週刊少年ジャンプ(集英社)で連載中の大人気コミック「ONE PIECE」の実写版ドラマがNetflixで配信されることが決まり、そのタイトルロゴが入った第1話の台本の表紙がネット上で公開されて話題を呼んでいる。
国内のみならず世界中で、原作漫画はもちろんアニメや劇場版でも多くのファンを魅了し続けてきた同作品。実写化にも期待が集まっているが、気になるのは不安視する声がかなり多いことだ。人気作の実写化にファンから拒否反応が出ることは珍しくないが、あまりにもその声が多いのには、Netflixだからこそだった?
潤沢な予算を投入、原作者の制作参加に期待も
ONE PIECE といえば1997年から連載が続く、全世界累計発行部数が4億9千万部を超え圧倒的な人気を誇っている超人気作。海賊王を夢見るモンキー・D・ルフィーとその仲間たちによる「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を巡る、波乱と冒険と友情に満ちた壮大な海洋冒険物語だ。これまでにも実写化の話はいくつもあったが、集英社や作者・尾田栄一郎氏らの納得のいくレベルをクリアできず、見送られてきたという。
同作のハリウッドによる実写ドラマ化が発表されたのは2017年のこと、2020年1月にはNetflixが全世界独占配信することが発表されていた。今回、そのタイトルロゴと、仮タイトル「ROMANCE DAWN ー冒険の夜明けー」と書かれた第1話の台本の表紙が解禁、いよいよ本格始動していることが分かった。
作者の尾田氏がエグゼクティブ・プロデューサーを務め、2021年度のコンテンツ制作予算が約1兆8,700億円というオリンピック並みの規格外な金額を持つNetflixが巨額予算を投入するとあって、期待が高まっている。さらにメイン脚本家は2000年にアメリカで放送されたONE PIECEのアニメを手がけ、自身もONE PIECEの大ファンだというマット・オーウェンズ、プロデューサーは「LOST」を手がけたことで知られるスティーブン・マエダが務める。一体、どんなルフィーたちの冒険が見られるのか、キャストや配信開始時期など、今後の続報が待ち遠しい、という人も多いことだろう。
しかし一方で、実写化に不安の声も数多く上がっている。そもそも漫画やアニメの実写版は、ファンの思い入れも強く、原作の世界観をいかに壊さずに魅力的な作品となり得るか、ハードルは非常に高い。まして、歴代累計発行部数No.1を誇る“日本一売れている作品”だ。ハードルの高さも桁外れかもしれない。同じく日本の国民的アニメ「ドラゴンボール」のハリウッド実写版映画「DRAGONBALL EVOLUTION」(2019年)は大失敗に終わり、後に脚本家がファンに謝罪した、なんてこともあった。
加えて不安の声は、Netflixだからこそ、というのもある。それはこれまで同社が手がけた実写化ドラマの数々が、大失敗しているからだ。ファンからは「Netflixの実写版は原作に対するリスペクトに欠けるんだよな」「Netflixといえばデスノートのトラウマが蘇る」など過去の失敗に言及する声が多数見られる。
特に2017年にNetflixで配信された映画「Death Note/デスノート」は原作からはかなり設定が変えられていたことなどでファンから不評を買い、ファンのトラウマにもなってしまっているようだ。
とはいえ、今回は作者が制作に参加することや、メイン脚本家が同作のファンで「原作に忠実でワクワクする物語を作りあげ、長年の仲間(ファン)にご満足いただき、新しい仲間を惹きつける作品にしたい」とコメントをしていることから、今度こそと期待の声も多い。
果たして今度の実写版ドラマONE PIECEはどんな航海となるだろうか。波乱の幕開けとならないことを祈ろう。
参照元:Netflixによる実写版『ONE PIECE』のタイトルロゴと台本が公開 「Netflixは前科が多すぎるからな」「尾田本人が関与してるので期待してる」【ガジェット通信】
※サムネイル画像(Image:@NetflixGeekedより引用)