ソフトバンク経済圏、成長不可避? 日本企業過去最大の利益で楽天経済圏を出し抜くか

「ソフトバンクグループ、純利益3兆円突破」これまたすごいニュースが飛び込んできた。2月8日に行われたソフトバンクグループの決算発表で明かされたこの途方もない額は、現在絶賛シェア拡大中のQRコード決済「PayPay」等、“ソフトバンク経済圏”全体の勢いに直結することは間違いない。一方で、経済圏争いで最大のライバルである“楽天経済圏”も、中核となっている楽天株式会社が4月から「楽天グループ株式会社」へと名称を変更するという。ソフトバンク同様“グループ”であることを前面に押し出し、新たなシナジーを生み出す布石となるのだろうか。
 今回は、競うように成長を続ける経済圏同士の白熱した模様をお伝えしていきたい。

ソフトバンクが日本歴代1位の記録を樹立

(Image:Karol Ciesluk / Shutterstock.com)

世界を舞台に戦うソフトバンクグループの成長は止まらない

 ソフトバンクグループは、2月8日の決算発表で2020年4~12月期の連結決算の純利益が3兆552億円となり、前年比6.4倍となったことを明らかにした。この金額は4~12月期の決算として日本企業で過去最高とみられており、傘下に収める世界規模の投資ファンドが多額の黒字を計上したことが大きな要因となった。しかし孫正義会長兼社長は「この程度で満足する気持ちはさらさらありません」とさらなる成長への意欲を述べ、世界中で急速に進化を遂げている“AI革命”に尽力していく姿勢を伝えた。

 ソフトバンクグループの成長はソフトバンク経済圏の発展にもつながることだろう。経済圏の一員である近年絶好調のPayPayは、登録ユーザー数3,500万人を突破するなど断トツの業界シェアを誇っている。さらに現在もクレジットカードや銀行、証券サービス等を相次いで「PayPay〇〇」と名称変更することが発表されており、多角的なサービス展開で“スーパーアプリ”化がさらに進むことが期待されている。さらに携帯電話事業も、LINEモバイルを取り込んで新プラン「SoftBank on LINE」を打ち出すなど、次なる一手を打ち続けることに余念がない。

(Image:StreetVJ / Shutterstock.com)

“より消費者に近い経済圏”のイメージを持った楽天経済圏

 成長を続けるソフトバンク経済圏だが、日本国内で見ればそれに勝るとも劣らない存在感を放っているのが楽天経済圏だ。年明けから、「楽天銀行が国内のインターネット銀行業界初の口座数1,000万口座を突破」「楽天市場の2020年流通総額が3兆円突破」「楽天カードの2020年年間取扱高11兆円」と、こちらも勢いのあるニュースが続出している。
 経済圏のサービスが「楽天〇〇」と統一されており消費者に身近なサービスが多いこともあって、むしろイメージとしては楽天のほうが身近にある経済圏と認識されている可能性もあるだろう。そんな楽天経済圏でも、楽天株式会社が2021年4月から楽天グループ株式会社に名称変更することが発表されており、グループとしての結束力がさらに増していくことが期待される。

 巨大な経済圏になればなるほど、グループ会社1つの変化がシナジーを生んで大きな力に変わり、それが経済圏争いの競争力へと変わっていくことだろう。2021年はソフトバンク経済圏と楽天経済圏が私たちの生活にどんな変化をもたらしてくれるのか期待していきたい。

参照元:ソフトバンクG、純利益3兆円 日本企業で過去最大―投資好調・20年4~12月期【時事ドットコムニュース

※サムネイル画像(Image:Michael Vi / Shutterstock.com)

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