どうして、おじさんはガラケーからスマホに乗り換えないのか? その意外な4つ理由とは……

2022年3月にauが3Gサービスを終了するのを皮切りに、ソフトバンクやドコモも相次いで3Gサービスを終了する。それでも、なおガラケー(フィーチャーフォン)を使い続けている人は2,000万人以上いるそうだ。当たり前にスマホを使っている人から見れば「どうして、まだガラケーなんか使っているの?」と不思議に思えるだろうが、おじさんにはおじさんなりの理由があるのだ。

(画像は「写真AC」より引用)

どうしておじさんはガラケーからスマホに乗り換えないのか?

2021年12月18日、総務省が2021年9月末時点での「電気通信サービスの契約数及びシェア」について調査した結果を発表した。それによると、3G端末(ガラケー・フィーチャーフォン)の利用者は2,237万件もいるそうだ。

しかし、長年ガラケーで利用されてきた「3Gサービス」は、間もなく終了されることになっている。auが2022年3月31日にサービスを終了するのを皮切りに、ソフトバンクは2024年1月末、ドコモは2026年3月31日に相次いで終了するのだ。

もちろん、4GLTEに対応するガラケー(ガラホ)もあるので“3Gサービス終了=ガラケーすべてが使えなくなる”わけではないが、3Gのみ対応するガラケーは確実に使えなくなってしまう。このあたりの事情は→こちらで確認してほしい。

最初からスマホを使っている若者にすれば、ネットも閲覧できず、LINEも使えないガラケーを使い続けているおじさんの気持ちなど分からないだろうが、おじさんにはおじさんなりの理由があるのだ。

そこで今回は、筆者の周辺で見聞きした「おじさんがガラケーからスマホに乗り換えない意外なワケ」を紹介しよう。これで少しはおじさんの気持ちが分かるかも?

3Gしか対応しないガラケーは、3Gサービスの終了とともに使えなくなる。それでもおじさんがガラケーからスマホに乗り換えないワケとは?

(画像は「写真AC」より引用)

【1】ガラケー+スマホの2台持ちの人がいる

まず、60歳以下の人はガラケーだけではなく、スマホ(タブレット)との2台持ちの人が多い。とくにデータ+SMSの格安SIMなら月3GBで月額1,000円以下で利用可能なので、ガラケーは通話専用として使っているのだ。

これについては→こちらで詳しく解説しているが、ガラケーは待ち受け状態なら5日間程度は充電しなくていいので、スマホのように毎日充電するわずらわしさがないのもガラケーの重要なポイントである。

60歳以下の人は、電話の待ち受け用にガラケーを手放せない人も多く、なかにはスマホ(データ+SMSの格安SIM)との2台持ちの人もいる

(画像は「写真AC」より引用)

【2】スマホは使い方が分からない

70歳以上の高齢者になると、物理ボタンのないスマホは使い方が分からないという人が多い。画面上のボタンをスライドさせて電話に出る操作が理解できず、結局は「ガラケーに戻したい」と言い出す人も多いと聞く。

また、高齢者はスマホをギュッと握ってしまう人が多く、自分でも気づかないうちに画面を触っているのだ。そのため、画面が勝手に切り替わってパニックに陥ってしまうケースをよく見かける。

さらに、スマホは使える機能が多すぎて何度教えても操作が覚えられない人が多い。筆者の義母には何度もLINEの操作方法を教えているが、いまだにLINEが既読になることはない。また、義父は筆者と会うたびに、着信履歴と電話帳画面の切り替え方を聞いてくる。

このように、人にもよるが筆者の印象では60歳後半から70歳前半までがスマホを使いこなせるかどうかのボーダーラインだと感じている。

高齢者はスマホに着信があっても操作が分からず、間違って電話を切ってしまう人も多い

【3】スマホの料金は高いと思い込んでいる

「ahamo」や「povo」などの登場によって、現在、スマホの料金は劇的に安くなっており、月3GBなら月額1,000円以下で利用できる。

しかし、それ以前のスマホの料金は安くても3,000~5,000円程度はしていたので、いまだにスマホは料金が高いと思い込んでいる高齢者は少なくないのだ。

ただし、ドコモでは月額550円の「エコノミーMVNO」の取り扱いも開始しているので、今後は高齢者の間でも徐々にスマホの料金は高くないことが認識されるだろう。エコノミーMVNOについては→こちらで詳しく解説している。

(Image:ntt.com)

NTTグループの格安SIM「OCN モバイル ONE」が提供する「エコノミーMVNO」は月0.5GB+無料通話10分付きで月額550円という激安プラン。ドコモや家電量販店のドコモコーナーでも申し込める

【4】とにかく新しいものに変えるが面倒くさい

これは携帯電話に限った話ではないが、おじさんのなかには、とにかく新しいものになかなか触らない人が多い。

以前、50歳代の筆者は、同級生の友人に格安SIMに変えれば毎月4,000円、年間5万円ほど携帯電話料金が安くなると必死で説得したことがあるが、「面倒くさい」の一言で終わってしまった。

おじさんは、何でも自分の目で確かめて納得してからでないと決断しない人が多い。そのため、ネットで格安SIMの料金プランを比較検討するのが面倒なのだという。

50歳代の筆者は仕事の関係上、デジタルに関するリテラシーは高いほうだが、筆者の友人たちは何でもすぐ「面倒くさい」と言うのでイヤになる。これがおじさんの特徴なのだろう

いかがだろうか? 筆者もいい加減50歳後半のおじさんなのだが、田舎の幼馴染みや大学の同級生に会うと、デジタルに対するリテラシーが低すぎて驚くことがある。

さすがに現在では、筆者の友人のほとんどはスマホに乗り換えているが、これが70歳以上の高齢者になれば、よほどの緊急事態でもない限り自分からスマホに乗り換えることはないだろう。

だが、「3Gガラケー終了」という緊急事態は、もはや目前に迫っているのだ。

●OCN モバイル ONE「エコノミーMVNO」(公式)→こちら

※サムネイル画像は(「写真AC」より引用)

文=すずきあきら/編集・ライター

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