駆け出しのYouTuberの動画が「10万回再生」されていたら「この人はどれくらい稼いでいるんだろう」と気になりませんか?
結論から言えば仮に動画が10万回再生された場合、動画が8分以上のものであれば「3万円」程度の収益が期待されます。
基本的に「短い動画」かつ「アダルト系などYouTubeの規約に抵触しやすく、広告も付きにくいジャンル」では単価が下がりがち。逆に8分以上の動画で、クライアントが広告出稿しやすいチャンネルの広告収益は高くなりやすい傾向にあります。
つまり「10万回再生」で3万円以上の収益を上げるには、8分以上の動画を作成してミッドロール広告を使うことが最低限の条件。気になるYouTuberの動画に「どれくらい広告が出ているか」チェックしてみましょう。
今回はYouTuberが「10万回再生」の動画からどれくらい稼いでいるのかについてや、稼ぎやすい分野や収益のカラクリなどについて解説します。
YouTube動画が「10万回再生」された場合の収入/収益の目安
10万回再生された場合の収入/収益は、前述の通り「8分以上の動画か否か」で変わります。8分以下かつ「広告が付きにくい動画」の場合、1再生当たりの単価は0.1円を下回ってしまうことも。
8分以上の動画の場合、1再生当たり0.3円~0.5円。10万回再生当たり、3万円~5万円が期待されます。より詳細な再生数に対する実際のYouTube収益については、YouTuberで格闘家のシバターさんのケースが非常に参考になります。
シバターさんのメインチャンネル/サブチャンネルの収益を、それぞれの2022年5月の再生回数で割ると、1再生当たりの単価は以下の通り。
・メインチャンネル:1再生当たり0.31円
・サブチャンネル:1再生当たり0.5円
メインチャンネルの収益は0.31円で、10万回再生されると「3万1000円」になります。一方、サブチャンネルの収益は0.5円で10万回再生されると「5万円」になります。
YouTube収入のカラクリ | 同じ10万再生でも収益に差が出るのは何故?
シバターさんの例では、メインチャンネルとサブチャンネルに1.7倍ほどの収益性の差がありました。つまり「同じ10万再生」でも収益にはチャンネルごとに大きな差があるようです。主な理由は以下の通りです。
同じ再生数で同じようにミッドロール広告を使っても収益に差が出るカラクリを解説します。
扱っているトピックの違い | ゴシップとパチスロなら「パチスロ」の方が高い
前述の通り、最も大きな差は「扱っているトピック」の違い。
シバターさんの例で言えば、メインチャンネルの炎上系やゴシップ関連の動画よりは「パチスロ」の方が収益性が高いです。炎上系の動画に広告を出したい企業よりは、パチスロ動画に広告を出したい企業が多いことを意味します。
「テーマが明確で企業が広告を出しやすい」チャンネルを作るYouTuberほど、再生回数に対しての収益が大きいということです。
視聴者の年齢層 | 子どもより「大人」の方が高い
視聴者の年齢層は「子ども中心」より「大人中心」の方が、1再生当たりの単価は高いようです。たとえばYouTubeでは「ゲーム実況」がコンテンツとして人気ですが、主要な視聴者層はどちらかと言えば子ども。
1再生当たりの単価で見れば、大人向けの再生回数が少ないコンテンツの方が「実は1.7倍以上稼いでいる」というケースもあるでしょう。
視聴維持率 | 8分以上の動画でも「1分未満での離脱」には意味がない
ミッドロール広告を入れることだけを目的に、内容が薄いのに「8分以上の動画」に薄めている場合も広告単価は下がると言われています。その理由は、視聴者が1分未満で別の動画に移るなど「視聴維持率」が低いため。YouTubeは「一本の動画で長時間視聴してくれるユーザー」を重要視しているようです。
その他 | アフィリエイトやスパチャも大きい
アフィリエイトやスパチャなど「広告」以外の収益源も、YouTuberにとっては大きな存在です。たとえばアフィリエイトの場合、よくある例はYouTubeの概要欄や動画内に掲載された「おすすめ商品」の外部リンクが実はアフィリエイト広告というもの。
気になるYouTuberの方が、何らかの商品の外部リンクを案内している際は「遷移先のリンクのURL」をよくよくチェックしてみると面白いかもしれません。
「10万回再生」で稼ぎやすい分野/トピックの例
YouTubeではトピックや分野の選定が、YouTubeでの収益性に直結しています。稼ぎやすい分野やトピックの例を一覧でご紹介します。
・メイク、美容 | 具体的なメイクの方法やTips、おすすめ商品の紹介など
・恋活、婚活 | おすすめマッチングアプリや結婚相談所の紹介など
・金融 | 株価や投資手法の解説など
・就活、転職 | 就活生に向けたアドバイスや自己分析の解説など
・ソーシャルゲーム | ゲーム実況や攻略方法解説など
あくまで上記は一例ですが、これらの分野に関連する動画を出しているYouTuberには「どのような人がいるか」を調べてみるのも一興です。
YouTubeの「10万回再生」の収益などについてよくある質問
最後にYouTubeの「10万回再生」の収益などについて、よくある質問をまとめました。
YouTubeで「10万回再生」される動画を作るのは難しい?
VTuberや著名人の切り抜き動画などを中心に投稿すれば、単発で10万回再生を超えることは難しくはありません。
ただしその動画が「広告が出しやすい仕上がり」かは、また別問題です。広告単価が1再生当たり0.1円以下などに下がってしまうリスクはあります。
YouTuberは「10万回再生」の動画の製作費にどれくらいコストをかけているの?
まず前提として、YouTuberや著名人でも「リリースしたすべての動画が、1カ月以内に10万回再生されている」わけではありません。特に近年は「芸能人のYouTuber」が増えていますが、1カ月で数万回再生程度という動画も少なくないものです。よって「数カ月で10万回再生を達成する」という形で、ある程度気長に運営していくYouTuberの方が増えているようです。
たとえば「1動画当たりにつき3カ月で10万回再生を達成し、再生単価は0.3円」とした場合、その動画からの収益は目安として月1万円。そうした動画を1日1本上げると、個人YouTuberにとってはそこそこの収入になるでしょう。
とはいえ複雑なテロップ編集やカット割りを行うと手間がかかるうえ、外注すると収益は外注費に消えてしまいます。
複雑なテロップ編集などを必要としない「ライブ配信」を中心に活動し、そのアーカイブをチャンネルに蓄積するYouTuberが増えている理由が何となくわかるのではないでしょうか。
YouTubeで10万回再生された動画があるのに収益化していない人もいるのはなぜ?
アフィリエイト広告や企業案件など、別の広告導線を目立たせたい狙いが大きいと考えられます。また近年は「自身のオリジナルブランドの製品販売ページ」などに誘導する目的での動画投稿も増えています。
YouTuber広告「のみ」に収益を依存するYouTuberは、どちらかと言えば減少傾向と言えるかもしれません。
まとめ
「お金持ち」のイメージのあるYouTuberですが、YouTubeの収入は意外にシビア。10万回再生でも、3万円が目安になるようです。なおこれからYouTubeに参入したいと思っている場合は稼ぎやすいジャンルをよくリサーチした上で、ライブ配信も視野に入れるのがいいでしょう。
※サムネイル画像(Image:Hendri kumbang / Shutterstock.com)