テレワーク消滅の危機? テレワーク下で企業と社員の間に生まれる“ある問題”とは

国からの強い要請もありコロナ禍で多くの企業が導入したテレワークだが、その影響がジワジワと明らかになってきている。それは業務の効率の変動や会議・営業のやり方が変わったりといった目に見える部分だけでなく、従業員の内面的な問題も含まれている。
今回は、テレワークで変化を迎えた従業員のモチベーション等についてお伝えしていきたい。

テレワークは社員のモチベーションを上げる?下げる?

大きな環境の変化は、人の心にも多大な影響を与える

 総務専門誌「月刊総務」が2020年10月に全国の総務担当者を対象として実施したモチベーションに関する調査によると、実に94.5%の企業が「新型コロナウイルス感染症の流行以降、社員同士が対面で会う機会が減少した」と回答した。これはコロナ禍で会社への出社が制限されテレワークに移行した企業が多いことや、入社式や社員研修・歓送迎会といったこれまで対面で行われていた恒例行事が軒並みオンライン化したり中止・延期したことなどが影響している。オンラインで社員研修をした企業は52.2%と半数を超え、社員総会や内定式・入社式といった“密”になりやすい社内イベントも20%以上の企業がオンライン化し感染予防を図っていた。

 2019年までは様々な機会で顔を合わせていた社員とも会う機会が減り、82.6%の企業が「(社員の)モチベーションに影響がある」と感じていることが明らかに。その最たる例として「気軽なコミュニケーションが取りにくくなった」と実感しているという。やはり対面であればすれ違った際に何気なく話しかけられる仲であっても、テレワークなどで遠隔地にいる相手にチャットツールで雑談を持ち掛けるのはまだまだ敷居が高いようだ。

テレワークの流行とともにプレゼンなどWeb会議システムも世間に浸透していった

 また、テレワーク下では「会社の方向性を社員に伝えにくくなった」という意見も多く、79.1%の企業が実感しているという結果が出た。さらにそのうちの95.7%は「社員のエンゲージメント(企業への愛着心)が低下」していると回答。社員の心が企業から離れていくことを懸念している。
 一方で、テレワーク下で社員側の視点から多々言われていることといえば、「『業務効率が下がっている』と、上司などからサボりを疑われる」といったことだろう。「サボっていないのに上から『サボっている』と思われる」と感じる社員と、「社員の心が離れていく」と感じている企業。テレワークで物理的な距離を取った結果、お互いに本意ではないはずだが心にもソーシャルディスタンスが生まれてしまっているのが現状と言えるのかもしれない。

 テレワークは、働き方改革でワークライフバランスを見直す役割も担っている。しかし現在はまだ企業と社員の間に溝を生んでしまっている状況だ。このままいけば遠くないうちにテレワークは“一過性のもの”として扱われる未来が待っているだろう。個人の自由な働き方を支える欠かせないピースとして、テレワークがもっとうまく回るようにするためには何が必要なのか。その答えが早く見つかることを祈るばかりだ。

参照元:テレワークで「会社の方向性を伝えにくくなった」が79.1%、そのうち95.7%が社員のエンゲージメント低下を実感【FNNプライムオンライン

オトナライフ編集部
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