QRコード決済業界でトップシェアを誇る「PayPay」が、“絶対王者”というレベルすら超えた存在になりそうだ。
キャッシュレス化が進む中、みるみるうちに利用者を増やしているQRコード決済。町の小さな商店などでもレジにPayPayのQRコードが置かれており、「クレジットカードは使えないけどPayPayなら使える」というケースも少なくない。それもそのはず、PayPayは初期導入費用・手数料0円を売りにして加盟店を増やしていった。加盟店が増えれば利用者も増える、利用者が増えれば加盟店も増える、といった調子でPayPayは現在QRコード決済において断トツのシェアを確保している。
PayPay、LINE payと統合目前!? ついにQRコード決済界の絶対王者に
PayPayと「LINE Pay」は7月12日、PayPay加盟店の一部でLINE Payの支払いを可能にすることを発表した。今年8月17日から、全国328万カ所のPayPay加盟店のうち、ユーザーがQRコードを読み取るユーザースキャン方式の店舗の一部にて実施されるという。つまり、LINE PayアプリでPayPayのQRコードを読み取れば、代金の支払いができるようになるというわけだ。
もともとLINE Pay のLINEとPayPayのヤフー・Zホールディングスは経営統合に伴い、LINE Payの国内コード決済を2022年4月を目処にPayPayへと統合することを発表している。今回のニュースはその“第一歩目”といったところだろう。
PayPayとLINE Payが統合するとなれば、利用者数はどれほど増えるのだろうか。PayPayの利用者数は、2021年6月17日時点で4,000万人を突破している。一方でLINE Payも、LINEユーザーが多いことを活かして利用者数を伸ばし、2021年6月時点で利用者数4,000万人を突破している。つまり、今回の統合によって利用者数はほぼ倍増。単純計算では合計約8,000万人がPayPayユーザーとなるということだ。
もちろんPayPayとLINE Payを併用しているユーザーもいるため単純に8,000万人になるとはいかないかもしれないが、それでも利用者数を大きく伸ばしたことに変わりはない。「LINE Payに登録しているけど加盟店が少ないので使っていない」という人も、またアクティブユーザーになる可能性だって十分だ。
MMD研究所が2021年1月に発表した調査結果によると、最も利用しているQRコード決済サービスは3位が「楽天ペイ」で15.4%、2位が「d払い」で18.2%、1位がPayPayでなんと43.1%だった。2位に倍以上の差をつけてトップシェアを勝ち取ったPayPayだったが、LINE Payと統合してさらに利用者数が増えるとなれば、もはや絶対王者どころの騒ぎではないのかもしれない。近いうちにQRコード市場が実質PayPayの独占状態になる……なんてことも無きにしも非ずである。
参照元:PayPay加盟店でLINE Pay支払い可能に 4000万のユーザー基盤が統合、8月17日から【ITmedia ビジネスオンライン】