現在、3大メガバンク(みずほ、三井住友、三菱UFJ)の普通預金金利はたった0.001%しかないうえに、紙の通帳を発行したり入出金が長期間ないと、手数料を取られるようになっている。ならば、ネット銀行を利用すればいいのでは? と考える人も多いだろうが、こちらも条件しだいではATM手数料をしっかり取られてしまう場合がある。そこで今回は、3大メガバンクだけでなくネット銀行も含めて、もっともお得な銀行はどこなのか検討してみたいと思う。
今後は通帳の発行や口座維持に手数料がかかる!
長引く不況とマイナス金利の影響で、3大メガバンクはなりふり構わずコストカットを進めている。その一例が、紙の通帳発行の有料化や、長期間入出金のない休眠口座の管理手数料だ。詳しく知りたい人は→こちらで確認してほしいが、みずほ銀行では2021年1月以降、新規口座の通帳発行手数料は1,100円かかるほか、1年以上記帳しないと、強制的に通帳なしの「e-口座」に切り替わってしまうのだ。
三井住友銀行も2021年4月以降の新規口座では、紙の通帳利用料が年間550円取られるうえに、Web通帳かSMBCダイレクトの利用登録をしない、かつ2年以上入出金がない場合、残高が1万円未満だと手数料が年間1,100円にアップする。そして、三菱UFJ銀行も2021年7月1日以降、2年以上取引がない場合(定期預金や投資信託等があれば除外)は年間1,320円の未利用口座管理手数料を徴収することになっている。今後、紙の通帳の発行はお金を取られるのが常識となると思っていいだろう。
また、現在3大メガバンクの普通預金金利は0.001%しかない。これは100万円を1年間預けても利息はたった10円しかもらえないということを意味する。これでは、もはや3大メガバンクにお金を預ける意味などないと言っても過言ではない。
■3大メガバンクの手数料
【みずほ銀行】1,100円[通帳発行手数料]
※2021年1月18日以降の新規口座の場合
※1年以上記帳しないと通帳なしの「e-口座」に自動切換え
【三井住友銀行】550円/1,100円※1[通帳利用手数料]
※2021年4月1日以降の新規口座
※1 Web通帳の選択またはSMBCダイレクトのパスワードカードが有効化されていない。かつ、2年以上入出金がなく、かつ残高が1万円未満の場合は1,100円
【三菱UFJ銀行】1,320円[未利用口座管理手数料]
※2021年7月1日以降の新規口座
※2年以上取引がない場合(定期預金や投資信託等があれば除外)
ゆうちょ銀行ならいつでもATM手数料が無料!
3大メガバンクではATM手数料にも大きな変化がみられる。まず、みずほ銀行は曜日や時間帯によって細かく110円~220円の手数料がかかるうえに、利用できない時間帯がある。みずほマイレージクラブに加入していれば、イーネットATMが最大月3回まで無料になるが、基本的にコンビニATMは無料で利用できないのだ。逆に三井住友銀行は4月から、毎月25・26日のコンビニATM時間内手数料が無料になり、それ以外の日は110円引き上げた。ほかにも、SMBCポイントパックで条件を満たせばコンビニATMが月3回無料で利用できる制度もある。そして、三菱UFJ銀行は2021年4月からローソン銀行ATMの時間外・時間内手数料(入出金)を100円値上げしたものの、毎月25日と月末日は特定の時間に限ってATM手数料が無料になっている。
いずれにせよ、多くの人が各銀行のATMの曜日や時間帯による手数料の違いをきっちり覚えられるはずもなく、気が付かないうちに110円~330円ものATM手数料を取られてしまうかもしれない。そこでオススメしたいのが「ゆうちょ銀行」だ。ゆうちょ銀行は日本全国の郵便局やファミマにATMが3万台以上設置しており、自社ATMであれば時間外や曜日に関係なくいつでも手数料無料で利用できる。ATM手数料だけを考えれば、間違いなくゆうちょ銀行が最強であろう。
通帳が有料化され、ATM手数料も取られる3大メガバンクの現状をみれば、やっぱり金利が高くATM手数料や振込料が無料になるネット銀行に注目したいところ。ネット銀行の金利については→こちらで確認してほしいが、毎年6月に入るとボーナス用に特別金利を提供する場合が多いのでチェックしてみよう。また、ネット銀行の手数料については→こちらで詳しく解説している、たとえば、SBJ銀行はセブン銀行やイオン銀行などのATM手数料が月10回まで無料だし、東京スター銀行も自社ATM、セブン銀行ATMなどでの引き出しが月8回まで実質無料(キャッシュバック)となる。また、ソニー銀行もステージなしで月4回、あおぞら銀行BANK支店はゆうちょ銀行ATMに限り無制限で引き出し手数料が無料である。
とはいえ、ネット銀行ではステージ制度でATM手数料の無料回数が変化するところも多く、たとえばauじぶん銀行は、残高10万円未満のステージ「じぶんプラス1」では、入出金手数料が110円取られる(2021年6月から入金は月1回無料となる)。また、PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)は毎月1回目の入出金は無料だが、2回目以降は3万円以上でないと手数料がかかるのだ。
さらに、自前のATMを持つセブン銀行は平日と土日はATMの引き出しで7時~19時以外は110円の手数料がかかるし、ローソン銀行も無料で利用できるのは7時~19時だけなので注意したい。逆にイオン銀行の場合は全国6,000台以上ある自社ATMが、なんと24時間365日手数料無料で利用できる。ネット銀行のATM手数料で比較すれば、イオン銀行が有力候補になるだろう。
いかがだろうか? 都心に勤務している人の多くがいまだに3大メガバンクを給与振込用口座として利用していると思うが、それはATMでお金を引き出しやすかったからであろう。だが、今やATMの主戦場はコンビニに移っている。それに加え通帳まで無くなってしまうなら、実店舗があること以外はネット銀行と何ら変わらない。そのため筆者は、すでに3大メガバンクを利用する意味は失われたと考えている。しかも、現在ではクレカや電子マネー、スマホ決済などのキャッシュレス決済が普及してきたので、ATMで現金を出し入れする必要さえないのだ。
それでもATMでお金を引き出して、ついうっかり110~330円もの手数料を取られたのではたまらない。できれば、ATMを無料で利用できるゆうちょ銀行やイオン銀行、あるいはお得なネット銀行の口座を、ひとつくらいは作っておくことをオススメしたい。
参考元:「銀行手数料の「改悪」相次ぐ、利用者にいちばんやさしい銀行はどこか」【ダイヤモンド オンライン】
●みずほ銀行「みずほe-口座・みずほダイレクト通帳」は→こちら
●三井住友銀行「2021年4月に導入された各種手数料(紙通帳利用手数料、デジタル未利用手数料)について知りたい」は→こちら
●三菱UFJ銀行「未利用口座管理手数料(2021年7月以降に新たに普通預金口座を開設されるお客さま)」は→こちら
●ゆうちょ銀行「ATM利用手数料」は→こちら
●イオン銀行「イオン銀行のメリット」は→こちら