新しいビデオ・Web会議システム「Around(アラウンド)」が話題となっている。これまでビデオ・Web会議といえば、「Zoom」や「Microsoft Teams」等が使われることが多かった。2020年5月に発表されたMM総研の調査によると、ビデオ・Web会議システムの利用シェアでZoomが35%で1位に。「Skype」とMicrosoft Teamsはともに2位タイで18%と、Zoomが優位に立っている。しかし最近になって、Aroundというツールが人気になりつつある。Zoomなど従来のビデオ・Web会議サービスの課題を払拭したAroundが、これからの時代のニーズに合ったツールになっていくかもしれない。
Zoomを超えた多彩な機能もつAround(アラウンド)
Around(アラウンド)で注目すべきは、ユーザーインターフェースの使いやすさだ。従来のビデオ・Web会議システムとは違い、会議参加者の顔が丸くトリミングされ、それぞれが画面にフロートして表示される。会議中に自身の作業を続行したいときは、参加者の丸いアイコンが画面上部に表示。作業中のウィンドウの上にアイコンが来るため、わざわざ画面を小さくして相手の顔が見えるように操作する必要もなくなる。
さらにChromeの無料拡張機能の音声入力を利用することで、大事な会議の議事録を自動でメモすることが可能だ。「Notes」と呼ばれるこの機能は、メモだけでなく通話終了後に参加者にメールで送信することもできるという。Aroundはこれまでのビデオ会議ツールの不満を解消する機能が多く、ユーザーは痒い所に手が届く状態だ。
音声機能が充実しているのもAround(アラウンド)の良さである。同じ部屋に複数人同時に会話をしても、ハウリングが起きないように自動で調整してくれるのだ。コロナ禍でも、同じ空間で同じミーティングに参加するという場面はあるだろう。そんなときに自動でハウリングを防いでくれるのはありがたい。さらに、ノイズを自動的に抑制したり、声の音量を自動調節したりと、スムーズなコミュニケーションを図ることができるのもポイントのひとつだ。ZoomやMicrosoft Teamsでの課題がAroundによって取り払われたように感じる人も多いのではないだろうか。
今後Aroundは、モバイルアプリも公開予定だという。モバイル端末でもビデオ・Web会議に参加できるとなれば、高い音声機能やUIの使いやすさなどAroundの強みを生かしてZoomよりも需要が高まる予感だ。
現在もネット上には「少しだけ使ってみたけど、個人的には結構好きかも」「Around、音がリアルに近い」「現行のビデオ・Web会議サービスの改善点をほとんど潰してきている印象」「引き算のUXでコミュニケーションコストを下げているのが新鮮」など、Aroundを絶賛する声が多数寄せられている。今後この勢いのまま、さらに人気が増していきそうな手ごたえだ。一方で「ビデオ・Web会議ツールは周りがそれなりに普及してないと使う機会が無いんだよなぁ」と、新規のサービスは普及するまでが課題だという声も。そうした事情も含めて、Aroundの今後からさらに目が離せなくなっていきそうだ。