カセット、CD、MDと、時代とともに変化してきた音楽の保存・視聴方法。現代では、スマートフォンからの視聴が一般化しつつあり、それに合わせて音楽配信サービスもどんどん増加傾向にあるように感じる。中でも、数多くの音楽をより快適に視聴できる定額制音楽配信サービスの需要はかなり高まっているといえるだろう。
定額制音楽配信サービスにはそれぞれ強みがあるが、数あるサービスから結局どれを選択するべきか悩んでいる人も多いのでは。そこで、今回の記事では定額制音楽配信サービスの中で利用者の多いものをランキング形式で紹介。ぜひサービス利用の参考にしてもらいたい。
1位の「Prime Music」は、価格の安さが人気?
株式会社ICT総研が行った「2022年 定額制音楽配信サービス利用動向に関する調査」によると、2022年末の定額制音楽配信サービス利用者数は2,770万人となり、有料サービス利用者の内訳は、1,720万人であることが明らかとなった。2021年末時点では2,590万人であったことを見ると、今後も増加することが予想されるだろう。
それでは、上記の調査で男女4,409名を対象に行われた「定額制音楽配信サービスの利用サービス名」のアンケート結果から、利用者数の多い定額制音楽配信サービスのランキングをみていこう。
1位はAmazonの「Prime Music」(551人)。Amazonでは9,000万曲以上の音楽が聴き放題である「Amazon Music Unlimited」もあるが、こちらの利用者は295名と、Prime Musicよりもかなり差があるといえるだろう。Prime Musicの利用者数が多い理由の一つとしては、月額費用の安さが考えられる。Prime MusicはAmazon Prime会員に加入することで受けられるサービスのひとつであり、Amazon Prime会員費の500円を支払えば利用が可能となっている。もちろん動画配信サービスである「Prime video」や、配送料無料などのサービスも利用できるため、音楽の視聴に留まらないサービス内容が受けられる点も人が集まる理由といえるだろう。
2位は「Spotify」(479名)、3位は「Apple Music」(411名)と人気の音楽配信サービスが肩を並べる中で、今回最も利用者数が増加したものが、4位の「YouTube Music」(326名)。昨年の利用者率は3.7%であったが、今年は4.7%と1.0%も増加。YouTubeはアーティストと関係のない動画も検索にヒットすることが多いが、YouTube Musicではアーティストの楽曲のみ視聴できるため、利用者が増えたことが予想される。そのほか、5位には「Amazon Music Unlimited」がランクイン。6位の「LINE MUSIC」は250名となった。
利用者数と顧客満足度が、必ずしも比例するとは限らない!?
しかし、利用者数の多い定額制音楽配信サービスを選べば満足できるのか、といわれると、必ずしもそうではないと考えられる。
ICT総研が1632名を対象に行ったWebアンケート「顧客満足度調査」では、なんとPrime Musicが73ポイントと圧倒的に最下位という結果に。おそらく、配信曲数が約200万曲と他のサービスより少ない点が、利用者の不満を集めた理由であると考えられるだろう。
利用者数ランキングベスト3の中で、満足度が最も高かったものが、Apple Music(83.6ポイント)。楽曲数はもちろん、自分に合った楽曲のプレイリストを自動で作成してくれるなど、充実したサービス内容が受けられる点が評価を受けたといえる。Spotifyも79.8ポイントを獲得しており、本当に音楽の視聴を楽しみたい方であれば、楽配信に特化したサービスを選択した方が満足できることが想定されるだろう。
契約する定額制音楽配信サービスを選ぶ際は、利用者数だけを見るのではなく、どのようなサービスを受けられるのかを合わせて確認すると、自分にとって使いやすいものが見えてくるといえる。無料体験期間を設けている定額制音楽配信サービスも少なくないため、いくつか気になるサービスをピックアップしたら、一度試してみるのもよいだろう。
出典元:2022年 定額制音楽配信サービス利用動向に関する調査【ICT総研】
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