インターネット回線の中でも最速クラスと言われるNURO光。下り最大10Gbpsの高速通信に魅力を感じる方も多いでしょう。プランは下り最大速度2Gbsの「2ギガ」プランと下り最大10Gbpsの「10ギガプラン」があります。

NURO光は、NTT東日本が提供する光ファイバーインターネットサービスのひとつ。大容量かつ高速な通信速度が特徴です。専用回線を利用しており、他のユーザーと回路を共有しないため通信速度が低下するのを防ぎます(画像は「NURO光」公式サイトより引用)
一方で、NURO光は2022年秋から「パケットロス」問題が深刻化。パケットロスとは通信データが途中で消失する現象で、回線速度や安定性に大きく影響します。一部ユーザーは集団訴訟を検討するほど不満を募らせています。
実際に「NURO光のパケットロスは本当に起きているのか」「NURO光との契約はやめた方がいいのか」といった噂が気になる方も少なくないのではないでしょうか。この記事では2023年最新の情報をもとに、NURO光の問題点と対策方法を解説します。
NURO光とは?
先述した通り、NURO光とは下り最大2Gbpsの高速光回線サービスです。

NURO光は光ファイバー回線を利用しているため、通信速度はほとんど下がりません。そのため通信環境が安定しているのが特長です。人気が高く、申込から開通まで2カ月ほどかかることがあります(画像は「NURO光」公式サイトより引用)
ソニーが提供する光回線 | 独自回線で下り最大10Gbpsの速さ
NURO光の提供先は、ソニーネットワークコミュニケーションズ。

NURO光の「下り速度」のプランは2種類。プランによっては下り速度が最大10Gbpsと高速通信が可能。ADSLの場合は最大速度が約50Mbpsのため、比較してもNURO光の通信速度はかなり速いといえます。ただしベストエフォート型のサービスであるため、数年間NUROを契約している筆者の体感としても、常にこの数値が出ているわけではありません(画像は「NURO光」公式サイトより引用)
利用料金
NURO光の利用料金は以下の通りです。
戸建て向けプラン マンション向け戸建てプラン |
マンション向けプラン | |
月額料金 | 2ギガプラン:5,200~6,100円 10ギガプラン:5,700~8,300 |
2,090~3,630円 |
初期費用 | 44,000円 ※新規入会申し込みで実質無料 | |
キャッシュバック | 45,000円キャッシュバック | 25,000円キャッシュバック |
オプション料金 | 光でんわ 東日本:月額550円、西日本:月額330円 ひかりTV 月額1,100円~ |
|
解約手数料 | 契約更新月以外の解約で10,450円~ ※このほか、撤去費用が発生する場合もあります。 |
光回線としては料金は決して高くはなく、通信さえ安定していれば「高速かつ安価」なサービスです。
NURO光の提供エリア
2021年1月から宮城県でサービス提供が始まるなどエリアは年々拡大されていますが、NURO光は実は全国で利用できるわけではありません。2023年3月時点でNURO光の提供エリアは、以下の22都道府県となっています。
・北海道
・東北:宮城県
・関東:東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県、茨城県、群馬県、栃木県
・東海:愛知県、静岡県、三重県、岐阜県
・関西:大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県
・中国:広島県、岡山県
・九州:福岡県、佐賀県
ただし、エリア内であっても一部未対応エリアがあるため、申し込み時に居住のエリアで利用可能か必ず確認しておきましょう。
NURO光のメリットとデメリットを徹底比較
NURO光のメリットとデメリットについて紹介します。
【メリット】下り最大10Gbpsの高速通信
先述した通り、下り10Gbpsの通信は他社と比べても高速。IT業の在宅ワーカーでもまずストレスを感じることのない通信速度です。
【メリット】月額料金は高くない
通信速度が高速にもかかわらず、NURO光の月額料金は決して高くはありません。
一戸建てでの利用を想定して、主要な光回線の価格比較をしてみましょう。
通信サービス | 戸建ての場合の月額費用 |
NURO光 | 2ギガプラン:5,200円 10ギガプラン:5,700円 |
ソフトバンク光 | 1ギガプラン(2年更新):5,720円 10ギガプラン(2年更新):6,380円 |
楽天ひかり | ファミリープラン:5,280円 |
ドコモ光 | 1ギガタイプB:5,940円 10ギガタイプA(定期契約):6,380円 |
auひかり | ずっとギガ得プラン(ホーム1ギガ):5,610円 |
月額費用を比較すると、NUROは5社の中でかなり割安です。とくに10ギガプランがよりお得です。
【メリット】NUROでんき・NUROガスとのセット割もお得
NURO光は、会員向けのオプションサービスとして「NURO でんき」と「NURO ガス」も提供しています。

