NTTドコモ モバイル社会研究所は、2021年1月、スマホ・ケータイ所有者の動画サービス利用とYouTube利用動向について調査を実施した。対象は全国の15~79歳のスマホ・ケータイを所有する男女8,249人。複数回答可とし、調査対象のサービスを「月1回以上」利用したことがあると回答を行った人を集計している。この調査の結果、改めて「YouTube」の圧倒的なブランド力が明らかとなった。
知らない人はいないYouTube、利用率も65%と他に大差をつけて圧勝!
この調査ではYouTube以外の動画サービスの認知率と利用率も調査している。まず、それぞれの認知率は、「ニコニコ動画」80.4%、「GYAO!」 71.5%、「TVer」 67.5%、「ABEMA」 67.0%、「LINE LIVE」 45.0%だった。そしてYouTubeの認知率はというと、96.9%。皆さんもお感じのとおり、非常に高いことが改めてこの調査で明らかとなった。年代別、男女別に見ても、ほとんど全てのカテゴリーで90%を超える高い認知率を誇っており、老若男女“みんなが知っている”動画サービスと言っても過言ではない。
そして、YouTubeとそれ以外の動画サービスでさらに大きな差が出たのは利用率だ。YouTubeでは、65.8%と最も高い利用率を誇る。しかし、それに次ぐサービスはTVerで13.4%、その次がABEMAで9.2%と、大差がついている。それ以下の利用率は、ニコニコ動画 8.3%、GYAO! 8.2%、LINE LIVE 4.5%だった。
YouTubeの利用者を年代別、男女別に見てみると、10代から40代は男女ともに約70~80%の割合が視聴している。シニア世代においても、女性70代を除いたカテゴリで50%以上の人がYouTubeを視聴していると答えた。
シニア世代の利用者が思いのほか多いのは少し意外だが、近年ではテレビのリモコンにYouTubeボタンが付いているものも多く、ボタン1つで動画視聴できるようになっている。容易に操作できるようになったことも、シニア世代の利用率を押し上げる要因になっているのかもしれない。
ここまででYouTubeが多くの人から認知され、利用されている現状はお分り頂けただろう。しかし、YouTubeへの投稿に関してはどうだろうか。今回の調査結果では、動画を公開している人を示す「投稿率」は、回答者全体で4.8%だった。投稿率を男女別で見てみると、男性が7.3%、女性が2.3%。男性では、10代がもっとも投稿率が高く16.4%で、20代では11.5%と続いた。一方、女性では、どの年代でも5%以下で、男性の方が女性よりも積極的にYouTubeに投稿している人が多いことが分かった。確かに、YouTuberとしてメディアなどに露出しているのは男性の方が多い気もする。
そして、投稿率が全体で4.8%と低く留まる要因として考えられるのは、YouTubeでは動画の編集にクオリティが求められるからではないだろうか。「インスタグラム」や「TikTok」などの短尺な動画と違い、作り込まれた動画のほうが視聴回数も伸びるイメージがある。そのため、編集慣れしていない一般人の場合、YouTubeへの投稿のハードルは高く感じられるのかもしれない。
近年は小学生のなりたい職業にYouTuberがランクインしていたばかりだが、実は、動画を投稿する人はかなり少数派だった。「うちの子が本気でYouTuberを目指し始めたらどうしよう…」と不安を抱えているご家庭にぜひともお伝えしたい事実だ。
出典元:YouTube認知率96.9% 利用率6割超え:一方、投稿率は5%程度【モバイル社会研究所】