長引くコロナ禍で、ウイルスへの感染リスクを低減させるための措置として多くの企業で導入されてきたテレワーク。しかし、新しい働き方を急速に推進してきたことで、社員間のコミュニケーションが希薄になってしまう問題や、公私の境が曖昧になってしまうなどの新たな問題も浮き彫りとなっている。そんな状況に一石を投じるべく、マイクロソフトが「Microsoft Teams」に新機能を追加した。今回は、テレワーカーたちの“ウェルビーイング”な働き方をサポートする新機能がどういったものなのか紹介していきたい。
テレワークを“ウェルビーイング”にする新機能とは
マイクロソフトのTeamsといえば、Web会議をはじめチャット、通話、ファイルやデータなどをウェブ上で共有したり共同編集したりすることができる、サラリーマンにとって欠かすことができないであろう様々な機能が集約したサービスだ。マイクロソフトは今回、そのTeamsに「内省機能」、「称賛を送信する機能」や「バーチャル通勤の機能」を追加した。
今回追加される新機能である内省機能とは、自分が仕事に対してどのように感じているかについて認識を高め、徐々にパターンを見出せるようにするものだ。ここでの気付きは、そのユーザー個人のプライベートなものとなり公開されないという。
次に称賛を送信できる機能とは、同僚への感謝の気持ちを示すことができるようにするものである。称賛するスケジュールをリマインダーで設定し、謝意を示すことを習慣化できるという。称賛するためにリマインド設定するというのは少し違和感があるが……。
最後にバーチャル通勤の機能とは、就業開始時と終業時にバーチャル上で“通勤”をスケジュールするというもの。そうすることで他のスタッフからも、その人が今“通勤時間”であることが分かるようになる。“通勤時間”には、実際に朝の散歩をしたり、コーヒーを飲みながら1日の計画を立てたりするための時間として、仕事に向けて気分を整える。仕事を終える際には、帰りの“通勤時間”中に翌日の作業リスト作成や、1日の振り返り、瞑想時間として、徐々に仕事から自分を切り離す。どのような体験にするかは、ユーザーが自由にカスタマイズすることができるという。
これらの機能を追加した背景として、「Microsoft 365」担当コーポレイトバイスプレジデントのJared Spataro氏は、「デジタル化がもたらす負荷は現実のものであり、何かが変わらなければならない」と述べている。また、マイクロソフトはある調査レポートの中で「2021年はチームのサイロ化が進み、デジタル疲れが現実の容認できない危険要素となった」としている。いずれにしても、今回追加されたそれぞれの機能は、急速に広まったテレワークにおける問題を“ウェルビーイング”の観点から解決するための、メンタルサポート機能である。
たとえ新型コロナが収束したとしても、以前のように全社員が通勤することが当然の世の中に戻るとは思えず、引き続きテレワークならではの課題に突き当たることになるだろう。今回のTeamsの新機能のように、よりいっそうデジタル疲れを解決してくれる新サービスの開発を期待せずにはいられない。
参照元:マイクロソフト「Teams」に”バーチャル通勤”など–ウェルビーイング重視の新機能【ZDNet japan】