PayPayなどのスマホ決済では必須!! 本人確認システム「eKYC」っていったい何だ?

ネット銀行口座の開設や、PayPayなどのスマホ決済サービスで銀行口座を紐付けるとき、最近は本人確認「eKYC」を求められることが多くなってきた。「eKYC」によってスマホで短時間かつ安全に本人確認ができるが、いったい「eKYC」とは何であろうか? 今までの本人確認と何が違うのだろうか? おそらく、今後「eKYC」は標準的な本人確認システムとして定着するとみられているので、今のうちから「eKYC」についてしっかり勉強しておこう!

スマホで簡単に本人確認ができる「eKYC」とは?

 2020年9月、ドコモの「d払い」で大規模な不正利用が発覚したのは記憶に新しい。これは「ドコモ口座」がメールアドレスを登録するだけで作れたため、ハッカーが不正入手した銀行口座情報を紐付けて、勝手にお金をチャージしたという事件であった。この事件では、スマホ決済サービスの本人確認の甘さが問題となり、しばらく、スマホ決済のチャージに銀行口座を登録することができなくなっていた。
 だが、2021年2月頃からPayPayやd払いなどが銀行口座の紐付けを再開している。それを可能にしているのが本人確認システム「eKYC(イー・ケー・ワイ・シー)」だ。「eKYC」は「electronic Know Your Customer」の略。「KYC」は“本人確認”という意味で「e」は“electronic”の略である。つまり「eKYC」とは電子的に本人確認を行うことなのだ。「eKYC」を使えばネット上の決済や口座開設などで必要になる本人確認手続きを、スマホだけで短時間かつ安全に行えるのである。

(Image:paypay.ne.jp)

こちらはPayPayの本人確認「eKYC」手続き時のイメージ図。身分証明書を斜めに撮影したり、本人が身分証明書を手に持って顔写真を撮影することで、本人であることをより確実に認証できる

(Image:service.smt.docomo.ne.jp)

こちらはドコモ「d払い」の本人確認「eKYC」の方法。インターフェイスは多少違うが、やはり手に身分証明書を持って、スマホで自撮りすることになる

 数年前までクレジットカードやネット銀行の口座を開設するときは、最初に、身分証明書のコピーを郵送しなければならず、クレカの発行や口座開設までに1週間以上かかった。また、画像処理ソフトを使えば身分証明書はいくらでも偽造できるため、不正な申請を100%防ぐのは難しかったのである。 
 その点「eKYC」は、本人が身分証明書を手に持った状態で、首を傾げたり瞬きをすることで、確実に本人であることを確認できる。これなら、身分証明書の偽造は難しいし短時間で本人確認作業を終えることができるだろう。
 だが、実際に「eKYC」をやると超面倒くさい。以前「auじぶん銀行」の口座開設で「eKYC」を初体験した筆者は、全然うまくいかずイライラさせられた。その体験については→こちらで確認してほしいが、正直言って片手に身分証明書を持ち、もう片方の手でスマホを持って、枠内に身分証明書と自分の顔の両方をキッチリ納めるなんて、オジサンには絶対無理だと思う。

こちらは実際に筆者が「auじぶん銀行」の本人確認「eKYC」を行ったときの写真。そもそもスマホの自撮りに慣れておらず、なかなか枠内に顔と身分証明書を合わせられない。モタモタしているうちにエラーとなり途方に暮れることに……

 いかがだろうか? スマホで即座に本人確認ができる「eKYC」は素早く安全に本人確認できる便利なものだ。今後はこの方式がスタンダードになっていくのは間違いない。だが、実際にやってみると身分証明書を持って自撮りするのはなかなか難しい。そのため、「auじぶん銀行」の口座開設では思わず憤慨してしまった筆者であったが、その後「ドコモ口座」事件が発生したため、「これも銀行口座を不正利用されないための措置なのか……」と納得せざるを得なかったのである。というわけで、オジサンは「eKYC」に備えて、今から自撮りの練習をしておいた方がいいだろう。

●PayPay「口座の新規登録やチャージ時に「本人確認(eKYC)」が必要になります」(公式)は→こちら
●ドコモ「本人確認について」(公式)は→こちら

文=藤原博文/編集・ライター

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