音楽を楽しむ方法はここ数年で一気に定額制音楽配信サービスに切り替わっていった。多くのサービスがある中で、その利用者が「メインで使うサービスの決め手になったのは何か」と問われたら、「曲数」「コンテンツ力」「連動サービス」など、人によって様々な要素が挙がるかもしれない。
今回は“とある方法”で、今SNS世代から支持を集め始めている定額制音楽配信サービスを紹介していく。
一番利用頻度が高いのはAmazon Music。しかし「シェア」という観点で見ると…
ここ数年で一気に定着を見せた定額制音楽配信サービス。いまやほとんどの日本国民が、各社サービスを利用しながら音楽を楽しんでいる。株式会社ジャストシステムの実施した「モバイル&ソーシャルメディア月次定点調査(2020年8月度)」の結果によると、利用頻度の高いサービスについて、一番多かったのが34.1%の人が回答した「Amazon Music」。次いで26.9%の「Apple Music」。14.4%の「LINE MUSIC」。9.0%の「Spotify」と続いた。サービスを支持している理由としては「楽曲の多さ」が最も多く47.6%。「楽曲の内容」31.8%、「コストパフォーマンス」30.0%と続いた。
一方で「楽曲をSNSでシェアする機会の多かったサービス」の項目を見てみると、利用頻度のランキングとは異なる興味深い結果が判明した。1位には利用頻度で4位だったSpotifyが入り、それに続くかたちで「YouTube Music」が50.0%という高い数値をたたき出していたのだ。利用者数ではランク外だったものの、SNSとの相性が良く楽曲を知人にシェアしやすいシステムのため2人に1人がシェアを経験していたと予想される。
なぜYouTube Musicがシェアとの相性がいいのだろうか。その秘密は、動画サイトが本家にあるというバックグラウンドを最大限生かしているからではないだろうか。YouTube Musicでは公式MV(ミュージックビデオ)やパフォーマンス映像などの映像コンテンツを交えたシェアが可能となっている。「この音楽おすすめ!」という想いに「映像」をつけることができるとあれば、他の定額制音楽配信サービスでのシェアよりも“敢えて” YouTube Musicでのシェアを選ぶのはファン心理としては当然かもしれない。
また、これらのサービスは基本的には無料で利用できるというのも利点だろう。おススメしたいという時に有料会員でなくても「誰でも」手軽にシェアができるのであれば普段は別サービスを使用して、SNS投稿時にはYouTube Musicという使い方をしているユーザーも多そう。YouTube MusicはSNSとの相性の良さを最大限生かす形でユーザーを獲得しているようだ。
動画サイトとしてのイメージが強いYouTubeだが、実はいま音楽配信という新たな武器も手に入れたのだ。音楽を聞くだけでなく、動画やシェアなど多角的な戦略で邁進するYouTube Musicから目が離せない。
参照元:サブスク音楽配信サービス利用率は15.5% Spotifyユーザはシェア率が高い ヘビーユーザが多いのは? 月次定点調査(2020年8月度)【ロボスタ】
※サムネイル画像(Image:rvlsoft / Shutterstock.com)