テレビ番組のネット見逃し配信サービスといえば「TVer」や「FOD」などが有名だが、それらで視聴できるのは基本的に民放番組のみ。NHKの番組を見るには別のサービスを利用する必要がある。なかでも「NHKプラス」と「NHKオンデマンド」は、いずれもNHK公式の配信サービスだが、この2つにはどのような違いがあるのだろうか? そこで今回は、NHKが提供する2つの動画配信サービスの違いや視聴方法などについて説明しよう。
NHKの番組をネットで視聴するにはどうすればいいの?
今やテレビ番組はネットで簡単に見られる時代。「TVer」なら民放の番組を、誰でもスマホやパソコンなどで無料視聴できるようになっている。TVerについてはこちらの記事で確認してほしい。
だが、TVerは在京民放キー局などが中心に配信している見逃しサービスなので、基本的に民放の番組しか配信しておらず、NHKの番組を見ることはできない(ごく一部NHKの番組も配信されているが……)。
というわけで、NHKの番組をネットで見たい場合は、「NHKプラス」か「NHKオンデマンド」を利用することになるだろう。でも、この2つは両方ともNHKが提供する配信サービスなので、何がどう違うのかよく分からないという人も多いと思う。
果たして無料で利用できるのはどちらなのか? 見逃し配信はどちらで見ればいいのだろうか……。
●NHKプラス(公式)→こちら
●NHKオンデマンド(公式)→こちら
「NHKプラス」と「NHKオンデマンド」は何が違う?
NHKが提供する配信サービスには2つあって複雑だが、この2つは何がどう違うのだろうか?
まず、サービスの内容で比較してみよう。「NHKプラス」はNHKの番組のリアルタイム配信と見逃し配信が主なサービス。過去(1週間以上前)に放送された番組は基本的に視聴できない。
これに対し「NHKオンデマンド」も見逃し配信はできるが、主な用途としてはNHKの過去作品約1万本を視聴できるオンデマンド配信サービスとなっている。
次に、視聴契約の方法が異なる。NHKプラスはあくまでもNHKの受信契約者に対する無料のサービスであり、受信契約者しか利用できない。ただし、現在は試験放送として2022年6月30日までNHKの受信契約がなくても視聴可能となっている。
一方のNHKオンデマンドはNHKの受信契約がなくても利用可能で、会員登録は無料だが基本的に有料サービスだと考えていい(一部無料視聴可能な番組もあり)。
ちなみに、NHKオンデマンドの料金は、見放題のサブスクパックが月額990円、単品レンタルは110~330円(72時間視聴可能)となっている。
どうすればNHKプラスやNHKオンデマンドを利用できる?
NHKプラスとNHKオンデマンドはどうすれば利用できるのだろうか? まず、いずれもネット配信サービスなので、ネット接続ができるスマホやタブレット、パソコン、Amazon Fire TVなどがあればOK。
スマホやタブレット、パソコンならWebブラウザアプリや専用アプリで簡単に視聴できるが、Amazon Fire TVについては多少設定が必要なので、こちらの記事を確認してほしい。
もちろん、各サービスを利用するにはそれぞれのサービスに会員登録する必要がある。NHKプラスの場合は最初にID登録を済ませよう。
すでに受信契約をしているなら、NHKから届いたメールに、ID、パスワード、受信契約者の氏名や住所を入力すればOK。入力直後、そのIDとパスワードですぐにNHKプラスを利用できるようになる(6月30日までは不要)。
また、NHKオンデマンドの場合は無料の会員登録が必要になる。番組を視聴するには、個別の作品ごとにレンタル料金を支払うか、見放題のサブスク利用料金を毎月支払うかを選択できる。
ちなみに、NHKオンデマンドに1カ月無料お試しといったサービスはないので、とりあえず無料会員になって無料の番組をチェックしてみてから、有料サービスを利用してみればいいだろう。
NHKオンデマンド | NHKプラス | |
加入条件 | NHKの受信契約なしでも利用可能 ※会員登録は無料 |
NHKの受信契約が必要 ※2022年6月30日までは 試験放送につき誰でも視聴可能 |
料金 | ・単品レンタル:110円~330円 ※購入後72時間視聴可能 ・月額見放題パック:990円 ※無料視聴可能な番組もあり |
無料 |
配信内容 | オンデマンド(約1万本)/見逃し配信(2週間) | 同時配信/見逃し配信(1週間) ※テレビでは同時配信に非対応 |
画質 | SD/HD/4K | SD ※4段階で変更可能。 最高画質で960×540ドット |
対応チャンネル | NHK総合テレビ/Eテレ/BS1/BSプレミアム | NHK総合テレビ/Eテレ |
同時視聴 | 1台 | 5台 |
NHKプラスはNHKの受信契約向けの無料サービス。NHKオンデマンドは誰でも利用可能な有料サービス。見られる番組や対応チャンネル、画質などが異なる(表は編集部が調査して作成)
U-NEXTならNHKオンデマンドをお得に視聴できるかも!?
NHKの過去作品はNHKオンデマンドで視聴することになるが、実は、動画配信サービスの「U-NEXT(ユーネクスト) 」でもNHKオンデマンドを利用できる。
U-NEXTとは14万本以上の映画やドラマ、漫画を見放題になる有料配信サービス。見放題サブスクの「月額プラン」は月額2,189円かかるが、このプランでは毎月1,200pt(90日間有効)が付与される。
このポイントは1pt=1円で利用できるため、最新映画などの視聴に使えるほか、NHKオンデマンドの見放題サブスクの月額料金990円に充てることも可能。つまり、差額の1,199円でNHK以外の映画やドラマ、漫画なども見られてしまうのである。
もし、NHKの過去作品も見たいしそれ以外の映画やドラマ、漫画などもたっぷり楽しみたいということなら、U-NEXTは悪くない選択肢だろう。
また、U-NEXTでは契約者本人以外に3つの子アカウントを無料で設定できるのが大きな魅力。つまり、家族4人で登録すれば、月額2,189円の月額プランを1人当たり約547円で利用できる計算になる。もちろん、各アカウントごとに別の番組を同時視聴することが可能だ。
●U-NEXT(公式)→こちら
まとめ
いかがだろうか? NHKの配信サービスには2つの方法があって複雑だが、NHKプラスはあくまでも“NHKの受信契約者向けの見逃し配信サービス”であり、NHKオンデマンドは基本的に“誰でも契約できる過去作品の有料オンデマンドサービス”であることがお分かりいただけただろう。
ちなみに、最近のスマホはテレビチューナーを搭載していない機種が多いが、TVerやNHKプラスが利用できると、アプリによるリアルタイム配信視聴も可能になるため、外出先で気になるスポーツ番組などをリアルタイムでチェックできるのは便利だと思う。