ドコモの「ahamo」、ソフトバンクの「Softbank on LINE」、auの「povo」など、大手キャリアが打ち出したネット専用の格安新料金プランの煽りで、窮地に立たされたのが「格安SIM」である。何しろ、大手キャリアより“割高SIM”になってしまったのだから、早急に手を打たないと根こそぎ顧客を奪われてしまう。そこで格安SIMの「mineo(マイネオ)」は、新プラン「マイピタ」を発表。とくに月5GBで月額1,380円は、2021年春のスマホ料金競争の大本命になるかもしれない。
「ahamo」の登場で窮地に立たされた格安SIM
大手キャリア(MNO)のドコモが月20GB+1回5分かけ放題で月額2,980円という格安新料金プラン「ahamo(アハモ)」を発表すると、ソフトバンクやauもこれに追随。さらに、楽天モバイルは1GBまで無料、3GBまで月額980円、20GBまで月額1,980円、20GB以上で月額2,980円という段階制の新料金プランを発表したのは皆さんもご存じだろう。だが、これで窮地に立たされたのが格安SIM(MVNO)である。何しろ、大手キャリアが発表した格安新料金プランは、それまでの格安SIMより安いのだ。たとえば、格安SIM大手のOCNモバイルONEは「20GB/月コース」が月額4,400円、安いと評判のイオンモバイルでも「音声20GBプラン」が月額3,980円するのである。このままでは格安SIMは“割高SIM”になってしまう……。
そこで、格安SIMの業界団体「テレコムサービス協会MVNO委員会」は、総務省にネット回線の卸料金の値下げを求める要望書を提出し、大手キャリアよりも安い料金プランで対抗しようとしている。この動きについては→こちらで確認してほしいが、早急に手を打たないと、格安SIMは根こそぎ大手キャリアに顧客を奪われかねない状況なのだ。
2021年1月27日、格安SIMの「mineo(マイネオ)」が早くも新料金プランで値下げに踏み切った。mineoの新プラン「マイピタ」は4つのデータ容量から選べるようになっており、2021年2月1日から投入される予定だ。「マイピタ」の音声通話可能なデュアルタイプの場合、1GBで月額1,180円、5GBで月額1,380円、10GBで月額1,780円、20GBで月額1,980円という驚きの安さである。mineoの旧プランではソフトバンク回線のデュアルタイプが3GBで1,950円、20GBで月額5,030円だったことを考えると、「マイピタ」がいかに思い切った値下げなのかわかるだろう。
「マイピタ」には「ahamo」と同じ20GBプランもあるが、これには1回5分かけ放題は含まれない。その分、月額1,980円と1,000円も安くなっており、mineoなら1回10分かけ放題オプションを月額850円で追加することもできる。だが、筆者がもっとも注目しているは月5GBで月額1,380円というプランだ。通常、スマホで動画を見ずにメールやWeb閲覧程度しかしないのであれば、スマホのデータ容量は20GBも必要ない。かといって1GB~3GBではデータ量量が足りなくなる恐れもあるので、5GBがちょうどいいのである。
いかがだろうか? もし、スマホで20GBもデータ容量は使わないという人にとっては、月額料金が安ければ安いほどいいはずだ。たとえば、楽天モバイルの新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」は1GB以下なら無料、3GB以下なら月額980円で利用できるが、3GBを超えると急に月額1,980円になってしまう。その点、mineoには月5GBで月額1,380円というお手頃プランが用意されているのが大きい。しかも、楽天モバイルを除く大手キャリアの格安新料金プランはネット専用なのに対し、mineoなら数は少ないが店頭での契約も可能となっている。もしかすると、春のスマホ料金競争では格安SIMの「mineo」が大本命になるかもしれない。
●mineo「マイピタ」(公式)は→こちら
※サムネイル画像(Image:mineo.jp)