パソコンやアプリ、ウェブブラウザで対応しているボイスチャットサービスの「Discord」。ゲーム好きの読者であれば、友人とオンライン上でゲームをする際などに利用するという人も多いのではないだろうか。Discordでは、友人とプレイしている画面を共有しながら会話できるサービスがあるが、現在、複数人でYouTube動画をみながら通話できるサービス「Watch Together」のテストが始まっているという。
今回は、アメリカのニュースサイトのThe Vergeが報じたWatch Togetherの内容について紹介しよう。
オンライン上でYouTubeを自由に操作して楽しむサービス
Watch Togetherでは、DiscordサーバーのメンバーがYouTube動画を検索して選択するか、リンクを貼り付けて再生リストを作成することができるよう。また、参加しているメンバーが動画再生をコントロールする機能も使用可能とのこと。今まで誰か1人が見ている動画を閲覧することしかできず、早送りや巻き戻しの指示などをいちいち行ったりしていたが、気になった時にメンバーそれぞれが自由に動かせるのは、ユーザーにとってうれしいサービスだろう。
またWatch Togetherでは、YouTubeは使用するDiscordユーザーのIPアドレスや検索ワードを収集するものの、Discordアカウントに関する情報をYouTubeが収集することはないとしている。今後、数週間でベータ版をより多くのサーバーに展開し、2021年10月末までにすべてのDiscordユーザーがWatch Togetherを利用できるようにする予定。このリリース日、実はもう少し後ろだったようだが、早まった背景には2つのサービスの終了が起因しているようだ。
音楽ボットに変わるサービスになれるか!?
終了した1つ目のサービスが、YouTube、Spotify、Soundcloudの音楽をDiscordで再生できる人気音楽ボット「Groovy」。このサービスでは広告が表示されず、音楽が止まることなく流れ続けることから、BGMとして人気があった。Googleから「サービスに変更を加える」、「商用利用を行う」といった規約違反があったためサービス終了を求められ、2021年8月30日をもって終了した。もう1つのサービスはGroovyと同じく、音楽ボットの「Rythm」。こちらも規約違反のため、2021年9月15日をもってサービスを終了した。ちなみに、Rythmの開発者のYoav Zimet氏は「いずれこうなることは分かっていた。Groovyが閉鎖されたことで、遅かれ早かれRythmでも同じことが起きると思っていた」と述べている。
Watch Togetherは、GroovyやRythmと同様に、Discord上でYouTubeの音楽を聴くことができるサービスだ。しかし音楽を再生中に広告が入る場合もあるといい、先に終了した2サービスとまったく同じ感覚で利用できるかは未知数だ。
もしかすると、YouTubeプレミアム会員であればWatch Togetherでも広告なしで音楽を流せるのだろうか。そうだとすれば少々強引な会員数アップの施策と言えるかもしれない。今後明かされるWatch Togetherの詳細に要注目だ。
参照元:DiscordがYouTubeとの統合機能「Watch Together」のテストを開始、音楽ボット「Groovy」や「Rythm」が排除された直後に【GIGAZINE】
※サムネイル画像(Image:rafapress / Shutterstock.com)