2024年7月7日に投開票を控える「東京都知事選挙」。今回の選挙を前に、候補者の演説の様子などの切り抜き動画がおすすめとして流れ、目にする機会が増えたように筆者は感じるが、実際のところ56人の立候補者のうち30人が公式のYouTubeアカウントで選挙活動を行っているという。今回は、東京都知事選がYouTube上でどのくらい注目を集めているか分析した結果を紹介しよう。
東京都知事選に関する動画の本数、チャンネル数は前回の約2倍に
エビリーは、2024年6月21日~7月1日の期間、登録者数1,000名以上の国内YouTubeチャンネルの視聴データが分析できるkamui trackerを用いて、YouTube上でどのくらい都知事選が注目を集めているか調査した。YouTube上に都知事選に関連するコンテンツがどれくらい上がっているか、「都」「選」というキーワードが入る動画を検索したところ、2020年の都知事選の時に比べて、動画本数、対象チャンネル数は約2倍に伸びており、YouTube上で注目を集めていることが分かった。最近では、小池百合子都知事のルームツアーや蓮舫氏によるライブ配信など、候補者による工夫を凝らしたSNS戦略も見受けられる。
「東京都知事選挙」に次いで候補者個人名も上位キーワードに
動画本数とチャンネル数について見てきたが、それらの動画でどのような発信がされているのだろうか。動画のタイトルに入っていた文言を2020年と2024年で比較。登場回数の多かったキーワードが視覚的に大きく表現されるAIテキストマイニングで見てみると、2020年は選挙・政治サイトの「選挙ドットコム」を中心としたキーワードが多く用いられており、政治への関心の高い視聴者が動画を視聴していたことが分かる。
一方で、2024年は、立候補者の名前が含まれる動画が増加傾向にあり、なかでも「石丸伸二」というキーワードはタイトルに含まれる名詞19086回のうち691回、約3.6%を占める頻度で使用されていることが判明。この数値は、最も多い「東京都知事選」の846回に次いで2番目に多いという。
また、「shorts」というキーワードも上位にランクイン。候補者の発言を切り抜いた短い動画なども流れており、候補者の考えを知るには短い尺であるものの、タイパを求める人にとっては向いているコンテンツのようだ。
どの候補者がどんな公約を掲げているのか知るために、これまでは情報収集の手段が限られていたが、動画のコンテンツが増えた今、より手軽に知ることができるようになった。この傾向が今回の投票率増加につながることを期待したい。
出典元:【株式会社エビリー】