もはや知らない人がいないぐらい国民に浸透している動画配信サイトYouTube。有名YouTuberは連日テレビにも引っ張りだこで、芸能人よりも年収が高いと言われている人もいる。「副業」という言葉に敏感なオトナライフ読者のなかには、YouTubeチャンネルを開設して収益化したいと思っている人もいるだろう。
今回は、YouTuberの平均月収が判明したことをうけ、本当に儲かっているのかを解説する。
10代の約3人に2人がYouTubeアカウントを所有している
ファストマーケティングは4月12日、18歳から59歳の男女9,340人に聞いた「YouTuberに関する実態調査」の結果を公表した。「個人用のYouTube用アカウントは持っていますか?」という質問には、全体のうち47.7%が「持っている」と答えた。世代別では10代(18・19歳)では64.9%、20代も52.7%と若い世代は半数以上にのぼることが判明した。
そして、アカウント所有者のうち、YouTubeへの動画投稿を収入源のひとつとしているのは10.1%だった。YouTubeチャンネルを収益化するには、自分の動画内に広告を表示させて、収入を得るのが一番メジャーな方法だ。そのためには「YouTubeパートナープログラム」という広告収益を得るための認定が必要になる。
「YouTubeパートナープログラム」とは一定の条件をクリアすることで得られる資格。その条件とはGoogle AdSense アカウントを保有している、チャンネル登録者数が 1,000 人以上、かつ有効な公開動画の総再生時間が 4,000 時間以上であるなど、なかなかすぐには満たすことができない厳しいものとなっている。
その資格を有しているということは、ただ遊び感覚でやっているわけではない人がそれだけいる、ということの証明かもしれない。
YouTubeパートナープログラムの認定を受けている男女324人に、平均的なYouTuberとしての月収を聞くと、「5,000円~1万円未満」が28.7%と最も多く、ついで「1万円~5万円未満」が25.6%と2番目に多い結果となった。
YouTubeパートナープログラムの認定を受けるのは条件がなかなか厳しいが、広告で得られるのは一般的なYouTuberで1再生数につき0.05円~0.1円と決して単価が良いとは言えない。一度作ってしまえば自動的に収入が入るとはいえ、この月収は果たしてわりに合うのだろうか。
そして、“お小遣い”の域を超える「10万円以上」の収入を得ているのは、認定を受けたYouTuberのなかでも10人に1人(「10万円~30万円未満」5.2%、「30万円以上」5.2%)。広告の単価が0.1円とすると、10万円以上稼ぐには100万回の再生数が必要な計算となる。
平均月収とフォロワー数のクロス集計を見ると、「10万円~30万円未満」のチャンネルでは「5万人~10万人未満」41.2%、「10万人以上」17.6%と、60%近くが5万人以上のフォロワーを有している。「30万円以上」の場合は、実に「10万人以上」が64.7%。はたしてこのレベルに到達するまでにどれだけの時間と労力を費やしているのだろうか…。
また6割のYouTuberがSEO対策を実施しているという回答もあり、ただ動画を作って配信しているだけではなく戦略的にチャンネルを運営していることがわかる。
はじめるのも簡単でバズれば大きな収入を得られると人気が高いYouTuberだが、まとまった金額を稼ぐのはなかなか簡単ではないようだ。
出典元:YouTuberの平均月収は「5,000円~1万円未満」が最多【ファストマーケティング】
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