スマホの非接触決済「Apple Pay」と「Google Pay」って何がどう違うの?

日本でもようやく様々なキャッシュレス決済サービスが普及してきたが、スマホ決済ということなら「Apple Pay(アップルペイ)」と「Google Pay(グーグルペイ)」が便利だ。これはさまざまな決済サービスを管理できるプラットフォームで、財布を出さす登録したクレカやSuicaなどで簡単にタッチ決済できるのが魅力となっている。だが、そもそも「Apple Pay」と「Google Pay」は何がどのように違うのだろうか……。

Apple PayとGoogle Payの対応決済サービスはかなり違う!

 日本でもようやくキャッシュレス決済が普及してきたが、なかでも「Apple Pay」と「Google Pay」は、Suicaに代表される交通系ICカードやクレジットカードなどを登録でき、財布を出さずともタッチで支払いができる非接触決済が可能となっている。いずれも、「NFC(FeliCa)」搭載スマホで利用できるが、Apple PayはiPhone「7」以降、Google PayはAndroid「5.0」以降が対応する。
 この2つの決済サービスの違いといえば、Apple Payは「iPhone」でGoogle Payは「Android」でしか使えないこと。もちろん「そのくらのことは知っているよ」という人がほとんどだろうが、実はこの2つ、ほかにも大きく違うところがあるのだ。
 まずは、対応している決済サービスだ。電子マネーの「Suica(スイカ)」「iD(アイディ)」「QUICPay(クイックペイ)」はどちらにも対応しているが、「PASMO(パスモ)」はApple Payのみ。逆に「楽天Edy(エディ)」「nanaco(ナナコ)」「WAON(ワオン)」はGoogle Payのみに対応している。ちなみに、iDとSuicaの違いについては→こちらで詳しく解説しているので確認してみてほしい。

Apple Payに登録できるのは、SuicaやPASMO、クレジットカードまたはデビットカードなどである

Google Payでは楽天Edy、nanaco、WAONなどの電子マネーもたくさん登録できる

Apple PayとGoogle Payは基本的に同じような機能を持っているが、対応する電子マネーやポイントカード、クレカなどに違いがある

 Apple PayとGoogle Payには対応するクレカのブランドにも注意が必要だ。たとえば非接触決済では、Apple PayがMastercardコンタクトレス、JCB Contactless 、American Express Contactlessの3種類に対応するが、逆にGoogle PayはVisaのタッチ決済しか対応しない。しかも、Appley PayではVisaはiDに登録されるため、ネットでは決済できない点には注意が必要である。
 また、Suicaをチャージするときに、Apple PayでVisaは使えないが、Google PayではVisaはもちろんMasterCard、JCB、American Expressなど幅広いクレカから選択することができる。ちなみに、iOSのSuicaアプリなら、Apple PayでもVisaでのチャージが可能となっているが、ひと手間余計にかかるのがやや面倒である。

Suicaをチャージするとき、Google PayはVisa、MasterCard、JCB、American Expressなどが利用できるが、Apple PayではVisaが使えない

セキュリティはApple Payの方が厳しいが……

 Apple PayとGoogle Payには、セキュリティ面でも大きな違いがある。まずApple Payは、決済時にTouch ID(指紋認証)かFace ID(顔認証)による本人認証が必須となる。やや面倒くさいが万一iPhoneを紛失しても悪用される可能性は低い。ただし、SuicaやPASMOをエクスプレスカードに設定していた場合は認証の必要がないため、勝手に利用されてしまうことがある。
 これに対しGoogle Payは、支払い前の認証は不要で利便性は高いが、もし、スマホを落としてしまうと拾った人が勝手に買い物をしてしまうこともある。とはいえ、QUICPay+対応店では上限が3万円(QUICPay対応店は2万円)なので、被害はさほど大きくならないだろう。
 いずれにせよ、日頃からスマホにロックを設定しておけば、このような被害も未然に防げるはずだ。

最近のスマホはPINやパターン以外にも「指紋認証」や「顔認証」などが利用できるようになっている。万一のことを考えれば、面倒でもセキュリティロックの設定しておくほうが安心だ

 Apple PayとGoogle Payにはポイントカードの管理にも違いがある。まず、Google Payはポイントカードを追加して管理する機能があるため、大量のポイントカードを持ち歩かずに済む。いちいちポイントカードのアプリの立ち上げる必要はないのだ。一方のApple Payは、現状「dポイント」と「Pontaポイント」しか登録できないため、ポイントカードについてはGoogle Payのほうに軍配が上がる。
 また、Apple PayとGoogle Payでは、Suicaの機能にも違いがある。Apple PayではモバイルSuicaを含め最大12枚ものカードを発行でき、交通系ICカードをプライベート用と会社用で使い分けることが可能となっている。だが、Google Payでは1枚しか発行できないので、この点はApple Payのほうが優秀なのだ。

Apple Payはカードを呼び出すときにFace IDまたはTouch IDで本人確認をする必要がある。Google Payの場合はアプリの立ち上げは必要なし

非接触型決済には「おサイフケータイも」!

 いかがだろうか? Apple PayとGoogle Payはよく似ている部分もあるが、いろいろと違いがあることがお分かりいただけただろう。実は、非接触型のスマホ決済サービスはApple PayとGoogle Pay以外にも、ドコモが登録商標を持つ「おサイフケータイ」があることも忘れてはいけない。こちらはauやソフトバンクでも利用可能で、QUICPay、iD、Suica、nanaco、楽天Edy、WAONのほかPASMOも利用できるので、利用したいサービス内容で使い分けるとよいだろう。

(Image:nttdocomo.co.jp)

「おサイフケータイ」は、なんと2004年から携帯電話用として開発された歴史ある日本独自の決済サービス

●Apple Pay(公式)は→こちら
●Google Pay(公式)は→こちら
●おサイフケータイ(公式)は→こちら

文=佐野陽高/編集・ライター

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