「AviUt」で動画編集中に動作が重いときの原因と対処法を解説!

「AviUtl」で動画を編集中動作が重いときの原因と対処方法をご存知だろうか。本記事では、「AviUtl」で動画を編集中に動作が重くなってしまったときに考えられる原因と対処方法紹介するので「AviUtl」ユーザーはぜひ参考にしてほしい。

AviUtlは高解像度な動画の編集には向かない

動画編集ソフトである「AviUtl」は完全無料でプラグインを入れることで非常に高品質な動画を作成することができる。そのため、動画編集入門として「AviUtl」を利用している方も多いだろう。しかし、「AviUtl」で動画を編集していると「AviUtl」の処理が重くなってくることがある。本記事では、「AviUtl」で動画編集中に処理や動作が重いときの対処方法を紹介するので参考にしてほしい。

はじめに、「AviUtl」を利用しているライトユーザーの方に知っておいてほしい「AviUtl」の動画編集ソフトとしての紹介がある。それは、「AviUtl」自体は高解像度の動画編集には向いていないということだ。

とくに、最近では主流になりつつある4K動画の編集やH.265などの最新コーデックの動画の処理などがこれに当たる。その理由に、「AviUtl」本体や「AviUtl」の動画編集に欠かすことができない各種プラグインはすべて個人開発されたものであり、ある程度汎用的な処理や技術は「AviUtl」本体のアップデート、プラグインのアップデートで実現されて入るものの4K動画や最新コーデック動画の処理に必要な高度な技術は「AviUtl」の開発規模では実装できていないという背景を挙げることができる。

そのため、4K動画や最新コーデックの動画を処理したいのであればAdobe PremiereやApple Final Cutなど最新技術が取り入れられた動画編集ソフトを利用するべきだ。本記事では、「AviUtl」で動画を編集・処理中に動作が重いときの原因や対処方法を紹介するが、それらを行なってもやはり最新技術を搭載した動画編集ソフトには敵わない部分が多い。これらを理解した上で「AviUtl」を活用してほしい。

720p程度の動画や汎用コーデック動画の編集を行う分には「AviUtl」は非常に使いやすく動作も軽快でオススメの動画編集ソフトといえる。何よりも「AviUtl」は無料なので、「AviUtl」を利用したことのない方は一度、気軽に「AviUtl」を試してほしい。

AviUtlの動作が重いときの原因と対処法【設定】

これから「AviUtl」の動作が重いときに考えられる原因と対処方法について紹介する。動画編集中や処理中に「AviUtl」の動作が重いと感じた方はこれから紹介する項目について確認してもらいたい。

【対処法①】キャッシュサイズの数値を大きくする

「AviUtl」の動作が重いときの原因としてキャッシュサイズの設定が小さすぎるという原因を考えることができる。キャッシュサイズとは「AviUtl」が動画の処理のために使用するキャッシュのサイズのことだ。このサイズが小さければいくら大容量のメモリを搭載してもキャッシュサイズで指定したサイズ分しか「AviUtl」がメモリを利用できなくなってしまう。

とくに、「AviUtl」をはじめて導入してデフォルト状態の環境ではキャッシュサイズが非常に小さくなっているのでキャッシュサイズの変更が必須である。キャッシュサイズについて、自身が利用しているパソコンのメモリサイズに合わせて設定しよう。但し、キャッシュサイズを大きくしすぎてしまうとメモリの空き容量が足りなくなってしまうので、最大でも「実装メモリ-2GB」程度にしておくことをオススメする。

「AviUtl」のキャッシュサイズを設定するには、「AviUtl」を起動して「ファイル」→「環境設定」→「システムの設定」を選択する

「AviUtl」のシステム設定が表示されるので、「キャッシュサイズ」の項目で任意のキャッシュサイズを入力してキャッシュサイズを設定する。なお、設定後は一度「AviUtl」を再起動しよう

