ついにVTuberのプロデュースもAIにお任せ!? 注目の「AItuber」って何?

対話型AIチャットサービス「ChatGPT」の流行により、AI(人工知能)という言葉が一般的となりました。そのようななか、2022年12月には「AI Avator AOI」という、音声で対話可能なAIアバター「AI Avatar AOI」が登場し、メタバース空間では音声でAIとの対話が可能となっています。そうした流れはVTuberにも影響を及ぼし、ついには、AIによるVTuber「AItuber」まで登場したのです。そこで今回は、AItuberの現状と注目のAItuberを紹介しましょう。

AIの到来はVTuberにどんな変化をもたらす!?

2022年11月、AI(人工知能)を搭載した対話型チャットボット「ChatGPT」が登場して大きな話題となりました。

その後、Microsoftの「Bing」やGoogleの「Brad」なども相次いで登場し、私たちの生活のなかに急速にAIが浸透してきつつあります。

当然、その流れはVTuberの世界にも大きな影響を与えてきました。

VTuberとAIの関係は意外と古く、すでに2020年11月には「紡ネン」というAIを搭載したVTuberがデビューしています。

「X(旧Twitter)」に付けられたリプライや、配信中に視聴者が打ち込んだコメントから言葉を受け取り、学習していくのです。

最初はたどたどしい日本語であったり、質問の意味を理解できていなかったり、質問に対して変な受け答えをしていましたが、数多くの視聴者やファンと対話することで日々成長しています。

そのような紡ネンは、23年9月現在でチャンネル登録者数が7万3,000人と、かなりの人気を誇るVTuberに成長しました。

●紡ネン(公式)は→こちら
●紡ネン「YouTubeチャンネル」は→こちら

(Image:youtube.co)

AItuberとしてはかなり初期から活動している「紡ネン」。日々成長する姿が視聴者に受け入れられて人気を得ています。最近では英語による会話を覚え始めるなど、新たなチャレンジも始めています(画像はYouTube公式サイトより転載)

また、2022年12月に登場した「AI Avator AOI」は、メタバース空間をはじめ、さまざまなデバイスで音声対話が可能なアバターとして開発されました。

たとえば、メタバース内での受付嬢やインフォメーションセンターに配置してユーザーに自動で対応するなどの使い方ができるのです。

AIですから24時間365日対応が可能で、さらに対応しきれなかった場合のみ、有人対応への取次が可能なシステムが組み込まれています。

そのようなAI Avator AOIに、ChatGPTを連携させて音声による会話を実現したAItuber「AI茨ひより」が、23年4月に誕生しました。

AI茨ひよりは茨城県の公認VTuberで、自治体公認VTuberのAI化は日本初の取り組みとして注目されています。

AI Avator AOIの対話システムに、ChatGPTによる柔軟な対応が加わったことで、非常に自然な会話を実現できるようになりました。

23年4月に開催された「ニコニコ超会議2023」に出展された際には大きな話題となり、彼女が活動するYouTubeチャンネル「いばキラTV – IBAKIRA TV -」はチャンネル登録者数が16万人を突破するほどの人気となっています。

●いばキラTV – IBAKIRA TV -は→こちら

(Image:youtube.co)

日本初の自治体公認AItuberとして活動している「AI茨ひより」ですが、普通のVTuber「茨ひより」もいて、2人で対談したりと一風変わった動画も楽しめるチャンネルです(画像はYouTube公式サイトより転載)

対話だけじゃない! VTuberとAIの関係はさらに進化している

ここまで解説したように、AIはVTuberの会話部分で多く使われていますが、最近では別の使い方も注目されています。

まずは、AIによるアバター画像の作成です。つまりママを生身のイラストレーターではなくAIにしてしまうのです。

AIが作成するイラストは日々進化しており、AIを使って作られたアバターのみを使用するVTuber事務所も登場しているほどです。

ミーチュー株式会社が運営するVTuber事務所「ほへとプロダクション」は、(おそらく)世界初の画像生成AIを使ったVTuber事務所であることをウリとして、23年2月に1期生がデビューしました。

すでに1期生5人、2期生5人の10名が活動を開始しており、収益化ラインとなるチャンネル登録者数1,000人を6人が突破するなど、じわじわと人気を伸ばしています。

●ほへとプロダクション(公式)は→こちら

(Image:hoheto-pro.com)

アバター作成にイラストレーターを使わず、AIによって生成されたキャラクターを使うというアイデアを最初に実現。初期はそのイラストを貼り付けられるだけでしたが、23年7月からはLive2Dを取り入れて動くようになっています(画像はYouTube公式サイトより転載)

(Image:hoheto-pro.com)

「接木きまり」は23年2月、ほへとプロダクションからトップバッターとしてデビュー。チャンネル登録者数が2,000人を超えるなど、現在のほへとプロダクションをけん引する存在となっています(画像はYouTube公式サイトより転載)

さらに、キャラの見た目や名前、VTuberの成長戦略までもAIによって運営するVTuber事務所も登場してきました。

たとえば、VTuberプロダクション「Digital Persona」は、AIを活用するVTuberプロダクションの先駆けとして活動中です。

現在、第一期生オーディションが終了して初配信に向けて準備中。さらに第二期生のオーディションも実施しています。

AIがプロデュースまでを担当するVTuberが今後どのように成長していくのか、その活動からは目が離せませんね。

●Digital Persona公式サイトは→こちら

(Image:digitalpersonavtuber.weebly.com)

「Digital Persona」は現在第二期生のオーディションを開催中。X(旧Twitter)では、第一期生のデビュー準備が着々と進んでいることが報告されています(画像はDigital Persona公式サイトより転載)

(Image:digitalpersonavtuber.weebly.com)

画面左から「暁芸ミナト」「朔夜あかり」「焔華ヒカリ」が第一期生としてデビューする予定。アバターはすべてAIが作成しており、デビュー後の活動方針もAIが決めるそうです(画像はDigital Persona公式サイトより転載)

まとめ

いかがでしょうか? 今回はいわゆる“中の人”をAIが担当するVTubarと、ママやプロデューサー部分をAIが担当するVTuberを紹介しました。

もしかすると、今後はすべてをAIが担当するVTuberが登場するかもしれませんね。

AIを取り入れることで、「VTuber」がより面白いコンテンツへと成長していくのであれば、視聴者としては歓迎したいところです。

これから、AIとVTuberがどのような結びつきを見せ、どのように進化するのか楽しみですね!

いしばしいちろう
編集・ライター。20年以上、某ゲーム雑誌の編集部に所属。ゲームやパソコン、カメラ、鉄道などが得意分野だが、フリーになってからはコスプレイヤーの撮影にハマったあげく、最近はVTuberにどっぷり浸かっている。

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