韓流ドラマ「イカゲーム」が話題の米動画配信大手・Netflix。2021年 7~9月期の純利益が、なんと前年同期比83%増の14億4,907万ドル(約1,660億円)だったと発表した。これは9月に配信が始まった「イカゲーム」が大いに貢献しており、有料会員数の伸びが“復調”したかに見える。しかし“復調”ということは……そう、Netflix、実は大苦戦していたのである。
有料会員数を復調させてくれた、ネットフリックスの救世主・イカゲームだが……
2021年7月に発表されたNetflixの2021年12月期第2四半期(21年1月~6月)の決算発表では、前年同期比で増収増益と堅調な業績かのように思える。しかし、新規の有料会員数の伸びの勢いは弱まっていた。新型コロナウイルス流行の影響で世界的な“巣ごもり”需要が高かった2020年に比べて、その伸びがかなり失速していたのである。
そんななかに救世主がごとく現れたのが、あの「イカゲーム」だ。全米Netflixの「今日のTOP10」ランキングで、韓国コンテンツとして初の1位を獲得。そのおかげもあって会員数は9.4%増の2億1,356万人となった。2021年7~9月期に有料会員数が440万人増加したのだから、まさにイカゲームさまさまである。
しかし、このイカゲーム特需、長く続くとは思えないのである。
Netflixは月単位での入・退会が可能で、「あの話題作が見たいから」と登録して、それが見終わったら1カ月で解約というのも可能である。実際に「ちょっと前に退会したけど、今月配信されるあのドラマが見たいから再入会した」というユーザーも多い。特にイカゲームは全9話、各話も約60分と“一気見”が可能なコンパクトな作品だ。「すぐ見終わった」という声も少なくなく、イカゲーム目当てで入会した人がいったいいつまで契約を続けてくれるだろうか。
さらにNetflix、2018年、2021年に値上げがあり、2020年にはお試しである無料視聴期間も廃止されている。日本での価格はもともとベーシックプランが650円だったのが、今では990円に。他の動画配信サービスは、もっと月額料金が高いものもあるとはいえ、これからどこまで値上げが行われるのかやや不安でもある。
既にネット上では「イカゲーム完クリしたのでネトフリ解約」「イカゲーム終わったらネトフリ何も興味がなくなってきた」という声も聞く。イカゲームで増えた有料会員を引き留める次なる手は、果たしてNetflixにはあるのだろうか。
参照元:ネットフリックス、純利益8割増 「イカゲーム」で会員増―7~9月期【時事ドットコムニュース】
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