日本を熱狂の渦に巻き込んだサッカーワールドカップカタール大会。ドイツ、スペインという強豪国を次々と撃破する快進撃は、サッカーファンだけでなく一般層も釘付けにし、2002年の日韓体感を彷彿とさせる一大ムーブメントとなった。20年の時を越えてよみがえったサッカーフィーバーだが、大きく変化したことがひとつある。それは視聴方法である。
ネット時代を象徴?ABEMAでの観戦が台頭
MMD研究所が18歳~69歳の男女10,000人を対象に行った「FIFAワールドカップカタールの視聴に関する調査」によると、テレビ(民放・NHK配信)が49.1と最多となり、ABEMAが17.8%で続く結果となった。
性年代別でみると、テレビ視聴は男女問わず年代が上がるにしたがって増加する傾向で、ABEMA視聴は若い年代ほど高い割合を示した。とくに男性20代~40代は約3割がABEMAで視聴していた。
カタール大会という都合上、日本では夜間から朝方にかけて放送された。そのため、視聴者の多くが自宅で視聴したと考えられるが、それでもABEMAが一定数を記録していることは興味深い。“テレビ離れ”が叫ばれて久しいが、いまだにテレビの世帯普及率は90%を超えており、いままでどおりテレビで視聴するのがベターのように感じる。それでもABEMA視聴が存在感を発揮するようになった背景にはなにがあるのだろうか。
全試合放送、見逃し配信…。ABEMAパワーはスポーツ界を席巻するのか
ABEMAがワールドカップで支持を集めた要因はいくつか考えられる。そのひとつが、全64試合の無料生中継だ。サイバーエージェントが“史上最大のビッグプロジェクト”と位置付け、史上最大の投資額をもとに放映権を獲得した。テレビは日本代表戦をはじめとした主要マッチのみの放送となった分、ABEMAの大胆なサービスは話題を呼んだ。
さらに生中継だけでなく、見逃し配信やハイライト映像の放映などさまざまな視聴方法を提供した点も特徴だ。同調査でもABEMA視聴内でのリアルタイム視聴が59.2%に対し、ハイライト映像・注目映像の視聴が38.2%、見逃し配信の視聴が30.2%と大差がなく、ABEMAが現代的な多様な視聴スタイルに応えていることがわかる。
そのほかにも本田圭佑氏の解説がSNS上で話題となり、常識にとらわれないアイデアでワールドカップフィーバーに一役買ったABEMA。ネット配信大手・DAZN(ダゾーン)が幅広いスポーツジャンルで支持を集めているだけに、今後ABEMAがどのようにスポーツ配信に関わっていくのか楽しみだ。
出典元:FIFAワールドカップカタールの視聴に関する調査【MMD研究所】
※サムネイル画像(Image:Alim Yakubov / Shutterstock.com)※画像は一部編集部で加工しています