YouTubeの広告収入単価は基本的に非公開。そのため、どのくらいのチャンネル登録者数でいくら広告収入がもらえるか知らない方も意外に多いのでは?
実はYouTubeの広告収入は登録者数で変わるのはもちろんですが、ジャンルによっても大きく変わってきます。
この記事では一例としてチャンネル登録者数「1万人」と「5万人」を基準に、ジャンル別に再生回数の目安と収入目安を解説します。
【前知識】YouTuberの収益は「再生回数×広告単価×広告視聴回数」
前知識として知っておきたいのは、YouTubeの収益は基本的に「再生回数×広告単価×広告視聴回数」で決まること。つまり、同じ20分の動画で同じような再生回数があっても、広告が1回しか挟まれていない動画と、3回挟まれている動画では収益が異なります。後半でより詳しく解説しますが、具体的には8分以上の動画の方が収益面では有利です。
YouTuberの収益目安を「SocialBlade」で確認する方法
YouTubeの収益を知るには、どんなYouTuberがどれくらい稼いでいるのか目安を把握できる方が何かと便利でしょう。
YouTuberの収益を知ることのできるツールのひとつに「SocialBlade」があります。
使い方は以下の通り。まず「SocialBlade」にアクセスします。
もしくは、「@文字列」で表示されたハンドルIDで検索を行い、検索結果の候補の中から該当のチャンネルを選択しましょう。
今回は2023年10月現在、7,360万人の登録者数をほこるインドのメディア「Zee TV」のYouTubeチャンネルで確かめてみました。
【参考】有名なYouTuberの収益例を見てみよう
参考までに有名なYouTuberの収益例も見てみましょう。
日本在住かつ、世界トップクラスのチャンネル登録者数(2023年10月現在1.11億人)をほこるPewDiePieさんの収益目安(SocialBlade調べ)は以下の通り。
YouTube収益を自ら公開している人の例:シバターさんなど
YouTubeの広告収入は口外が禁止されていますが、多くのYouTuberが「1万円=1りんご」など単位をくだものにたとえ、自身の収入を公表しています。
YouTuberのシバターさんも2022年6月に公開した「オワコンな俺の収益を発表します」という動画の中で、「1万円=バナナ」にたとえ、前月の広告収入について明かしました。
なお、ユーチュラによると同月、シバターさんのメインチャンネルの再生回数は338万回、サブチャンネルは68万回のため、それぞれ単価が0.31円と0.5円という計算になります。
なお、時事系YouTuberのへライザー総統さんも2023年7月30日に公開した動画の中で38万回再生の動画が「りんご5個分」と明かしています。つまり、単価は0.13円となります。
なお、以下の記事では、YouTuberの収益例についてはより具体的に解説しています。
YouTubeの登録者数に応じた収入目安 | 登録者数1万人の場合
ここからは、登録者数1万人のYouTubeの収入目安を、以下の2通りで解説します。
・FX解説系のチャンネル
・ゲーム実況系のチャンネル
FX解説系のチャンネル(月間再生回数約3万回):月1,200円~月1万8,000円(SocialBlade調べ)
登録者数1万人のあるFX解説系チャンネルをSocialBladeで調べたところ、月の収益目安は8ドル~120ドル。つまり月収約月1,200円~月1万8,000円ほどとなります。
ゲーム実況系のチャンネル(月間再生回数約11万6000回):月5,100円~8万1,000円(SocialBlade調べ)
一方、同じ登録者数1万人で、ゲーム実況チャンネルをSocialBladeで調べたところ、月の収益目安は33ドル~520ドル。つまり約4,900円~7万7,000円となっていました。
YouTubeの登録者数に応じた収入目安 | 登録者数5万人の場合
続いて以下の2例で「登録者5万人」のケースを見てみましょう。
・女性大食い系YouTubeチャンネルの場合
・ビジネス系YouTubeチャンネルの場合
大食い系のチャンネル(月間再生回数約24万回):月8,700円~14万円(SocialBlade調べ)
登録者数10万人の女性大食い系YouTuberをSocialBladeで調べたところ、月の収益目安は58ドル~935ドル。つまり約8,700円~14万179円となっていました。
ビジネス系のチャンネル(月間再生回数約100万回):3万9,000円~61万円(SocialBlade調べ)
登録者数10万人のビジネスチャンネルをSocialBladeで調べたところ、月の収益目安は259
ドル~4,100ドル。約3万9,000円~61万円ほどとなっていました。
同じ登録者数のYouTuber同士でも収入に差が出る理由は?
解説してきた通り、同じチャンネル登録者数であっても収入には差が出ます。その理由は以下の4点だと言われています。
・動画の長さ
・動画の内容
・動画をアップする時期
・企業案件など
動画の長さ
YouTubeは8分以上の動画にミッドロール広告を挿入することが可能です。
動画の内容
解説してきた通り、専門性が高いチャンネルの方が収益単価が高い傾向にあるようです。一方、あまりにもターゲットを絞りすぎたマニアックな動画の場合、視聴者層が限られてしまうというデメリットも。そのため、間口を広くした専門性のある動画がバランスよく広告収入が取れると言えるでしょう。
時期によって広告単価が変わるケースも
そのチャンネルが扱っているトピックによっては、時期ごとの広告単価変動が激しいこともあります。
たとえばウィンタースポーツをメインにしたYouTubeチャンネルでは、夏などの時期に高単価の広告が表示されることはあまりないでしょう。
また特定のドラマや映画を深く取り上げたようなチャンネルの場合、そのドラマの放映終了後に再生回数や広告単価が大きく落ちることもあります。
【その他】企業案件・スパチャ・アフィリエイトなど
具体的な金額や単価を交えてご紹介してきましたが、意外にもYouTubeの広告収入単価は低くなっています。そのため、実際には「企業案件」と言われる、企業の商品をPRする動画の報酬や、アフィリエイト、前述したスパチャで稼ぐYouTuberも多くなっています。
まとめ
YouTubeの広告単価は、基本的に「再生回数×広告単価×広告視聴回数」で決まり、さらにチャンネルや動画のジャンルによっても異なります。いずれにしても解説してきた通り、動画の広告単価は低いため、一部のトップYouTuberを除き、広告収入のみで暮らしていくのは非常に厳しいのが現状です。そのためジャンルの選定や、動画の長さ、広告収入以外の稼ぐ仕組みを取り入れるなど戦略的なチャンネル運営が重要と言えるでしょう。
※サムネイル画像(Image:JRdes / Shutterstock.com)