「Google」主催のオンラインイベント「Brandcast」において、「YouTube」の利用状況の詳細が発表された。軒並み利用者は増加しているという報告だが、ユーザーのYouTubeの楽しみ方自体がいま大きく変わり始めていることも判明した。
今回は利用詳細を紐解くことで、YouTubeがひとつの動画サイトという枠を超えて、エンターテインメント自体を大きく変えていく可能性について迫っていく。
もっとも支持されているプラットフォームはYouTubeだ
YouTubeが発表した、ユーザーの利用実態、企業やアーティストによる活用事例などの最新情報によると、日本におけるYouTube月間利用者数は、6,500万人超であることが判明した(2020年9月度)。利用者アンケートでも74%が「利用時間が増えた」と回答している。視聴された動画の内訳をみてみると、「自宅エクササイズ」「家庭菜園」「料理」といった“ハウツー動画”が大幅に増加していた模様。「娯楽」はもちろん、「学び」や「ライフスタイル」へより人々の生活にYouTubeは密接な関係となりつつあるようだ。事実18~64歳という幅広い層にとって「なくなったらもっとも寂しいプラットフォーム」として1位になったという結果が出ている。動画サイトという枠を超えて、もはや生活必需サービスにYouTubeは進化を遂げているのだ。
今回の調査で注目したい項目が「YouTubeの視聴方法」だ。テレビを通じたYouTube視聴は、前年比2倍以上というデータが出ている。「テレビ画面での視聴」が急激に伸びているのだ。
「テレビはテレビだけを見るもの」という概念から、動画サイトを大画面で見るためのツールへと変わっているのかもれない。また、コンテンツとしてもテレビタレントのYouTubeチャンネルが増えているばかりか、その逆にYouTuberのテレビ出演も増加している。今後はますますテレビとYouTubeの境界線は無くなっていきそう。消費者としては、互いに牽制し合うのではなく、「映像コンテンツ」という世界で切磋琢磨しながら相乗効果が生まれるような間柄になっていくことを祈る。
YouTubeは、「通勤中やベッドの中など、テレビが無いところでスマホやタブレットで見るもの」から「リビングで大画面で見るもの」へと舵を切り始めていることが今回の調査で分かった。投稿自体も数分で楽しめるエンターテインメント性の高いコンテンツよりも、今後はリビングで腰を落ち着かせて見られるような「ゆったりとした」投稿がウケるようになっていくのかもしれない。
参照元:月間 6,500 万ユーザーを超えた YouTube、2020 年の国内利用実態──テレビでの利用も 2 倍に【Think with Google】
※サムネイル画像(Image:Syafiq Adnan / Shutterstock.com)