ドコモ「いつでもカエドキプログラム+」の5つの罠・デメリットと従来プログラムとの違い

従来の「いつでもカエドキプログラム」とは別に、ドコモでは「いつでもカエドキプログラム+(プラス)」という購入プログラムが2023年9月1日からスタートしました。

「いつでもカエドキプログラム+」は、簡単に言えば1年程度でスマートフォンを最新機種へ買い替える人が、機種を返却することを条件に、大変お得な値段で最新機種を利用できるプログラムです。

ドコモ「いつでもカエドキプログラム+」の5つの罠・デメリットと従来プログラムとの違い

家電量販店の店頭でも「いつでもカエドキプログラム+」のプロモーションが、スマートフォンの販売コーナーで積極的に行われています。iPhone 15の販売時期に店頭で「いつでもカエドキプログラム+」のプラン名を目にした方も多いのでは(筆者撮影)

「いつでもカエドキプログラム+」と「いつでもカエドキプログラム」は、ドコモの回線契約がなくても利用できるため、上手に使いこなせば大変お得です。一方で、デメリットも少なくなく、支払い体系も複雑で、それらの「罠」は店員さんの説明を受けてもわかりにくい点があります。

今回は「いつでもカエドキプログラム+」のデメリットについて詳しく解説します。

ドコモのいつでもカエドキプログラム+とはどんなサービス?

従来の「いつでもカエドキプログラム」は、「残価設定型24回の分割払い」で購入した対象機種を、23か月目までに返却した場合、24回目に設定された残価額の支払いが不要となるプログラムです。

「いつでもカエドキプログラム+(プラス)」は、「いつでもカエドキプログラム」に加入し、かつ「smartあんしん補償」を契約することで加入できるプログラムです。

ドコモのいつでもカエドキプログラム+とはどんなサービス?

「いつでもカエドキプログラム+(プラス)」に加入し12~22か月目に対象機種を返却した場合、プログラム早期利用料を支払うことで、返却した翌月から23回目までの分割支払金および24回目に設定された残価の支払いが不要となります

(画像引用元:ドコモ公式サイト

支払い免除額の例

プログラム加入後、12か月目で対象機種を返却した場合の「いつでもカエドキプログラム」と「いつでもカエドキプログラム+」の支払い免除額の比較例は以下のようになります。

支払い免除額の例1

例えば総額211,000円の対象機種を残価設定型24回払いで購入し、12か月目に対象機種を返却しプログラムを適用した場合、両プログラムの比較は上記のようになります。24か月目の残価96,000円が免除になるのは両プログラム共通ですが、「いつでもカエドキプログラム+」は返却後の分割支払金(13~23か月目の分、5,000円×11か月分=55,000円)も免除になるので、プログラム早期利用料12,100円を支払っても支払い免除額が「いつでもカエドキプログラム」を上回り、39,600円もお得になります

(画像引用元:ドコモ公式サイト

支払い免除額の例2

iPhone 15 Proの1TBモデルをドコモで購入する場合、一括支払いだと291,830円ですが、「いつでもカエドキプログラム+」に加入し、12か月目に端末を返却しプログラムを利用する場合、負担額76,505円、早期利用料を加えても実質負担額88,605円でiPhoneの最新機種を利用できます

(画像引用元:ドコモ公式サイト

参考元:ドコモおてがる料金シミュレーション

「いつでもカエドキプログラム+」の対象機種:iPhone 15 Proなど最新機種が対象

「いつでもカエドキプログラム+」は、2023年9月以降にドコモで発売された最新機種が対象になっています。

2023年12月現在の対象機種は、iPhone15シリーズ、Google Pixel 8シリーズ、Galaxy Z Fold5 SC-55D、Xperia 5 V SO-53D、AQUOS sense8 SH-54Dです。高単価な端末にプログラムを利用できるのは嬉しいポイントですね。

ドコモ「いつでもカエドキプログラム+」の5つの罠

うまく活用できればかなりお得なドコモの「いつでもカエドキプログラム+」。とはいえデメリットがあることも確かです。「いつでもカエドキプログラム+」の5つの罠について解説します。

【罠①】別途「smartあんしん補償」に加入必須&月額料金がかかる

罠その1は、「いつでもカエドキプログラム+」に加入するためには、有料の「smartあんしん補償」を契約しなければならないことです。元からスマホの保障に加入したい人にとってはいいかもしれませんが、特に加入する必要性を感じていなかった人にとっては、年間にすると結構な出費になってしまいます。

対象機種の「smartあんしん補償」の月額料金は以下の通りです。

smartあんしん補償月額料金
機種名 月額料金
iPhone 15 Proシリーズ 1,100円
iPhone 15シリーズ 880円
Google Pixel 8 880円
AQUOS sense8 330円
Xperia 5 V 880円
Galaxy Z Flip5 880円
Galaxy Z Flip5(256GB、512GB) 1,100円

