最近YouTubeの動画を見ていて、「何だか画質がイマイチだな」と思ったことはないだろうか。実は、新型コロナウイルスの影響で一時的に画質が低下しているのだ。一体どういうことなのか、もっと高画質で見たいときはどうすればいいのかを解説しよう。
YouTubeが画質引き下げに踏み切った理由
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、外出を自粛する動きが広がっている。家で過ごす時間が増えると、つい見てしまうのがYouTubeなどのネット動画だ。同じことを考える人は世界中に大勢いるわけで、結果としてインターネット上を流れるストリーミング動画のデータが増大している。同時に、テレワークなどによるデータ通信量も増えているため、ネットワークへの負荷が深刻な状態になりつつある。要は、世界中でインターネットが大混雑して大変なことになりそうなのだ。
対策の一環として、YouTubeはデフォルトの再生画質をHDからSD(標準画質)に引き下げた。当初はEUからの要請で欧州のみで実施されていたが、2020年3月24日(米国時間)以降は日本を含む全世界へ対象エリアを順次拡大している。実施期間は30日間となる予定だ。
理由が理由だけに、むやみに高画質で見ようとするのは慎むべきだが、「この動画だけは、どうしてもキレイな画質で視聴したい!」と思うこともあるだろう。そこで、画質の設定を変更する方法を覚えておこう。
従来のYouTubeでは、画質を「自動」にしていれば720pや1080pのHD画質で再生されたが、現在は480pのSD画質に抑えられている。混雑状況によっては、さらに低画質な360pになる場合もあるようだ。「○○p」は動画の解像度(縦のピクセル数)を示す値で、数字が大きいほど高画質になる。
といっても、自動的に再生される動画の画質が下がっただけで、手動で設定を変更すれば高画質版を視聴できる。まずはパソコンのブラウザで見る場合の設定方法を説明しよう。
Android版やiOS版(iPhone/iPad)のYouTubeアプリでも、画質の変更が可能だ。ただ、スマホだと画面が小さいので、あまり高画質にしても差がわからない場合もあるし、通信量も気になる。どうしても見づらいとき以外は、自動のまま視聴したほうがよいだろう。
新型コロナウイルスの影響が思わぬところにも及んだ今回の措置。欧州では、YouTubeだけでなくNetflixやAmazon Prime Videoなども画質の引き下げに踏み切っており、今後は日本でも同様の対応が取られる可能性がある。人命にかかわる重大な局面なので、動画の画質くらいは我慢するべきなのかもしれないが、この状況が一日も早く収束することを祈るばかりだ。