【対処法②】フィルタを非アクティブにする

「AviUtl」で素材を多く重ねたり、素材に対して適用しているフィルタが多くなってくると動作が重くなってしまう。そのようなときには、素材に対して適用しているフィルタを一時的に非アクティブにするのが効果的だ。

素材のフィルタを非アクティブにするとは、フィルタを一時的に無効にして素材のプレビューや処理に該当のフィルタが反映されない用にする処理のことだ。これを行うことで、現在行なっている処理にリソースが割り振られて、現在操作していない非アクティブ化したフィルタの処理にはリソースが割り振られなくなるので高速化を期待することができるのだ。

なお、素材に対して適用されているフィルタを非アクティブ化した場合には自動では元に戻らないので、必要がなくなったタイミングで再度アクティブに戻すことを忘れないようにしよう。

素材に対して適用されているフィルタを非アクティブにするには、フィルタが乗っているタイムラインのレイヤー名をクリックする

レイヤー名をクリックすると、そのレイヤー全体が非アクティブになり一時的に素材に対してフィルタが適用されなくなる。この状態で別のフィルタ処理や編集処理を行なって、それらが終わったタイミングで再度、レイヤー名をクリックしてフィルタをアクティブにしよう。すると、素材にはここで行なった編集とアクティブになったフィルタ両方が適用されるようになる

【対処法③】画像処理を間引いて表示する

「AviUtl」が重いときに行える設定に「画像処理を間引いて表示」というプレビューの軽量化がある。

「画像処理を間引いて表示」を行うには、タイムラインを右クリックして「画像処理を間引いて表示」をクリックする。この設定を行うことでプレビューの画像処理が軽量化されて表示される

【対処法④】ハンドル数/キャッシュ数を上げる

「AviUtl」の設定で「バンドル数・キャッシュ数」を上げるという重いときの対処法がある。

「バンドル数・キャッシュ数」を上げるには、「AviUtl」のタイムラインを右クリックして「環境設定」を選択する

「環境設定」にある動画ファイルのバンドル数と画像データのキャッシュ数の数を増やして様子を見てみよう

【対処法⑤】LargeAddressAwareを有効にする

古いバージョンの「AviUtl」であれば「LargeAddressAware」という項目を有効にするのも一つの手段だ。「AviUtl」の環境設定からこの項目を有効にすれば「AviUtl」がより多くのメモリを利用できるようになる。なお、現行の「AviUtl」ではすでに有効になっておりこの項目は消えている。

AviUtlの動作が重いときの原因と対処法【素材】

「AviUtl」の動作が重いときには、「AviUtl」で利用する素材に一工夫することで動作を軽くできる場合がある。

【対処法①】素材のリサイズをする

「AviUtl」で利用している素材が利用目的に対して大きすぎる状態は「AviUtl」が重くなってしまう原因のひとつだ。「AviUtl」で素材を読み込む前にリサイズしておこう。

拡大などを行う予定がなく、720pで編集しようとしているのに画像のように非常に大きなサイズの素材を読み込むと「AviUtl」の動作が重い原因となってしまう

【対処法②】素材の置き場所を変更する

「AviUtl」で利用する素材をHDDストレージ上においている場合、転送速度がネックになっている可能性がある。利用しているパソコンにSSDが搭載されている場合には、素材の置き場所をSSD上にしてみよう。データの転送速度が格段に早くなり動作が見違えるように早くなる場合がある。

AviUtlの動作が重いときの原因と対処法【プラグイン】

「AviUtl」の利用で欠かすことができないのが「プラグイン」だ。「AviUtl」の基本的なタイムラインなども「AviUtl」ではプラグイン扱いとなっており、「AviUtl」導入時にはセットアップしたはずだ。「AviUtl」でプラグインを使えば新しいファイル形式の素材を読み込むことやフィルタを追加することができる。

実は、「AviUtl」には動作の高速化を行うことができるプラグインも存在する。「AviUtl」でプラグインを使って動作が重いときに動作を高速化する方法を紹介する。

