コロナ禍の「巣ごもり需要」を経て、すっかり人々の日常に定着した有料動画配信サービス。テレビで制作されるコンテンツよりも、爆発的かつ世界的な熱狂を生み出すこともあり、つねに流行をけん引している。日本では2025年末に利用者が約4000万人に到達する見込みで、まだその勢いは衰えそうにない。今回は、その中でも最も利用されている有料動画配信サービスについてランキングで紹介する。
有料動画配信サービスの利用者数は「巣ごもり需要」の影響を受け続けている?
ICT総研は4,407人に対して実施した「2023年有料動画配信サービス利用動向に関する調査」の概要を発表した。調査によると、インターネット回線などを活用した有料動画サービスの利用者は増加中。映画やアニメ、テレビ番組などの動画コンテンツを定額制で利用できるサービスが増加し、かつ価格が下がってきた影響もあって、有料動画サービス市場の拡大が続いているという。
新型コロナウイルスの影響で高まった「巣ごもり需要」による動画配信サービスの利用習慣が浸透していることが背景にあると考えられ、2020年末には2,630万人だった登録者数(PPVサービス利用者も含め)が、2022年末には3,390万人にアップしている。さらに、2025年末には3,900万人に増加することが見込まれている。2018年末の時点では1,750万人だったことを考えると、飛躍的な伸びと言える。
一番利用されている動画配信サービスが判明
有料動画サービスを利用していると回答した人の中で、主に利用する動画サービスを聞いたところ、約70%の人がAmazonプライム・ビデオと回答。年間4,900円(税込み)で加入できるほか、Amazonのネットショッピングで配送料が無料になることや音楽コンテンツの聞き放題サービスなど、多種多様なサービスが含まれていることから人気を集めている。
次に、利用者が多かったNetflixは約30%の人が名前を挙げた。海外ドラマやオリジナルシリーズが充実しており、定期的に話題作を独占配信しているが、日本ではAmazonプライム・ビデオの利用者数の半数にも満たないのだから驚きだ。一方で、Netflixは今後4年間で韓国のドラマや映画、リアリティーショーなどに25億ドル(約3,350億円)を投資することを明らかにしており、さらなるコンテンツ強化を図る見込み。さまざまなサービス同士の競争の中で、どのようなコンテンツが生まれるか期待したい。
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