かつて主流だったマイクロソフトの「Internet Explorer(IE)」が没落して以降、PCブラウザの代表格とも言えるのがグーグルの開発している「Google Chrome」だ。IEと同じマイクロソフトの開発する「Microsoft Edge」よりも非常に浸透していると言っていいだろう。そんなChromeがこのたび、ひとつの大きな変化を迎えるであろうことが報道によって明らかとなった。
今回は急速に進化するネットと、それに合わせて変化を遂げるChromeについてお伝えしていきたい。
Chromeにある安全性を高めるアラート機能に変化が?
ご存知ない方のために説明しておくと、Chromeとはインターネット閲覧用のタブブラウザだ。開発元がグーグルということもあり、PCだけでなく同じくグーグルの開発するAndroid OSを搭載したスマートフォンでもメインのブラウザとなっている。青い円が外周を赤・黄・緑の3色で覆われたロゴは、多くの人が一度は見かけたことがあるのではないだろうか。
そんな多くの人にとって身近なChromeは、主流ブラウザになっているだけあってセキュリティ対策もばっちりだ。近年、ネット上でより“セキュア”な通信のため生み出された「HTTPS」に対応しているコンテンツをわかりやすくするため、HTTPS接続の場合にはアドレスバーに南京錠のようなアイコンを表示。一方でHTTPS接続でない(かつて主流だったHTTP接続)場合に「安全でない」と警告を出す機能が実装されているのだ。
「安全でない」というアラート表示は目立つため、ほとんどのChromeユーザーが見たことのある表示だと思うが、鍵アイコンはあまり意識したことのないユーザーも多いのではないだろうか。
HTTPSの浸透で「安全です」表示が不要に?
そんなひっそりと我々を守ってくれていた鍵アイコンが、ひっそりと消えてしまう可能性があるという。というのも、テクノロジーメディアのBleepingComputerの報道によれば、「ウェブサイトが安全である場合、インジケーターを表示しないようにテスト中である」のだそう。
その理由としては、WebコンテンツでHTTPSが一般的になってきたため、鍵アイコンを表示する必要性が薄れてきたからだとみられている。「安全なことが当たり前で、危険な場合にのみ反応する」ということなのだろう。
確かに最近はどこもHTTPSが浸透してきており、HTTP接続でアラートが表示されるページのほうが少なく成ってきている印象もある。しかしそうすると逆に、HTTP接続のページが余計に「このページは危険なのか」といらぬ誤解を生んでしまわないかも心配な点だ。
このテスト中の機能が登場したとき、HTTPSはどれだけ普及が進んでいるのだろうか。ユーザーとしてはとにかく安全な未来の実現に期待していきたい。
参照元:Google Chromeが「アクセスしているサイトが安全である」と表示しないように仕様の変更をテスト中【GIGAZINE】
※サムネイル画像(Image:Ink Drop / Shutterstock.com)