楽天、PayPayなどネット銀行の躍進で“メガバンク離れ”の危機! 振込手数料値下げ程度では

いま、銀行業に大きな転機が訪れようとしているのかもしれない。各種ネット銀行の隆盛やメガバンクの相次ぐ失態によってパワーバランスが崩れはじめている。これまでは新卒の就職人気企業のランキングで上位の常連だった三菱UFJ・三井住友・みずほのメガバンク3行も少々人気にかげりが見えてきているとも言われており、“盤石”というイメージからは変化してきているのかもしれない。
今回は、メガバンクをはじめとした実店舗をもつ銀行の変化や、ネット銀行の人気上昇の要因等をお伝えしていきたいと思う。

10月から銀行振込の手数料が安くなる?

それぞれのパーソナルカラーが特徴的なメガバンク3行

 全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)は3月18日、これまで40年以上据え置かれていた銀行間の送金手数料を10月1日に一律62円へと引き下げることを公表した。これまでは「3万円未満117円(税抜)、3万円以上162円(税抜)」だったが大幅な見直しとなった。各銀行はこの手数料をもとに独自に手数料を設定しているが、「大元が安くなったのだから銀行も手数料を下げろ」というユーザーの声があがることは必至。どこの銀行も見直しを図ることが予測される。

 40年ぶりの変革が起きた銀行業界だが、近年はかつての“メガバンク信仰”も鳴りを潜めネット銀行が続々とユーザーを増やしている。1月には楽天銀行がインターネット銀行で初めて口座数1,000万口座を突破。4月5日から「PayPay銀行」へと名称を変更するジャパンネット銀行も、2月に普通預金口座数が500万口座に達したことが報じられている。近年は各種キャッシュレス決済との連携も深めるケースが多く、QRコード決済等の人気に後押しされネット銀行が躍進を遂げているイメージもある。

(Image:slyellow / Shutterstock.com)

みずほ銀行は信頼が失墜してしまった感すらある

 そんな上り調子のネット銀行への顧客流出を防ぎたいメガバンクだが、みずほ銀行が「ATMにキャッシュカード・通帳が飲み込まれたまま出てこない」といったトラブルをはじめ2月から3月にかけて2週間で4件ものシステムトラブルに見舞われるなど、良いニュースが少ない。ネット上では「いつまで経っても完成しない」ことを揶揄する“IT業界のサグラダファミリア”とも呼ばれるなど、その信頼感はもはや地に落ちたと言っていいレベルだ。
 加えてここ十数年非常に低いとされる金利も、メガバンクよりもネット銀行のほうが利率がよい。メガバンク3行が揃って普通預金の金利を年率0.001%としている中で、ネット銀行の中には基本0.02%で条件によっては0.10%まで上昇する楽天銀行や、0.2%というメガバンクの200倍の利率設定のあおぞら銀行等が存在する。(金利はすべて2021年3月23日時点) 同じお金を寝かせているだけだとすれば、より金利の高いネット銀行を選ぶ人が増えるのは想像に難くないだろう。

 メガバンク等も近年はインターネットバンキングや通帳電子化を推進するなど、ネット銀行に近いサービス形態への変化を遂げようとしている気配もある。しかしまだまだその差は埋まらず、逆にこれまであぐらをかいていた銀行業界の中での地位を脅かされつつある。
 今後メガバンクをはじめとした実店舗を構える銀行と、ネット銀行のポジションはどのように変化していくのだろうか。これからの展開に注視したい。

参照元:銀行振り込み手数料値下げへ 10月から銀行間で半減【ITmedia ビジネスオンライン

※サムネイル画像(Image:slyellow / Shutterstock.com)

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