「若者のテレビ離れ」という言葉が世間で広まったのも久しい昨今。動画サイトや動画配信サービス、SNSなどの普及により、テレビを見る若者は減っているとされているが、実際はどうなのだろうか。
全体のテレビ保有率は9割、一方で、単身世帯は保有率が低い傾向
LINEリサーチが12歳~59歳の男女50,000人を対象に実施したデバイス保有率の調査によると、「テレビ」の保有率が9割でほとんどの人がテレビを所有していることがわかった。社会人の必須ツールともいえる「パソコン」は73%、ブルーレイディスクなどを視聴するのに使う「テレビ用の録画・再生機器」は61%という結果に。
年代別に見ると10代、20代は8割ほどだが、年代が上がるほど保有率もアップしている。パソコンはどの世代も保有率に大差ないが、テレビ用の録画・再生機器は20代が48%ほどである一方で、50代では7割超えと利用率の違いが如実に表れた。動画配信サービスの普及によって、若年層の再生機器の利用は低下していると考えられる。
単身世帯に絞ってみると、全世代のテレビ保有率は75%であった。世代別では、20代が69%、10代に関しては58%で、単身世帯の若年層のテレビ離れが見て取れる。それに対して、パソコンの所有率は10代が73%、20代が76%と、若い年代ではテレビよりもパソコンの需要が高いようだ。パソコンは大学の授業や就職活動でも必要とされるため、所有している人が多いのだろう。
テレビ番組をリアルタイムで視聴する人が6割超え
続いて、デバイス別の保有率が最も高かったテレビについて、さらに深掘りしていく。12歳から59歳までのアンケート回答者を1歳ごとに保有率を確認すると、10代でも実家で家族とともに生活している12歳~17歳までは、保有率が85%以上となっている。
しかし、一人暮らしをはじめる人が多い18歳はテレビ保有率が8割弱にまで低下。18歳~27歳までは8割前後だが、28歳以上の人は85%を超えている。20代後半から結婚などで世帯を持つ人が増えはじめ、そのタイミングでテレビを購入する人が増えるのかもしれない。
最後に、テレビ番組の視聴方法についてのアンケート結果を紹介。現在はさまざまな動画配信サービスで地上波放送の番組を取り扱っているが、それでもテレビで「リアルタイム」に視聴する人が最も多かった。また「録画」したテレビ番組を見る人も過半数を占めており、「動画配信サービスの見逃し配信」よりも利用率は高い。
しかし「テレビ番組をまったく見ない」という人も1割を超えており、魅力的なコンテンツがあふれる現代では、地上波番組に対する興味が低下している人もいるようだ。
スマホさえあればいくらでも暇つぶしができるため、とくに、一人暮らしの若年層からの需要が比較的低いテレビ。しかし、テレビ番組の人気が廃れているわけではなく、動画配信サービスなどで見る人はいまだに多い。単身でテレビがないという人も、実家に帰省した際などは、家族とテレビ番組を見ながら談笑しているのではないだろうか。
出典元:【リサーチノート】
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