最近、YouTubeのガイドラインが頻繁に更新され、そのたびに多くのYouTuberが凍結されたり、収益を得られないように規制されたりしている。2023年3月7日、YouTubeは「冒とく的な表現」に関するガイドラインを更新。前回、2022年11月のガイドライン更新の際に、強めた規制を緩和する形になった。不適切表現があっても広告収入が得られることになり、一部では「改悪だ」という指摘も。今回はこの変更点について詳しく見てみよう。
厳しい規制から一転した、冒とく的表現に対する緩和とは
3月7日、YouTubeのガイドライン変更点は以下の通り。
・動画内で中程度の冒とく的な表現を使用した場合、緑色のアイコンが表示され。広告収入を獲得できる可能性がある
・動画の冒頭 7秒間または大部分で冒とく的な表現が使用されている場合、広告収入は限定的になる可能性がある。
・動画の開始から8~15秒で使用されている冒とく的な表現については、広告収入を得られる可能性がある。
・BGM、オープニングおよびエンディングなどの音楽で非常に冒とく的な表現が使用されている場合でも、広告収入を得られる。
・ただし、タイトルやサムネイルに冒とく的な表現を使用した場合は広告掲載ができないことは、2022年11月のガイドライン更新から変更されていない。
つまり、動画コンテンツ内にいわゆる英語では禁句とされている”Fワード“をはじめ、「大バカ者」「間抜け」「くそ」などの多くの人が不快になるような暴言が解禁されたということだ。SNS上では「これは改悪では」「誰得なの」と批判的な意見も多い。
表現の自由と道徳の難しさ
2022年11月に更新されたガイドラインは、不適切な表現の多くを規制する厳しいもので、さらに、過去にさかのぼって多くの動画で広告収入がはいらないようにもされた。これは配信した動画を”固定資産”として収入得ていた多くのYouTuberが反発。YouTube側も「クリエイターの皆様から、冒とく的なコンテンツに関する新しいガイドラインが、私たちが意図した以上に厳格なアプローチになっているとのご指摘をいただきました」と認め、今回の規制緩和に踏み切ることに。また、さかのぼって収益化を停止されていた動画も再審査すると発表している。
社会に反発したり、尖った表現で個性を出したりしているYouTuberの表現の自由は守られるべきだ。しかし、表現の自由と道徳は常に紙一重。たまたま、視聴してしまった動画に暴言が多かったら、不快になる人も多いだろう。子どもにYouTubeの視聴を制限する子育て世代も増えるかもしれない。
飲食店などでの”迷惑動画”問題で、動画配信そのものに逆風が吹いている今、暴言に関する規制緩和は歓迎されるものではないという意見も多いのではないだろうか。
引用元:【YouTubeヘルプ】
引用元:【YouTubeヘルプ・コミュニティ】