ドコモは、格安新スマホプラン「ahamo(アハモ)」において、ドコモショップでの新規申し込み、料金プランの変更、機種変更、故障時などのサポート対応を、2021年4月22日から有償で受け付けると発表した。ただし、サポート料金は1回3,300円。果たしてこの有償サポートを受けてまで「ahamo」を利用する価値はあるのだろうか。結局、高くついたりすることはないのだろうか?
「ahamoフック」でアナログな高齢者も取り込んだ?
2021年3月26日からサービスを開始したドコモの格安新スマホプラン「ahamo」。月20GB+1回5分かけ放題で月額2,970円(税込)という料金は、従来のドコモプランに比べる驚くほど安い。そのため、ahamoに事前エントリーした人は254万人もおり、一時、受付を停止するほどの人気ぶりであった。
しかし、「ahamo」では「@docomo.ne.jp」のキャリアメールは利用できず、家族間無料通話も利用できないなど、従来のプランに比べるとかなりの制約がある。もちろん、ahamoは“デジタルネイティブの若者”をターゲットにしたネット専用プランなので、店頭や電話でのサポートは一切受けられない。申し込みから、MNP乗り換え手続き、機種変更時のスマホの設定、故障時の対応などもすべて自分で行うのが大前提となっている。それにも関わらず、ドコモでは高齢者にも“ahamoフック”という強引なキャッチセールスを行っていたと言われている。詳しくは→こちらで確認してほしいが、そのせいもあって、これまで、何かあればすぐにドコモショップに駆け込んでいたアナログな高齢者まで、ahamoに乗り換えてしまったようなのだ。
ドコモは、格安スマホプラン「ahamo(アハモ)」において、ドコモショップでの有償サポートを、2021年4月22日から受け付けると発表した。これは、総務省の「競争ルールの検証に関するWG」の第16回会合においてドコモが明らかにしたもの。さらに、その後の報道によると新規申し込み、料金プランの変更、機種変更、故障時などは1回3,300円の有償サポートになるらしい。だが、この有償サポートは、ドコモショップの店員が申し込みや機種変更を代行してくれるのではなく、ユーザー自身がオンラインで解決するのをアドバイスするというもの。つまり、従来のフルサポートとはまるで異なるサービスなのである。
それを踏まえて比較したいのが、ドコモの「ギガライトプラン」だ。ギガライトプランは段階制になっており、月5GBまでなら月額5,665円だが、みんなドコモ割やdカード払いなどの割引きを適用すると月額3,278円まで安くなる。この場合はahamoとの差額がたった月308円にもかかわらず、ドコモショップでのフルサポートを受けられるのだ。つまり、条件によっては必ずしもahamoがお得だとは言いきれないのである。
2021年4月16日に行われた総務省の「競争ルールの検証に関するWG」の第16回会合では、ほかにも注目したい内容がある。まず、ドコモでは非回線契約者に対して、夏頃をめどに「ケータイ補償」を提供する予定であること。次に、ドコモでは「ギガライト」などのフルサポートプランを「プレミア」プランに、月20GBまでの格安プラン「ahamo」は「高コスパ」プランに位置づけ、今後、少容量で超低廉な料金の「エコノミー」プランを用意するとしていることだ。
すでにドコモのグループ会社には「OCN モバイル ONE」という格安SIMがあり、1GBで月額770円、3GBで月額990円、6GBで月額1,320円、10GBで月額1,760円というプランを提供している。この「エコノミー」プランが「OCN モバイル ONE」のことを指すのか、ドコモでも同じような10GB以下の低価格プランを設定するのかは定かではないが、もし、月20GBまではいらないという人は、新プランの発表を待ったほうがいいかもしれない。
いかがだろうか? 「ahamo」の月20GB+1回5分かけ放題込で月額2,970円という価格だけに注目して慌てて乗り換えても、必ずしもお得ではないことがお分かりいただけただろうか? しかも、今後ドコモからは低容量のエコノミープランも準備されているのだ。もし、ネットに慣れていないアナログな人は、ドコモショップでのフルサポートが必要かどうか、月額料金の安さだけで判断しないほうが賢明だろう。
●ahamo(公式)は→こちら
●OCN モバイル 0NE「音声対応SIM」(公式)は→こちら
(※2021/4/19 記事の一部を更新いたしました)