iPhone SE(第3世代)は買いか? 購入する前にチェックしたい8つのポイントを解説

2022年3月18日、Appleのエントリースマホ「iPhone SE(第3世代)」が発売された。

iPhone 13シリーズと同じ「A15 Bionic」チップを搭載しているうえに高速回線5Gに対応しながらも、5万円台という低価格を実現したことで人気を集めている。

だが、iPhone SE(第3世代)はコストダウンのために犠牲になっている部分はないのだろうか? そこで今回は、iPhone SE(第3世代)の詳細を確認することで、本当に買いなのか検証してみたいと思う。

【1】見た目はiPhone SE(第2世代)とiPhone 8のまんま!

まず、iPhone SE(第3世代)は、本体のデザインに関してまったく新しいところがなく古臭い印象だ。

見た目は2020年発売のiPhone SE(第2世代)とほぼ同じで、2017年発売のiPhone 8と3機種を並べれば、どれがどれなのか、すぐに見分けることはできないだろう。

とはいえ、iPhone SE(第3世代)にはホームボタンが残されているため、使いやすいTouch IDが利用できる。

iOS 15.4ではマスク装着時でもFace IDでロック解除できるようになったが、それはiPhone 12シリーズ以降の話なので、今ではホームボタンがあり、Face IDが使えることが逆に評価されている。

(Image:suppot.apple.com)

ほかの機種では廃止されているホームボタンとTouch ID。マスク装着時にFace IDが使えなかったこともあり、最近はFace IDを利用できるほうが便利との声も多い

【2】今ならiPhone 12 miniやSE(第2世代)の中古が割安で購入できる!

iPhone SE(第3世代)は発売されたばかりなので、あまり値引きされていない。

大手キャリアでは楽天モバイルが最大3万5,000ptもポイント還元されてかなり安くなるものの、それ以外のキャリアではそこまで安くは買えない。

せいぜい、残価設定型の24回払いで2年後に返却するのを条件に半額で利用できる程度だ。

大手キャリアでのiPhone SE(第3世代)の値引きに関してはこちらの記事を参考にしてもらいたい。

その一方で、iPhone 12 miniやiPhone SE(第2世代)なら、程度のよい中古を安く購入することができる。

もちろんiPhone SE(第2世代)は5G非対応でチップセットも古いが、iPhone 12 miniなら5Gにも対応するしデュアルカメラも搭載しているので、程度のよい中古が安く買えるなら検討してもいいだろう。

(Image:iosys.co.jp)

中古スマホ販売で有名なイオシスではiPhone 12 miniが4万円台から購入できるし、iPhone SE(第2世代)なら2万円で購入が可能だ

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【3】カメラ性能は向上しているがiPhone 13ほどではない

iPhone SE(第3世代)はチップセットに「A15 Bionic」が搭載されたことで、逆光でも美しい写真が撮れる「スマートHDR 4」や、複数の画像を合成する技術「Deep Fusion」などに対応している。

そのため、iPhone 8やSE(第2世代)に比べると、iPhone SE(第3世代)のアウトカメラの性能は大幅に向上しているのだ。

とはいえ、iPhone SE(第3世代)のカメラはシングルのままなので、さすがにiPhone 13などのように望遠や超広角レンズなどは使えない。

また、SNSではインカメラのほうを多用すると思うが、セルフィーに関しては旧機種とさほど変わらない点には注意したい。

(Image:apple.com)

iPhone SE(第3世代)のチップセットは「A15 Bionic」なので、「スマートHDR 4」や「Deep Fusion」などに対応しており、旧型よりもカメラ性能は大幅に向上している

【4】5万円台買えるのは64GBモデルのみ

iPhoneシリーズはAndroidスマホと違ってSDカードをあとから追加することができない。そのため、同じモデルでもストレージ容量で価格が変わるのはご存じだろう。

iPhone SE(第3世代)は5万7,800円から購入できるが、それはストレージ容量が64GBモデルの話だ。

クラウドサービスのiCloudが利用できるとはいえ、さすがに本体のストレージが64GBというのは、今ではちょっと少なすぎる感じもする。かといって128GBモデルの価格は6万円以上してしまうのが悩ましい。

ちなみに、iPhone 12 miniの128GBモデルは7万5,800円するが、今なら乗り換えキャンペーンで、大幅割引される可能性がある。

やはり、長期間利用するならストレージ容量は128GB以上のモデルを選んでおきたいところだ。

(Image:apple.com)

