テレビ視聴時に目にする「dボタンでクイズに答えてプレゼントをゲット!」といったうたい文句。キャンペーンや検証好きは反応するであろうイベントだが、番組の中身目当てで見ている視聴者や、そもそも応募キャンペーンに関心のない視聴者にとっては特段、意識することはないだろう。知名度はあるが、利用実態が謎に包まれている「dボタン」。その利用状況を明らかにする調査結果が発表された。
dボタンを利用しているのは約6割! 利用率が低いのは若者? 高齢者?
1月31日に産経新聞社はテレビ放送開始70年を迎えるにあたり、テレビに関する調査結果を発表した。発表された内容は、産経新聞グループの産経リサーチ&データが実施したテレビの利用状況や知識に関するもので、18歳以上を対象に80歳以上までの2,466人にクイズ&アンケートを実施したことから、国内テレビ視聴者事情といえるデータが集まった。
dボタンに関する調査項目のひとつが「dボタン(データ放送)の利用状況」で、全体の59.0%が「利用している」と回答した。世代別で最も利用率が高かったのは50代で62.9%、最も利用率が低いのは70代で53.8%という結果となった。調査対象ごとに主に視聴する番組や時間帯の違いも関係しているだろうが、比較的上の世代で利用率に10%近い差が生まれたのは興味深いものであり、世代別でテレビの視聴目的や、dボタンに対する理解度が差を生み出している可能性はある。
そもそも、dボタンとは何? 誕生の経緯とは…
約6割という意外な利用実態がわかったdボタンだが、その存在を詳しく知る人がどれほどいるだろうか。dボタンの誕生には、2003年に開始された地上デジタル放送が関係している。デジタル放送により、映像や音声以外の情報もテレビに送れるようになった。
それにより、番組表やオンオフできる字幕表示、そして「データ放送」としてdボタンを押すことで、天気予報やニュース、番組ごとの情報を表示されるようになったのだ。つまり、dボタンはデータ放送というテレビ新時代の“入口”として生まれたのだ。
データ放送がはじまってから10年経たずして、スマートフォンが台頭してきたことも、dボタンの影の薄さに作用している面もある。あらゆるエンターテインメントが手のひらサイズに集約するイノベーションを、データ放送のゲームやクイズと比較するのは酷かもしれない。しかし、半数以上がdボタンを利用している実態からテレビの楽しさを増幅させる役割として、リモコンの中にあり続けることだろう。
出典元:【産経新聞社/PR TIMES】