2021年音楽配信はストリーミングがダウンロードを大きく上回り、シェア83.1%の売上約744億円に

一般社団法人日本レコード協会は3月3日、「2021年の年間音楽配信売上」が895億円にのぼったと発表した。これは8年連続のプラス成長で、音楽配信が確実に市民権を得ているのがわかる。なかでも「ストリーミング」は区分別の売上金額では約744億円で全体シェアの83.1%を占めるほどとなり、ダウンロードの5倍以上の規模となった。

今回はそんなストリーミングで音楽を聞く人が多い理由や今後の業界の流れを解説する。

ストリーミングで音楽を聴くメリットは

ストリーミングの売上は前年比126%の伸びを見せた(「一般社団法人日本レコード協会」調べ)

一般社団法人日本レコード協会によるとCDやDVD、レコードなどの音楽ソフトといわれる物理メディアと音楽配信の売上比率は68:32と、音楽配信が初めて30%を超えたという。なかでも前述のとおり、ストリーミングの売上が飛躍している。

ストリーミングで音楽を聴くメリットは「スマホのストレージの容量オーバーを気にしなくても良い」「少ない待ち時間で再生することができる」などが挙げられる。ダウンロードの場合は手元のスマホやパソコンに保存するのでストレージ容量が圧迫されるが、ストリーミングではインターネットに接続し、音楽配信サービスのサーバー上にアクセスして再生されるのでデータがスマホなどに残ることはない。また、保存するためのダウンロードにかかる時間もなく、すぐに聞くことが可能だ。

ストリーミングで音楽を聴く場合、毎回インターネットにアクセスし、通信料がかかる。しかし近年、外でも無料Wi-Fiにつながる店や場所も増えているので、通信料を気にすることも少なくなってきた。また、コロナ禍で家にいる時間が増え、わざわざダウンロードしてデータを持ち歩く必要がないという意見もある。このような理由からも、ストリーミングを利用している人が増えているのもうなずける。

(Image:Koshiro K / Shutterstock.com)

大手サブスクの月額利用料は横並び

ストリーミングのなかでも特に売上のシェアを多く占めているのが、定額料金を支払って聴き放題のサービス「サブスクリプション」いわゆる「サブスク」だ。2021年の売上は約638億円、伸び率も前年比126%で成長著しい。

「Apple Music」「Amazon Music Unlimited」「Spotify」などの大手サブスクの有料個人プランの料金はどこもだいだい月額1,000円前後。その価格で数千万曲が聞き放題となり、一生かかっても聞ききれないぐらいだ。最近はサブスクと提携するアーティストも多く、好きなアーティストの作品が全曲聞き放題となれば、サブスクを積極的に利用したくなるというのも納得できる。

さらに普段聞いている曲からおすすめしてくれる「レコメンド機能」で新しいアーティストとも出会うことができる、音楽好きにはたまらない機能もサブスクならでは。また、スマホからの利用に限らず、タブレット、パソコンなど他の端末からでもサービスを利用可能で、どこでもどんなときでも楽曲を楽しめるので有料でも契約するメリットは充分あるのではないだろうか。

「Netflix」や「Amazon プライム・ビデオ」などの動画のサブスクも好調で、もはやテレビは地上波やBSの一般放送を見るよりも、サブスクで映画やドラマを見る時間のほうが長いという人も多いかもしれない。今後、音楽においても、ますますサブスクが浸透していくことになりそうだ。

出典元:音楽配信売上 四半期数値【一般社団法人日本レコード協会

※サムネイル画像(Image:Koshiro K / Shutterstock.com)

オトナライフ編集部
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