意外と知らない、CDと比べてiTunes Storeで購入した曲は音質が悪いのか?

ストリーミング解禁がされていないものの、iTunes Storeでは楽曲が配信されているアイドルやアーティストは決して珍しくはありません。この場合、CDを購入するのではなく手軽に聴ける配信で音源を入手したい方も多いのでは。

しかしよくよく考えると、iTunes Storeで購入した曲は「CDと比べて音質が良いのか、悪いのか」がやや分かりづらい面があります。仮に大きく音質が劣るならば、好きな曲であればやはりCDを買う方が本来の歌声や演奏が楽しめるでしょう。

そこで今回はCDと比べてiTunes Storeで購入した曲は音質がいいのか、悪いのかを解説します。

CD音源は「ロスレス」

CD音源は「ロスレス」1

まずCD音源は、一般的に「ロスレス」とも呼ばれます。ロスレスは一言で言えば非圧縮音源であり、可逆圧縮とも呼ばれます。ちなみに可逆圧縮の逆が、不可逆圧縮であり、MP3やAACなどが該当します。

ロスレスであるCDは44.1kHz/16bitで記録されており、これが基本的にCDの音質の上限となります(※SACDなどよりビットレートが高い一部のCDを除く)。

ちなみに「ロスレス」と「ハイレゾ」は別物である点にはご注意ください。CD以上に高音質な音源を聴きたい方は、Apple Musicに代表されるハイレゾ対応の配信サービスを使うと良いでしょう。

iTunes Storeで購入した曲の音質について

iTunes Storeで購入した曲の音質について1

一方、iTunes Storeでは現在、256kbpsのAACでエンコードされた曲を提供しています。AACは可逆圧縮の逆である「不可逆圧縮」音源に該当し、簡単に言えば元のデータの一部を削除することで、データ量を小さくしています。圧縮による音質の劣化は避けられません。

256kbpsはAACとしてはかなり高いビットレートであり、多くの人にとって十分な音質ではあります。とはいえiTunes Storeの楽曲はそもそも「ロスレス」ではないことから、CDの方が高音質であることは間違いありません。

256 kbit/秒の音質は「CDと比べてどれくらい悪いのか」

前述の通り、256 kbit/秒のビットレートでエンコードされたAACファイルはロスレス音源には劣ります。とはいえ普段からオーディオ機器やヘッドホンなどにこだわっている方や、ミュージシャンの方などでない限り「iTunes StoreのAAC」と「CD音源」を聴き分けることは簡単ではないでしょう。

・CDからリッピングしたWAVファイル
・256kbpsのAAC

はスマホに安いイヤホンを挿し、移動中に聞き流す程度であれば差がないレベルです。スマホで聴く前提であればファイルサイズが小さい分、AACの方が実用的ではあるでしょう。

256 kbit/秒の音質は「CDと比べてどれくらい悪いのか」1

(筆者撮影)

一方、ハイレゾやロスレスに対応するストリーミングサービスが登場している中で「256kbpsのAAC」は、音質にこだわる方にとっては物足りなさがあるかもしれません。

たとえばクラシック音楽など「音の響き」を重視するジャンルの楽曲を楽しむ場合は、

・CD音源相当のロスレス
・ハイレゾ

を選び、なおかつヘッドホンなど聴取環境そのものにもこだわることをおすすめします。

また、良くも悪くも「圧縮音源」は本来のロスレス音源と比べると音のデータの一部が失われていることは事実です。移動中に楽しむ音源としては圧縮音源を選びつつも、好きな曲であればCDやハイレゾ音源を入手してみることもおすすめします。良いスピーカーで曲を聴くと、意外とギターやボーカルの音色が違って聴こえることもありますよ。

※サムネイル画像(Image:ymgerman / Shutterstock.com)

オトナライフ編集部
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