コロナ禍で厳しい状況が続く飲食業界。テイクアウトに力を入れるなど、あの手この手の涙ぐましい努力を続け、なんとかお店の経営を維持しているところも多い。また、コロナ禍以前から、飲食業界といえばその勤務時間の不規則性などから、いわゆる“ブラック”と評されがちな業界でもあった。その厳しさから、転職を検討する人が多い業界でもある。株式会社ビズヒッツは、飲食業界から他の業種や職種に転職した259人にアンケート調査を実施し、その「転職理由」を7位までのランキングとして2021年8月3日に発表した。
まずは7位~4位。6位には「店舗の業績悪化・休業」がランクイン

スタッフも人。私たち客側もマナーに気を付けたいものだ
7位は「接客へのストレス」。飲食業と接客は切っても切り離せないが、良い客ばかりとは限らない。「理不尽なお客様とのやりとりに疲れてしまったためです」(女性、31歳で転職)、「お酒を飲んだお客様から迷惑行為を受けることがよくあり、うまく受け流しができないため」(女性、20歳で転職)などの意見が並ぶ。特に酒類を提供するお店では、酔っぱらった客のふるまいや態度にストレスを感じていたという回答が目立った。
6位は「店舗の業績悪化・休業」。これは本人のやる気ではどうしようもない理由だが、これを経験した元飲食店業界の人からは「安定した業界がいいと思った」と、別業界への転職を決めた人も多いようだ。
5位は「体力的にツライ」。動きっぱなし、立ちっぱなし、重たいものを運ぶ、きれいに盛り付けられたものを細心の注意を払って手際よく配膳する…これが仕事ではずっと続くのだから、20代でも「立ちっぱなし動きっぱなしで体力がもたなくなったから」と転職を決めた人も。40代50代の自分を想像したときに「長く続けるのは体力的にも厳しい」と思った(男性、32歳で転職)と、将来を見越して若いうちに転職を、と決断した人もいた。
4位は「勤務日・休日への不満」。利用客である私たちからすると土日こそ外食したくなるし店も開いているものだが、それはつまり、飲食業界で働く限り土日休みを取る難度がウルトラCという意味だ。周りと休日が合わないことについては、「若いときは気になりませんでしたが、年齢を重ねるにつれてつらくなってきた」という声も。また、急なシフト変更など、予定を立てづらい点が不満だったという人もいた。
続いてトップと言っていいのかワーストと言っていいのか、3~1位の理由を見ていこう。