現在、国をあげて普及に取り組んでいるキャッシュレス決済。それまでマイナー気味だったQRコード決済の利用率が2019年頃から急速に世間に浸透するなど、キャッシュレス業界はここ数年で大きな転換点を迎えている。さらに年代別利用率を見てみると、「30代がキャッシュレス決済普及率上昇のカギではないか」という見方もできることがわかってきた。
今回は、30代のビジネスパーソンがキャッシュレス決済を浸透させる要になる理由をお伝えしていきたい。
QRコード決済は前年比3倍とジャンプアップ

右肩上がりで成長を続けるQRコード決済は、2020年が勝負の年だ
ウェブメディア「インフキュリオン・インサイト」が2020年3月に実施した「インフキュリオン決済動向調査」によれば、QRコード決済の利用率は43%。12%だった1年前と比べて30ポイント以上の上昇となった。これは、まだあまり一般に浸透していなかったQRコード決済が、「PayPay」の「100億円あげちゃうキャンペーン」をはじめとした超大型還元キャンペーンで世間に認知され利用されはじめたことが大きいだろう。さらに2019年10月には「キャッシュレス・消費者還元事業」もスタートした結果、QRコード決済だけでなくICカード決済も昨年の49%から60%と、10ポイント以上の伸びを記録したと考えられる。
ここで利用率43%のQRコード決済と60%のICカード決済、さらにキャッシュレス界の絶対王者であるクレジットカード決済の3つを比較してみたい。クレジットカード決済は、今回の調査の利用率は77%。毎年の調査で5年間大きな変化が無いだけに、ほぼ現状維持でこれから大きく変わるとは考えづらい。
一方のICカード決済・QRコード決済は、どちらも1年で大きく利用率が伸びている。とくにQRコード決済は12%→43%と3倍を超える大躍進だ。今後のキャッシュレス決済の普及はQRコード決済がどれだけ伸びるかにかかっていると言えるかもしれない。