amazonプライム・ビデオ」という結果となった。注目の1位は?前年と比べて最もシェアを拡大したサービスは?同資料から探っていく。
定額制動画配信市場におけるシェア1位を3年連続獲得。みんなの順位予測は?
GEM Partners調査による「動画配信/放送/ビデオソフト市場 ユーザー分析レポート」の結果の発表によれば、「定額制動画配信(SVOD)」「レンタル型動画配信(TVOD)」「動画配信販売(EST)」を合わせた2021年の動画配信市場全体の規模の推計が、前年比19.0%増の4,614億円となった。
注目は「定額制動画配信(SVOD)。サービス別の市場シェア推計」だ。1位となったのは2019年、2020年から3年連続で「Netflix」。23.1%(前年比+3.1pt)と最大シェアを占めた。2位は「Amazonプライム・ビデオ」だが、12.0%(前年比-1.0pt)と前年からシェアを落とした。3位には日本発のサービスとして最高位を獲得した「U-NEXT」で、11.5%(前年比+0.1pt)となった。
続いて4位はDAZNで9.8%(前年比-0.3pt)、5位はHulu(前年比-1.0pt)。皆さんの実感と比べてこの結果はどうだっただろうか。
前年に比べてシェアを伸ばしたサービスは? 市場規模の将来予測も発表
5位までには名前が出なかったものの、前年と比べて最も規模が拡大したのが「ディズニープラス」。2020年時点でのシェア3.9%から2021年は6.0%に増加し、推計売上は前年シェアと比べると86% 増となった。この成長率は、定額制動画配信の全サービス内で最も高い値で、シェアランクも前年8位から6位に上昇。5位のHuluにも、その差2.0%(前年は5.1%差)と肉薄している。
2020年以降、コロナ禍によってホームエンタテイメントへの関心が高まっているが、2021年も市場は拡大。調査結果から日本とアメリカの動画配信のこれまでの普及実績、新型コロナウイルスの流行の影響をどこまで加味するかを踏まえ、2026年までの動画配信市場全体の成長スピードを「ベース」「楽観」「悲観」の3つのシナリオで同社が試算した結果も発表された。
「ベース」シナリオでは、現状の日本の動画配信市場の成長スピードがコロナ流行前のアメリカと同程度で鈍化していくと見込んでいるものの、2021年から2026年にかけて年平均9.4%で成長し、2026年には7,241億円まで拡大する結果になったという。
DVD・ブルーレイ市場は今後も縮小すると予測されているが、動画配信市場がそれを上回るペースで拡大し、「ベース」シナリオにおいては、DVD・ブルーレイと定額動画配信をあわせた市場規模全体では2026年にむけて年平均成長率4.9%で拡大すると予想。動画を見るという行為はますます普及していくが、そのために時間を奪われていくものは何なのだろうか。
出典元:<動画配信(VOD)市場規模>2021年VOD市場全体は前年比19.0%増の4,614億円、SVOD市場シェアで「Netflix」3年連続No.1、「ディズニープラス」躍進【GEM Partners】
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