ドコモ「ahamo」申し込み殺到でトラブル続出! いったい誰が乗り換えしているのか?

2021年3月26日からスタートしたドコモのネット専用プラン「ahamo(アハモ)」。申し込みが殺到して3月29日には「配送遅延」や「MNP受付中止」などのトラブルが発生している。もちろん、ahamoは店頭や電話での問い合わせは一切できないため、ネット上で不満を訴える人も多く、「ahamo」に乗り換えるべきか考え直す人もいるようだ。逆に、今こそ店頭での手厚いサービスが受けられるドコモが再評価されることになるかもしれない……。 

事前エントリー254万人が一斉に殺到!?

(Image:ahamo.com)

 2020年12月、ドコモは月20GB+1回5分間かけ放題で月額2,980円(現在は税抜2,700円)という驚きの低価格プラン「ahamo(アハモ)」を発表。2021年3月26日から申し込みを開始した。ahamo乗り換えに関しては→こちらで詳しく解説している。
 ところが、ahamoには初日から申し込みが殺到し、3月27日には早くも一部手続きができない状態となった。さらに、3月29日には「配送遅延」や「MNP受付中止」といったトラブルが発生。MNP受付は3月30日には再開しているが、ネット専用なのでどこにも相談できず、ネット上ではahamoに対する不満が爆発しているようだ。何しろahamoに事前エントリーした人は254万人もおり、彼らが一斉に申し込みしたのなら、このようなトラブルが発生するのも当然であろう。実は筆者も、ahamoがこのような事態になる恐れがあることは予想できていた。

(Image:docomo.ne.jp)

ahamo申し込み開始の翌日3月27日にも、ドコモやahamo、コールセンターなどで、一部手続きができない状態になっていた

 そもそもahamoは、従来のドコモのプランとは異なり“ネット専用プラン”である。店頭や電話での問い合わせを受け付けないことで、低価格を実現しているのだ。つまり、ahamoはドコモによる「格安SIM」そのものである。ある程度ネットに慣れている人でないと申し込みすら難しいはずだ。
 にもかかわらず、ショッピングモールやスーパーにおいて、ドコモは高齢者相手に「ahamo」の呼び込みやキャッチセールスを行っていたらしい。その手口は巧妙で、一旦ドコモの「ギガライト」プランなどに乗り換えさせておいて、3月26日以降にahamoに乗り換えさせるというものだ。これはあくまでもネットの書き込みなので事実かどうかは確認できていないが、「ahamoはドコモの格安な新プランなので簡単に乗り換えられる」などと言われれば、何十年もドコモショップでフルサービスを受けてきたオジサンたちも、勘違いしてahamoへの乗り換えを決めたかもしれない。

(Image:ahamo.com)

ahamoでは3月29日に「配送遅延」や「MNP受付停止」などのトラブルが発生。翌日にはMNP受付は再開されているが、この一件でahamoに不信感を抱いた人も多いはずだ

ahamoに格安SIMからの乗り換え組が殺到した!?

 実は筆者は、今回ahamoの申し込みに殺到したのは、長年ドコモを利用してきた高齢者ではないと思っている。その理由は、アナログなオジサンはとにかく面倒くさがり屋なので、初日から意気込んでネットで申し込んだりしないと思うからだ。そんなことができるくらいなら、とっくに格安SIMに乗り換えているだろう。それでは、ahamoの申し込みに殺到したのはいったい誰なのだろうか? 
 筆者が気になっているのは、ahamoが「MNP受付」を停止した点である。ahamoの料金プランは格安SIMよりもかなり安かったため、格安SIMのほうが“割高SIM”になってしまった。そこで、昔ドコモから格安SIMに乗り換えたネットリテラシーの高い人たちが、今回一斉にahamoに戻ってきたのではないかと推測している。もちろん、ドコモを長年利用してきたユーザーでも、ネットを使い慣れた人は乗り換えを行っただろう。
 ちなみに、格安SIMもahamoに対応して次々と値下げを断行している。詳しくは→こちらを参考にしてほしい。

(Image:ahamo.com)

ahamoの公式サイトはオシャレ過ぎて、どこから申し込んでいいか少し分かりにくい。もちろん、デジタルネイティブな若者なら問題ないのだろうが……

(Image:ahamo.com)

今回、ahamoでは勝手にキャンセルされたという声も見られた。大半は申込時の入力ミスや不備があったと思われるが、ネット限定のahamoではこのようなミスも自己責任となる

 結局、何十年もドコモから離れられないアナログなオジサンは、ahamoのことが気になっても実際に乗り換えることはないだろう。今回のahamoのトラブルを横目で見ながら「ほらみたことか、結局は安かろう悪かろうだ」とほくそ笑んでいるに違いない。そして「やっぱり店頭で何でもやってくれるドコモは安心!」と、今回のahamoのトラブルで、逆にドコモショップのフルサービスを見直しているかもしれない。
 なお、今回、ドコモ以外からahamoに乗り換えるために「MNP予約番号」を取得した人も多いと思う。MNP予約番号の有効期限は15日間なので、焦った人もいるかもしれないが、ahamoに乗り換えなければ、15日以降にMNP予約番号は無効となり、現在のスマホはそのまま利用できるので安心してほしい。
 いずれにせよ、我々は自己責任で低価格か? 少々高くても安心なドコモのフルサービスを求めるか? という選択を迫られているのである。

今回のahamoのトラブルで、逆に何でも店頭で対応してもらえるドコモショップのフルサービスが見直されるかもしれない……

●ahamo(公式)は→こちら

文=すずきあきら/編集・ライター

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