2022年2月頃は叩き売りされていたiPhone 12 mini。現在、大手キャリアでは在庫がほとんどないようだが、その分、中古は豊富にあり128GBモデルでも5万円台から購入できる

【5】「Qi」は利用できるが「MagSafe」には対応していない

iPhone SE(第3世代)は、ワイヤレス充電規格「Qi」に対応している。

いちいちケーブルを接続しなくても充電できるのは便利だろう。

しかし、iPhone 12や13では対応している、磁石でワイヤレス充電器を取り付けられる「MagSafe」は、iPhone SE(第3世代)には搭載されていないのだ。

MagSafeならワイヤレスでも最大15w(miniは12w)で高速充電できるのだが、iPhone SE(第3世代)では、このような部分でコストダウンが行われているのである。

(Image:apple.com)

iPhone12や13では利用できるMagSafe。ワイヤレスでも高速充電ができるので便利だがiPhone SE(第3世代)は非対応である

【6】バッテリーの持ちはiPhone 13より悪い

iPhoneのバッテリー容量は公表されていないが、それでもiPhone SE(第2世代)のバッテリーはあまり持ちが良くなかった。

事実、iPhone SE(第2世代)ではビデオ再生が13時間(ストリーミングは8時間)で、オーディオ再生は40時間なのである。

これに対し、iPhone SE(第3世代)では、ビデオ再生が15時間(ストリーミング10時間)で、オーディオ再生は50時間となっており、多少の改善がみられる。

それでも、iPhone 13ならビデオ再生が17時間(ストリーミングは13時間)で、オーディオ再生は55時間なので、やはりiPhone SE(第3世代)はバッテリーの持ちに多少の不安が残るだろう。

(Image:apple.com)

iPhone SE(第2世代)より改善されたSE(第3世代)のバッテリーだが、それでもiPhone 13と比べるとやや見劣りする

【7】ゲームをするにはディスプレイが小さ過ぎる

2017年11月発売のiPhone Xの登場以来、Androidスマホでも狭額縁が当たり前になっており、iPhone SE(第3世代)の上下にある広い額縁はいかにも古臭い印象を受ける。

しかも、iPhone 13 miniでさえ5.4インチもあるのに、iPhone SE(第3世代)のディスプレイは今時4.7インチしかないのだ。もし、動画やゲームを楽しみたいなら、4.7インチのiPhone SE(第3世代)はさすがに役不足であろう。

(Image:Chikena / Shutterstock.com)

片手で持ちやすいのがSEのいいところだが、4.7インチで上下に広い額縁のあるiPhone SEは見た目が古臭く、ゲームを楽しむのには役不足だ(写真はiPhone SE(第2世代))

【8】5G対応だがiPhone 13とまったく同じではない!

iPhone SE(第3世代)は高速回線5Gに対応していることもウリのひとつである。

たしかに、5Gエリアは急速に拡大しているので、今後5Gに対応するかどうかはスマホ選びで重要なポイントになるはずだ。

5Gでは「MIMO(マイモ)」という技術が導入されているが、これは複数のアンテナを利用して通信速度を上げる技術のこと。

実はiPhone 13シリーズのMIMOは高性能な「4×4」を装備しているが、iPhone SE(第3世代)のほうは「2×2」が使われており、こっそりコストカットされている。

とはいえ、現状では5Gといってもギガビットクラスの「ミリ波」ではなく“なんちゃって5G”と呼ばれる「Sub6」に対応しているだけなので、さほど気にする必要はないのかもしれない。

なお、5Gの基本に関してはこちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてほしい。

現状、日本で販売されているiPhoneシリーズが対応するのは「Sub6」のみ。ギガビットクラスの「ミリ波」が普及するのはまだまだ先なので、さほど気にすることもないかも……

まとめ

いかがだろうか? Phone SE(第3世代)は多少気になる部分もあるかもしれないが、それでも最新のA15 Bionicチップを搭載しておりカメラ性能も大幅に向上している。

そして高速5G回線にも対応するなど、旧型のSE(第2世代)に比べると大幅に進化しているのだ。ここまでの機能を詰め込みながら5万円台で入手できるiPhone SE(第3世代)は、かなりお得だと言えるだろう。

※サムネイル画像(Image:apple.com)

文=すずきあきら/編集・ライター

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