あなたは一日の間で、どれくらいの時間スマートフォンを触っているだろうか。連絡手段のLINE、娯楽や情報収集手段のTwitter、Instagram、YouTube等々……気づけばあっという間に数時間が経ってしまっていたということもよくある話だ。
特にYouTubeは「あなたにおすすめの動画」として、閲覧履歴などをもとにカスタマイズされた情報が提示されるため、次へ次へと再生してしまいがち。そんなYouTubeの利用時間について、興味深い調査結果が明らかになったのでご紹介したい。
YouTubeの使用時間、この1年で約2倍に
データマーケティングエージェンシーのGlossomは、スマートフォンでの情報収集に関する定点調査を2019年より実施している。調査結果によると、1日のうちで情報収集のためにスマートフォンを利用する平均時間は、2019年が112.1分なのに対し、2020年は126.6分で13.0%増加。スマートフォンが世に出回ったのはもう何年も前のことになるが、その勢いは未だ伸び続けているようだ。
なかでも、YouTubeの平均利用時間は2019年が16.0分だったのに対し、2020年は27.8分と約2倍に。ところが、利用率は2019年が51%、2020年が56%と、利用する人についてはさほど増えていない。すなわち、1人あたりの利用時間が増加したということだ。この結果から、この1年の間でYouTubeというコンテンツそのものの価値が、利用者の中で高まったということが言えるだろう。
では、なぜこんなにもYouTubeの利用時間が増えたのだろうか。1つの大きな理由として、「芸能人YouTubeの増加」が考えられる。新型コロナウイルスの感染拡大によってテレビ番組の収録ができなくなったことを背景に、2020年3~5月にYouTubeチャンネルを立ち上げる芸能人が急増したのは記憶に新しい。当初、芸能人によるYouTubeはテレビ収録が再開するまでの“つなぎ”的な立ち位置だったが、芸能人の私生活が見られたり、テレビではできない際どい企画が実現したりなど、視聴者にも配信者にもメリットだらけのYouTubeにニーズがないはずがない。ソーシャルディスタンスをとった上でテレビ収録が再開された今でも、継続してYouTuber活動に励んでいる芸能人は多い。
一方テレビでは感染防止対策をとった上で通常通り収録されるようになったが、アクリルボードが並んだり、リモート出演したりとこれまでとは違った演出及び進行に違和感を覚えるといった意見も相次いでいる。またSNSなどでは「万全に対策されたスタジオに仰々しさを感じる」といった意見も。こういった小さな不満が積み重なり、いつでもどこでも好きなものを好きな時に見られるYouTubeにユーザーが流れてしまったということもあるだろう。テレビ業界も苦戦を強いられているところかもしれないが、テレビとYouTube、互いの利点を活かしてさらに発展していってもらいたいものだ。
参照元:【スマートフォンでの情報収集に関する定点調査2020】 利用時間は1割増、動画による情報収集が拡大 10代はYouTube利用時間が2倍増、 TikTok利用率は2倍増【Glossom】
※サムネイル画像(Image:Mehaniq / Shutterstock.com)