【2024】YouTubeショート動画の収益化は難しい?1再生当たりの収益/広告収入の目安

YouTubeショートでは「収益分配」によって、収益化が可能。しかし、通常のYouTube動画とは収益化の仕組みや条件が異なります。

この記事では、YouTubeショート動画の収益化の方法や条件、1再生当たりの収益や広告収入の目安などについて解説します。

YouTubeショート動画とは

YouTubeショート動画とは、60秒以下の短い動画を作成・視聴できる機能です。

日本でサービスが開始となったのは、2021年7月から。通常の動画とは異なり縦長で、いわば「TikTokライク」。スマートフォンでの視聴に向いています

(画像引用元:日本版 YouTube 公式ブログ

1本あたりの動画が短いため、気軽に視聴できることに加えて「タップせず、縦スクロールするだけ」で2本目、3本目と続けて動画を閲覧できるUIも特徴。この無限スクロールに近いUIも、ショートが多くの再生回数を稼ぐ理由の1つです。

「YouTubeショートの収益化は難しい?」儲からないと言われているワケ

2023年、YouTube事務所最大手のUUUMが上場以来はじめて営業赤字を出したことが大きな話題となりました。

参考元:UUUMが「過去最大の赤字」、創業10年で迎えた危機(東洋経済ONLINE)

その原因も「収益性が低いYouTubeショートが通常動画の再生数を上回ったから」と言われています。つまり従来は「UUUMの配信者の”通常の動画”を見ていた層」が、収益性の低いショート動画に流れ始めていることが赤字の要因ではないかという声が挙がっている次第です。

「YouTubeショートが儲からない」「YouTubeショートは収益性が低い」と言われている理由は、収益化の仕組みにあります。次の項目でより詳しく述べますが、一言で言えば総じて1再生当たり「0.003円~0.01円」前後にしかなりにくい仕組みです。

YouTubeショート動画の収益化の仕組み

YouTubeショート動画は簡単に言うと、分配可能な広告収益を各々の再生回数に応じて割り当てる仕組みとなっています。

YouTubeショートの収益分配の仕組みは上の図の通り。まず前提として収益化を行っているクリエイターは「クリエイタープール」で管理されます。そして「分配可能な広告収益」が算出された後、プールのクリエイターに対して再生回数に応じた収益を割り当て。その上で楽曲を使用している場合は権利者への分配なども計算され、収益額が決まります

この計算を経てクリエイタープールから割り当てられた収益に対して、クリエイターは最終的に45%の収益が得られる決まりです。

とはいえ、この45%の収益配分が「多いのか少ないのか」「では具体的にいくらもらえるのか」イメージできない人の方が多いのではないでしょうか。次の項目で、具体的な計算例をご紹介します。

YouTubeショートの1再生当たりの収益/広告収入の目安

前述の通り、YouTubeショートの1再生当たりの収益/広告収入は、その動画の再生回数が総再生回数に対してどれくらいの割合かによって変わります。

また、「音楽を使用しているか」などによっても大きく違いますが、総じて「0.003円~0.01円」前後の収益が目安となります。

YouTubeショートの収益の計算例

たとえば国内のYouTubeショート動画の総再生数が1億回、YouTubeショート全体の総広告収益が1,000万円とします。

そして、「オトナライフチャンネル」というチャンネルが公開するYouTubeショート動画が月間100万回再生されたとします。「オトナライフチャンネル」のショート動画の再生数は、総再生数に対して1%です。すると1,000万円の総広告収益の1%が分配され、まず割り当てが10万円となります。

さらに、この10万円のうち、45%が最終的に分配されるため、オトナライフチャンネルの収益は4万5,000円となります。再生単価としては0.045円です。

この試算の場合、再生単価は「0.01円」を大きく上回りますが、その要因としては、まず「音楽」を使っていない前提で計算をしているためです。たとえばショート動画に2つの音楽トラックが使用されている場合、収益の 3分の1がクリエイタープールに割り当てられ、残りの3分の2は音楽ライセンスの費用となります。

参考元:YouTubeヘルプ

またYouTubeショート全体の総広告収益はあくまで試算上の値であり、上の数値よりも少ない可能性もあります。あくまで上の計算式は「試算」と捉えてください。

YouTubeショート動画と通常の動画の収益性の違い

仮にYouTubeショートの再生単価を0.01倍とした場合、100万回再生で1万円の収益となりますが、この収益を通常の動画と比較すると、30倍もの差があることもあります。

長尺かつ専門性のある動画を多くアップしている場合、再生単価の目安は0.3円~0.5円です。通常動画は長ければ長いほど、ミッドロール広告を挟むことができるため、単価がアップします

すると、100万回再生の収益は30万円~50万円ほど。ショート動画と大きな差があるのは一目瞭然です。そのため、YouTubeで収益を得たい場合、ショート動画はあくまで通常動画への導線と考えることをおすすめします。

YouTubeショート動画の収益化の条件

なお、YouTubeショート動画を収益化するためには、YouTubeパートナープログラム(YPP)への参加が必要になります。

YPPへ参加するためには、「チャンネル登録者数が1,000人以上」、「ショート動画の視聴回数が直近90日以内で1,000万回以上、または公開動画の総視聴時間が4,000時間以上(直近12カ月)」、「YouTubeのコミュニティガイドラインとポリシーを遵守していること」、「ショート動画収益化モジュールに同意すること」という条件を満たす必要があります。

これにより、通常のYouTube動画とYouTubeショート動画の両方を収益化することが可能です。

YouTubeショート動画の収益化についてよくある質問

YouTubeショート動画についてよくある疑問と答えをご紹介します。

YouTubeショートの広告収益がプールされるのはなぜ?

通常の動画では、クリエイターが自分で広告を挿入したりする必要がありましたが、「クリエイタープール」という仕組みにより、単に視聴回数によって広告収益が分配されるようになりました。Googleによると、この仕組みはクリエイターの負担を減らすためのものです。

YouTubeショートにおける「音楽」の定義は?

「音楽」の定義は、基本的には著作権のある音楽が対象となります。またアーティストのインタビュー動画など、肖像権があるアーティストの動画を利用した場合も対象となるケースがあります。

まとめ:2024年現在、YouTubeショートで大きな収益を上げることは「難しい」

YouTubeショート動画の1再生あたりの収益/広告収入は、通常のYouTube動画と比べてかなり低め。これはYouTubeショート動画では、広告収益を分配する仕組みによるもので、収益を目的とした運営には「厳しい」面があります。

とはいえ、YouTubeショート動画は通常の動画への導線にしたり、他のプラットフォームと共有することが可能。YouTubeチャンネル運営者にとっては、他のSNSなどとのマルチプラットフォーム戦略を取るための便利な機能といえるでしょう。

※サムネイル画像(Image:Emre Akkoyun / Shutterstock.com)

オトナライフ編集部
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