【対処法①】高速化プラグインを使う

「AviUtl」でオススメの高速化プラグインに、「InputPipePlugin」がある。これは「AviUtl」が動画素材の読み込みに利用している別のプラグインのプロセスを「AviUtl」自体のプロセスとは分離させることでプロセス単体としてのメモリ使用量を削減するためのプラグインだ。これで「AviUtl」自体が利用するメモリ使用量が削減されて動作が重い状態を解消できる場合がある。

また、正しい意味で「高速化」とは言えないがプレビューが重いときの対処法として、「拡張編集RAMプレビュー」というプラグインを使って、RAMプレビュー機能を「AviUtl」に付与するという方法がある。RAMプレビューとは、指定した範囲の処理中の動画をレンダリングして、RAM(メモリ)上に展開することでプレビューをスムーズに行うことができる機能のことだ。

なお、RAMプレビューを行う際には、プレビュー前にプレビューしたい範囲のレンダリングを行い時間がかかる上、無圧縮の動画がRAM上に展開されるのでメモリを非常に多く消費すると言った欠点もある。

AviUtlの動作が重いときの原因と対処法【スペック】

「AviUtl」の動作が重いときには「AviUtl」を利用しているパソコンのスペックが原因の可能性もある。パソコンのスペックが原因で動作が重くなるということは、「AviUtl」以外の動画編集ソフトでも多くある原因だがとくに「AviUtl」はパソコンのスペックに左右されやすい。

冒頭でも紹介したように、「AviUtl」は一般の動画編集ソフトと比べると高速化技術を含め高度な処理技術については劣る部分がある。他の動画編集ソフトであればパソコンのスペックによらず、ソフトウェア技術で解決できる処理でも「AviUtl」はパソコンの処理能力を最大限に使って処理しようとする部分が多いので、パソコンのスペックによりいっそう左右されやすいのだ。

GPUの使用やソフトウェアによる処理能力については他の動画編集ソフトに劣る部分が大きいので、とくに、「AviUtl」の動作はスペック面で見るとパソコンに実装されているメモリの量とCPUのスペックに左右されやすい。

【対処法①】メモリを増設する

「AviUtl」の動作が重いときに検討したい、パソコンのスペックアップ項目のひとつにメモリの増設がある。「AviUtl」は動画編集中や処理中だけではなくプレビュー時などでもメモリを多く消費する。とくに、高速化プラグインで紹介したRAMプレビューを使うとメモリ上に直接無圧縮の動画を展開するのでメモリの消費が著しい。

そのため、「AviUtl」の動作が重いと感じたときにはパソコンのスペックとしてメモリの増設を検討してみよう。

「AviUtl」の動作が重いときにメモリの増設を検討している方は、メモリの合計サイズが最低でも8GBは確保できるようにするとよい。また、余裕がある方は16GBを目安にしてRAMプレビューを活用したい方はぜひ32GB以上の容量のメモリサイズを確保できる用にしてほしい

【対処法②】core i5以上のCPUを使う

「AviUtl」では動画の処理にCPUパワーを非常に多く利用する。「AviUtl」においてはGPUよりもCPUパワーを重視してスペックを検討すべきと言える。これから「AviUtl」を目的としてPCを準備する場合にはCPUスペックの目安としては、Intel Core i5以上のCPUをオススメする。

ただ単にCore i5以上と言ってもCore i5にはさまざまな世代や品番があり、スペックが大きく異なってくるのでその点については注意が必要だ。720p程度の動画を処理するとしても、一般的な用途を考えると、Core i5-6500以上のCPUは用意したいところだ。可能であれば10世代以降のCPUを選択するとなおよい

オトナライフ編集部
iPhone・Android・SNS・パソコン関連・キャッシュレス、QRコード決済など、さまざまな情報を独自の視点や切り口で発信するニュースサイト
X/Twitter:@otonalife
YouTube:OTONALIFE Ch

iPhone/Androidスマホやキャッシュレス決済、SNS、アプリに関する情報サイト[オトナライフ]

関連記事

TOPICS
動画・音楽最新記事

RANKINGランキング

6:00更新