近年、従来の銀行とはひと味違う、デジタル技術を活用した「デジタルバンク」が増えています。国内初のデジタルバンクである「みんなの銀行」と並んで注目されているのが「UI銀行」です。
高い金利を誇るUI銀行ですが、一方で安全性や格付けの面で問題はないのか不安に感じる人もいるのでは?今回はUI銀行について、安全性や格付け、口座開設のメリット、アプリからの開設手順、金利に至るまで徹底解説します。
最新デジタルバンク「UI銀行」ってどんな銀行?
UI銀行は、東京きらぼしフィナンシャルグループが設立したデジタルバンクです。

UI銀行は2022年1月17日にサービスを開始。UI銀行は、スマホアプリで口座開設、振込、預金、管理などを簡単に行うことができます。また、他の銀行と比較して預金金利が高く、手数料の無料回数特典が多いことでも知られています
(画像引用元:UI銀行公式サイト)
UI銀行は危険?安全?
日本格付研究所(JCR)の格付けでは、UI銀行はまだサービスを開始して間もないことから「評価なし」です。ただし、UI銀行の母体である東京きらぼしフィナンシャルグループは「A-」(安定的)、系列のきらぼし銀行も「A-」と信用格付けに問題はないとされており、倒産などのリスクは限りなく小さいとされています。
また、UI銀行は預金保険制度(ペイオフ)の対象銀行であり、預金者一人あたり元本1,000万円までとその元本に対する利息が保護されます。
UI銀行ときらぼし銀行の違い
UI銀行は、東京きらぼしフィナンシャルグループの持株会社が設立し、2022年にサービス提供を開始した店舗を持たないデジタルバンクです。
一方、きらぼし銀行は、東京きらぼしフィナンシャルグループ傘下の実店舗を持つ従来型の銀行です。UI銀行はきらぼし銀行と連携して、対面・非対面を融合させたサービスを提供しています。
UI銀行ときらぼし銀行は同グループの銀行ですが、インターネット専業か否か以外にも、利用できるATMや金利に異なる点があります。
UI銀行 | きらぼし銀行 | |
利用可能なATM | ・きらぼし銀行 ・セブン銀行 |
・きらぼし銀行 ・セブン銀行 ・イオン銀行 ・ローソン銀行 ・イーネットATM ・三井住友信託銀行 ・ゆうちょ銀行 ・JR東日本の駅のATM「VIEW ALTTE」 ・その他一部の地方銀行 |
定期預金金利(1年) | 0.30% ※2023年8月1日(火)~2023年10月31日(火)まで |
0.002% |
キャッシュカード | セブン銀行ATMではキャッシュカードなしで利用可能(スマホATM利用) | キャッシュカードが常に必要 |
UI銀行は同系列であるきらぼし銀行と、セブン銀行ATM以外での現金の入出金はできません。一方、きらぼし銀行は、自行店舗のATMはもちろん、それ以外にも他の銀行やコンビニなど提携ATMが充実しています。普段使いの銀行としては、きらぼし銀行を選ぶ方がはるかに便利なのは事実です。
一方で定期預金の金利は、UI銀行は最大0.3%、きらぼし銀行は最大0.002%と、UI銀行の金利はきらぼし銀行の100倍以上と高めに設定されています(2023年9月現在)。
きらぼし銀行とUI銀行は同グループとはいえ別の金融機関となりますので、各種手続き(諸届・取引・残高確認・相続手続き等)はそれぞれの銀行で行う必要があります。
【詳細】UI銀行の格付けランクは?
前述した通り、UI銀行は2022年1月にサービスの提供を開始したばかりであることから、日本格付研究所(JCR)の信用格付けはまだ為されておらず、「-」(評価なし)です。

UI銀行自体はまだ格付けされていませんが、JRCはUI銀行の母体である東京きらぼしフィナンシャルグループを「A-」(安定的)と評価しています(2023 年 3 月 30 日時点)。これは「債務履行の確実性は高い」とされるランクであり、財務の安定性が認められた証です(画像は日本格付研究所(JCR)公式サイトより引用)
参考元:日本格付研究所(JCR)
UI銀行の預金金利はどれくらい?
都市銀行などと比べると金利が極めて高く設定されているUI銀行。UI銀行の普通預金、定期預金の金利を表にまとめました。
普通預金
UI銀行の普通預金の金利は以下の通りです。
普通預金 | 0.10% |
2023年9月11日現在
定期預金
UI銀行の定期預金の金利は以下の通りです。
スーパー定期預金 1,000万円未満 |
大口定期預金 1,000万円以上 |
|
1カ月 | 0.12% | 0.12% |
3カ月 | 0.12% | 0.12% |
6カ月 | 0.12% | 0.12% |
1年 | 0.30%※ | 0.30%※ |
2年 | 0.30%※ | 0.30%※ |
3年 | 0.30%※ | 0.30%※ |
5年 | 0.20% | 0.20% |
2023年9月11日現在
※2023年8月1日(火)~2023年10月31日(火)まで
UI銀行とみんなの銀行の違いは?金利比較
UI銀行とよく比較されるのが、同じくデジタルバンクの「みんなの銀行」です。

「みんなの銀行」は、スマートフォンでの口座開設や各種取引が可能なデジタルバンクで、国内最大の地域金融グループの株式会社ふくおかフィナンシャルグループ傘下の銀行です。みんなの銀行には、6カ月無料で利用できるプレミアムサービス(7カ月目以降月額600円)があり、貯蓄預金金利が+0.20%上乗せして0.30%に、デビットカードキャッシュバック率1%、ATM手数料・他行への振込手数料が月10回まで無料、最大5万円まで無金利での残高不足立替機能といった特典があります(ロゴ画像は各公式サイトより引用)
高い金利を誇るUI銀行やみんなの銀行ですが、他の金利が高いと評判の銀行と比較するとどうなのでしょうか?
せっかくなのでUI銀行とみんなの銀行に加え、他の金利が高い銀行の金利や預金タイプも表にまとめました。「デジタルバンクは金利が高いのか」判断する一助にしてください。
銀行名 | 金利/預金タイプ |
UI銀行 | 0.30%/スーパー定期預金1年~3年 ※2023年8月1日(火)~2023年10月31日(火)まで、通常は0.20% |
みんなの銀行 | 0.10%(プレミアム会員0.30%?)/貯蓄預金 |
auじぶん銀行 | 通常0.001%、条件達成で最大0.300%/普通預金 |
あおぞら銀行 | 0.25%/定期預金5年 |
オリックス銀行 | 0.30%/スーパー定期5年 0.45%/スーパー定期7年 |
みんなの銀行の通常の貯蓄預金の金利は0.1%。プレミアムサービスに課金しない限り、UI銀行の半分以下です。金利の面では、UI銀行に優位性があるといえます。
余談ですが、金利以外の点のUI銀行とみんなの銀行の違いは以下の通りです。
みんなの銀行 | UI銀行 | |
運営母体 | ふくおかフィナンシャルグループ | 東京きらぼしフィナンシャルグループ |
開業時期 | 2021年5月(※サービス開始。システム稼働は2021年1月より) | 2022年1月 |
利用可能なATM | セブン銀行 | きらぼし銀行、セブン銀行 |
口座開設手続き | スマホで完結 | スマホで完結 |
アプリの主な機能 | 預金、振込の他、お金の管理機能「Record」や目的別に貯められる貯蓄預金「Box」など | 定期預金や振込 |