2021年11月にサービス開始から2周年を迎える「Apple TV+」。「テッド・ラッソ 破天荒コーチがゆく」などのヒットドラマや受賞歴のある番組がある一方で、いまいち波に乗り切れていない感が強い。動画配信サービス比較サイト「JustWatch」が発表したレポートにもそれが表れており、2021年第2四半期(4月~6月)の動画配信サービスの市場シェアにおいて、Apple TV+は3%のシェアにとどまっていることが明らかとなった。
Netflixが安定のトップシェア。Disney+はシェア拡大傾向
2021年1月にJustWatchが行ったアメリカでの動画配信サービスの市場シェア調査では、「Netflix」が28%とシェアトップの座を獲得。続いて「Amazonプライム・ビデオ」が20%、「Disney+」が14%、「Hulu」が13%という結果となっている。Apple TV+の市場シェアは、わずか3%に留まっており、存在感があるとは言い難い。また、今年の第1四半期(1月~3月)と比較すると、Netflixは3%のシェアダウン、Amazonプライム・ビデオは2%のシェアダウンとなるなど、ほとんどのサービスで下降または横ばいの傾向が見られるが、Disney+とその他のカテゴリのシェアは増加。Apple TV+は1月から2月にかけて若干の落ち込みがあったが、それ以降はほぼ横ばいで「よくもなく、悪くもなく」という印象だ。
Apple TV+の普及が進まない理由については、競合他社に比べてコンテンツ量が圧倒的に少ないと分析されている。CNBCによればネNetflixやアマプラはオリジナル作品やライセンス契約作品がそれぞれ1,000本以上あるが、Apple TV+のオリジナル作品は100本に満たない。「見たい動画があるかどうか」を動画配信サービスの選択基準とするならば、シェアが伸びないのも当然だろう。
無料体験が1年から3カ月に短縮したのは、そろそろ本気を出すフラグか?
Apple TV+が頭角を表す日は来るのか。折りしも、ヒット作であるテッド・ラッソのシーズン2が7月から配信をスタートさせている。これがシーズン1以上の話題を呼べばApple TV+のシェア拡大に貢献するかもしれないが、Apple TV+の料金は月額4.99ドル(日本では月額600円)。対して、Netflixの料金は月額8.99ドル(日本では月額990円)~、Disney+は月8ドル(日本では月額770円)で全作品見放題だ。競合に比べて割安とはいえ、1本のドラマだけでユーザー獲得を狙うには、少し割高に感じてしまうかもしれない。
また、アップルは2021年7月1日から、iPhoneなどアップル製品の購入者に対して提供していた、Apple TV+の1年間無料体験サービスを3カ月に短縮。体験期間が長かろうと加入者数に影響が出ないと考えたのか、今後リリースするオリジナル作品によほどの自信があるのかはわからないが、後者であるなら消費者としては大歓迎だ。質の高いコンテンツを作ると評判のアップルの、今後のシェア推移を興味深く見守りたい。
参考元:2021年第2四半期のApple TV+のシェアは3%。Netflixがトップ【iPhone Mania】
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