YouTubeが世界的な展開をスタートさせている。それは何をかというと、動画の合間に差し込まれる広告を不法にブロックする「広告ブロッカー」への取り締まりだ。この「ブロック返し」を、YouTubeはこれまで一部の国と地域で行ってきており、今年5月から警告画面を出すようにし、7月には広告ブロッカーを有効化した状態で動画を3本視聴すると、動画プレイヤーを使用不可にする機能をテストしており、世界的にこういった事例が報告されている。
広告ブロッカーに対して真正面から対抗 今後世界的に強い取り締まりを展開
生活の中で切っても切り離せないという人も多いだろう、YouTube。無料動画配信サービスということで、時間も料金も気にせず気軽に利用できる。だが、集中して見ていると、わずらわしく思えてくるのが間に差し込まれる「広告」だ。無料で見ているので、これは受け入れるべきなのだが、世の中にはそれができない人が一定数いるようだ。
そのような中、YouTubeが動画に差し込まれる広告を、不法にブロックする広告ブロッカー(アドブロッカー)の取り締まりを全世界に向けて展開すると発表した。YouTubeの収益源は広告収入なので、広告を見ずに動画だけ見られる状況が多くなると、会社の経営が成り立たなくなるのは明白で、企業の存続に関わるため、広告ブロッカーに対して真正面から対抗していくものとみられる。
3回警告を無視すると、動画の再生が規制されるスリーストライク制度を導入
これまでYouTubeは、一部の国や地域で広告、ブロッカーへの「ブロック返し」を行ってきた。そして、今後もこういった取り組みを拡大していくとYouTubeのコミュニケーションマネージャーであるLawton氏は語っている。今年5月には、広告ブロッカーを有効化したユーザーに、「広告ブロッカーは、YouTubeで許可されていない」、「何千万人もの人がYouTubeを無料で閲覧可能にするために必要」などの警告ポップアップ画面が出て、動画の再生が規制されていた。
これを解除するには、YouTubeを許可リストに登録するか、広告ブロッカーを無効にするか、YouTube Premiumに加入することを促す。
また、7月には3回警告を無視すると動画が再生できなくなるスリーストライク制度が導入された。これを解除するには、広告の表示を許可するか、YouTube Premiumに加入する必要がある。また、一定の時間が経過しないと広告ブロック返しの警告ポップアップを閉じることができない、タイマー機能も導入されている。
YouTubeは、ヘイトスピーチや陰謀論やポルノグラフィティーなどの動画を次々と削除しているが、それには技術や人材への投資を増やす必要があり、それがYouTubeの収益を圧迫しているという一面もあり、そのような背景も相まって、今後もブロッカーへの取り締まりは強化されるのだろう。
参考元:YouTube のポリシー
※サムネイル画像(Image:sdx15 / Shutterstock.com)