マイナ保険証、現行の保険証と「併用したい」34%【紀尾井町戦略研究所調べ】

政府がマイナンバーカードの普及のため、最大2万円分のマイナポイントに付与する施策や、現行の健康保険証を廃止して「マイナ保険証」への一本化を進めている。しかし、マイナンバーカードの取得は難航しているようで、マイナ保険証についても賛否両論あるのが現状だ。今回はマイナ保険証についての調査を紹介する。

「マイナ保険証の一本化を容認」29%、「マイナ保険証は不要」27%、「併用すべき」34%

「マイナ保険証」どう思う?

“容認派”、“不要派”、“併用派”がほぼ3等分に(「紀尾井町戦略研究所株式会社」調べ)

紀尾井町戦略研究所株式会社は全国の18歳以上の男女1,000人を対象に、マイナンバーカードに対する意識調査を実施。対象者に対して「2024年秋までに健康保険証をマイナ保険証へ切り替える決定に対し、あなたはどう思いますか」と質問し、その回答結果をまとめた。

最も回答が多かったのは「現行の健康保険証とマイナ保険証の併用」で34%の人が回答。「マイナ保険証の一本化を容認」と回答したのは29%、「マイナ保険証は不要」と回答したのは27%であった。やや“併用派”が多いものの、ほぼ3分割される結果に。併用派の考えとしては健康保険証とマイナ保険証の「両方を使いたい」というよりも、「健康保険証の機能を失くす必要はない」という意見が多いのかもしれない。

マイナ保険証の一本化を容認と回答した人は、すでにマイナンバーカードを申請済み、もしくは申請予定で、実質的に健康保険証の上位互換となることから、現行の健康保険証は不要だと考えているのだろう。反対にマイナ保険証は不要だと回答した人は、おそらくマイナンバーカードの申請をしていない人がほとんどだろう。

そもそもマイナンバーカード自体が不要だと考えている人も一定数おり、本調査の別アンケートでは、18%の人が将来的にもカードの取得意思がないと回答し、カード保有は希望者だけでよいと考える人は40%も。マイナンバーカード普及のハードルは、まだまだ高そうだ。

マイナンバーカード(Image:umaruchan4678 / Shutterstock.com)

一本化することのメリットとリスク、どちらが大きいのだろうか

健康保険証以外でマイナンバーカードとの一本化する例として、運転免許証が挙がった。26%の人が運転免許証と一本化させたいと回答したが、49%がそれに反対。2023年5月よりAndroid端末でマイナンバーカード機能のスマートフォンへの搭載が開始するが、それに対する期待値は低く、64%の人が「期待していない」と回答した。マイナンバーカードの利用用途としては、オンライン行政手続き機能やコンビニでの公的証明書の取得、身分証明書の回答率が高かった。

政府は「2023年3月末までに、ほぼすべての国民がマイナンバーカードを取得すること」を目標としているが、その目標が達成できるかという質問には76%が達成できないと考えている。マイナンバーカードについては、健康保険証や運転免許証などの機能を一本化することを便利だと考えている人もいれば、一本化することで犯罪リスクが高まると考える人もいるだろう。機能の一本化は一長一短あり、カードの重要性や申請の手間を考えると国民の理解を得るのは容易ではない。

マイナンバーカードの取得は、現時点では自由であり、メリットは多いがリスクも重大であるため、すぐに決断する必要はないかもしれない。ただ現在こそ、マイナンバーカードの普及率は高くないものの、将来的に機能の一本化が実現されると生活に支障をきたすため申請せざるを得なくなる。それならば、今のうちに申請しておいて後々の手間を省き、マイナポイントをもらって得するのも一つの手だろう。

出典元:現行の健康保険証とマイナ保険証「併用を」34%【紀尾井町戦略研究所株式会社

※サムネイル画像(Image:umaruchan4678 / Shutterstock.com)

オトナライフ編集部
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