「NURO でんき」は、NURO 光が提供する電気セット割サービス。NURO 光回線の新規契約者のみが利用できるオプションサービス「NUROガス」も提供していますが、すでにNURO光と契約している人が「NUROガス」に申し込むことはできません(画像は「NURO光」公式サイトより引用)
以下で「NUROでんき」と東京電力の利用料金を比較してみましょう。
▼「NUROでんき」と「東京電力」のひと月あたりの基本料金比較
契約アンペア | NUROでんき | 東京電力/従量電灯B ※2023年3月31日まで |
東京電力/従量電灯B ※2023年4月1日以降 |
10A | 767.66円 | 286円 | 295.24円 |
15A | 901.49円 | 429円 | 442.86円 |
20A | 1,035.32円 | 572円 | 590.48円 |
30A | 1,302.98円 | 858円 | 885.72円 |
40A | 1,570.64円 | 1,144円 | 1,180.96円 |
50A | 1,838.30円 | 1,430円 | 1,476.20円 |
60A | 2,105.96円 | 1,716円 | 1,771.44円 |
▼「NUROでんき」と「東京電力」の1Kwhあたりの電力量料金比較
契約アンペア | NUROでんき | 東京電力/従量電灯B ※2023年3月31日まで |
東京電力/従量電灯B ※2023年4月1日以降 |
最初の120kwhまで | 19.78円 | 19.88円 | 19.91円 |
120kwh~400kWhまで | 25.79円 | 26.48円 | 26.51円 |
400k超過 | 30.57円 | 30.57円 | 30.60円 |
基本料金はNURO でんきの方が高いですが、1kWhあたりの電力量料金は東京電力より安くなっています。なお、NURO光とセットで利用すればNUROでんきの電気料金がずっと501円割引。そのため東京電力に契約している人がNUROでんきに乗り換えた場合は、ほとんどの家庭で電気料金が安くなるといえます。
なお、NURO ガスは基本料金からずっと200円(税込)割引されます。つまりNURO光とNUROガスのセット加入で、毎月701円安くなるということです。
【メリット】開通工事費が実質無料
NURO 光の新規契約では、開通工事費として税込み44,000円かかります。しかし、2年契約プランの場合なら24カ月、3年契約プランなら36カ月間継続利用で工事費が実質無料に。
工事費は月々分割で支払うことになりますが、同時に「割引特典」として工事費と同額が引かれます。そのため使い続ければ工事費は実質無料になるという仕組みです。なお、プラン満了前(36カ月以内)に解約すると残債を一括で支払わなければならないため、注意しましょう。
【メリット】キャッシュバックが45,000円もらえる
NURO 光では2023年3月現在、新規申し込みで45,000円がもらえるキャッシュバックキャンペーンを行っています。

NURO 光の公式サイトから申し込むと、オプションサービスサービスへの強制加入なしで45,000円がキャッシュバック。受け取り可能になると「マイページ」から受け取れますが、受け取り期間は「受け取り手続き」の案内が届いてから45日以内です(画像は「NURO光」公式サイトより引用)
【メリット】無線ルーターが無料で使える
NURO光では、無料ルーター「ONU」がレンタルされるので自前で揃える必要はありません。レンタル料も必要なく、無線LAN機能もついています。
【デメリット】申し込めないエリアがある
先述した通り、NURO 光は47都道府県のすべてで申し込み可能なわけではありません。また、対象となっている都道府県であっても一部の非対応エリアの場合は申し込みできません。
【デメリット】工事が2回必要で、開通するまで時間がかかる
NURO光は2回の工事が必要で、宅内工事と屋外工事があります。また2023年3月現在、申し込みから開通までには戸建てで1カ月~3カ月、マンションの場合は2カ月~3カ月ほどかかる見込みです。
なお、筆者の場合は1回目の工事と2回目の工事の間が1カ月半ほど空き、申し込みから4カ月ほどでようやく開通となりました。
【デメリット】解約違約金の設定がある
先述した通り、工事費用は毎月分割で定額を支払い、同じ額が「割引特典」として引かれるため、実質無料です。しかし、工事費用をすべて支払う前に解約すると残債を一括で支払わなくてはなりません。
【デメリット】パケットロスの発生が大きく問題視されている
NURO 光はたびたびパケットロスが発生し、ユーザーの間で大きな問題となっています。高速光回線をうたっているにも関わらずたびたび途切れるため、集団訴訟を検討しているユーザーも出るほどです。
NURO 光のパケットロスについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。