動画配信サービスのNetflixが値上げを発表した。作品のさらなる充実を図り、より価値の高いサービスを目指すためとしている。コロナ禍の“巣ごもり需要”で利用者が増え、現在の会員数は全世界で2億人を突破している。値上げには不満の声が上がる一方で、理解できるという利用者も多い。Netflixのオリジナルコンテンツの質の高さには目を見張るものがあり、それを見たい人のなかには今回の値上げに期待する人さえいるようだ。
動画配信サービスの中でもNetflixの満足度は高い
Netflixの値上げは、プランによって異なる。ベーシックプランはこれまで880円から990円に、スタンダードプランは1,320円から1,490円に変更となるが、1,980円のプレミアムプランは据え置きだ。Netflixの日本での値上げは2018年以来となり、コロナ禍を追い風に会員数を増やしたあとでは初となる。
百数十円とはいえ、値上げのニュースに利用者からは不満の声も聞こえるが、逆に納得の声もある。動画に限った話ではないが、どんなサブスクリプションも利用しなければ毎月の支出だけが続いてしまう。あまり動画を見ることのないライトユーザーにとっては、値上げは痛手でしかない。不満を持つ気持ちもわからないことはない。しかし映像作品をしっかり見る人にとって、Netflixはもはや手放せない動画配信サービスとなっているのも事実。定額制動画配信の満足度ランキング(oricon ME)では、Netflixは4年連続満足度総合1位を獲得していて、特にオリジナル作品への評価は非常に高い。同じようなコンテンツが並ぶ地上波のラインナップに飽きた人たちが行き着いた先がNetflixなのだ。
昨年ブームとなった韓国ドラマ「愛の不時着」も、Netflixのオリジナルコンテンツだ。ひとつの動画配信サービスでしか見られない作品が、2020年の新語・流行語トップ10にもランクインするという偉業を成し遂げたことは記憶に新しい。
Netflixのおもしろさは、世界各国のオリジナルコンテンツが見られるところにもあるが、最近では日本発の作品も負けていない。麻生羽呂の漫画を原作としたドラマ『今際の国のアリス』は、2020年末に配信されてから約40の国と地域でTOP 10入りを果たした。今後は海外で話題になった日本作品が、逆輸入的に日本でブームとなる可能性だってなくはない。しかし、選びきれないほどの作品があるなかで、世界中の視聴者に支持される作品をつくるには潤沢な資金が必要だ。当然ながら、資金源はユーザーからの使用料となる。
いまの地上波を「安かろう悪かろう」と表現するなら、Netflixは「高かろう良かろう」なのかもしれない。しかし、Netflixの良質さを重々理解した多くのユーザーにとっては、百数十円アップしたところで「良かろう」の部分が旨すぎるコンテンツであることに変わりはない。これまで積み上げた信頼の上に、今回の値上げは成り立っているのだ。
参照元:Netflixが値上げ。スタンダードは月額1,320円から1,490円に【AV Watch】
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