【罠②】返却時に端末の破損がある場合「故障時利用料」がかかる

罠その2は、返却時に端末の破損や故障がある場合は、「故障時利用料」がかかることです。返却するスマホに故障がある場合は、故障時利用料と免除額を比較して免除額が上回るか、もしくは「smartあんしん補償」で修理できる範囲内の故障の場合は、修理してからの返却を検討する必要があります。

故障時利用料は以下の金額になります。

故障時利用料
smartあんしん補償月額料金 22か月目までに利用申込み 23か月目以降に利用申込み
330円 5,500円 2,200円
605円 8,250円
880円 12,100円
1,100円

【罠③】違約金が発生することがある

罠その3は、返却した対象機種が受付不可品であった場合や、返却期限までに対象機種の到着をドコモが確認できなかった場合、違約金が発生します。

違約金は定期請求により一括で請求され、dポイント・ドコモビジネスポイントでの支払いはできません。また、違約金を滞納するとネットワーク利用制限が発生する場合があります。

違約金の額は以下の通りです。

違約金の額
12か月目までに利用申込みの場合 24回目の分割支払金(残価)および利用申込みの13回~23回目までの各回の分割支払金の合計
13か月目から22か月目までに利用申込みした場合 24回目の分割支払金(残価)および利用申込みの翌月~23回目までの各回の分割支払金の合計
23か月目以降に利用申込みした場合 利用申込みを受けた翌月以降の分割支払金残額

【罠④】返却が必要=旧端末が手元に残らない

罠その4は、「いつでもカエドキプログラム+」の利用には対象機種を返却することが必要で、旧端末が手元に残りません。当然と言えば当然ですが、下取りプログラムの利用や旧端末を予備として所持しておくことはできなくなります。

【罠⑤】端末を返却したくない場合はプログラムの利用メリットがない

罠その5は、結局対象端末を返却しない場合は、分割払いになるだけで「いつでもカエドキプログラム+」を利用するメリットがない点です。

「いつでもカエドキプログラム+」は端末を返却しなければ利用できませんが、返却義務はありません。返却しなければ通常通り残価を支払うことになります。残価や分割支払金の免除を受けないとお得にはならず、むしろsmartあんしん補償月額料金の支払い分の負担が重くなる場合もあります。

12か月目以降で「いつでもカエドキプログラム+」を利用できる場合は、積極的に利用することをおすすめします。

【詳細】ドコモ「いつでもカエドキプログラム+」の利用シミュレーション

「いつでもカエドキプログラム+」は利用するタイミングによって実質負担額が異なってきます。総額211,000円の端末について、24回目に設定された残価が96,000円、smartあんしん補償月額料金が1,100円、「いつでもカエドキプログラム+」早期利用料12,100円の対象機種を購入した場合を想定し、代金をシミュレーションしていきましょう。

参考元:ドコモ「いつでもカエドキプログラム+」

1年後(12か月目)に端末を返却した場合

「いつでもカエドキプログラム+」を利用できるもっとも早いタイミングが12か月目。「いつでもカエドキプログラム+」は利用するタイミングが早ければ早いほど、実質負担額が低くなりお得になります。もっとも、新しい端末への買い替えも発生するため、利用したい新しい端末の有無や値段も合わせて検討しましょう。

1年後(12か月目)に端末を返却した場合

12か月目に端末を返却した場合、総額211,000円の端末につき、残価96,000円と13~23回目の分割支払金合計55,000円が免除になる一方、プログラム早期利用料12,100円がかかるため、実質負担金は72,100円となります

(画像引用元:ドコモ公式サイト

13か月目〜22か月目に端末を返却した場合

13か月目〜22か月目に端末を返却した場合、プログラム早期利用料を支払えば翌月以降の分割支払金および残価額が免除になります。

13か月目〜22か月目に端末を返却した場合

例えば13か月目に端末を返却した場合、総額211,000円の端末につき、残価96,000円と14~23回目の分割支払金合計50,000円が免除になる一方、プログラム早期利用料12,100円がかかるため、実質負担金は77,100円となります。12か月目に端末を返却した場合と比較すると、実質負担額は5,000円増。以後22か月目までは、1か月ごとに実質負担額が月額分割支払金にあたる5,000円分ずつ増えていくことになります

(画像引用元:ドコモ公式サイト

23か月目に端末を返却した場合

23か月目以降に端末を返却した場合、「いつでもカエドキプログラム(プラス対象機種)」が適用され、プログラム早期利用料の支払いが不要になります。

23か月目も利用した場合

23か月目に端末を返却した場合、総額211,000円の端末につき、残価96,000円が免除になります。プログラム早期利用料は23か月目以降は発生しません。実質負担金は115,000円となります

(画像引用元:ドコモ公式サイト

24か月目以降も利用した場合

24か月目以降は残価の96,000円につき、支払回数が47回に延長され再分割が行われます。96,000円÷残りの支払回数24回=4,000円が月額の再分割支払金となります。47か月目まで支払った場合、端末代金を完済したとして所持を続けることができます。

24か月目以降も利用した場合

例えば24か月目に返却した場合、総額211,000円の端末につき、25回目~47回目で支払い予定だった残価92,000円が免除になり、実質負担金は119,000円になります。以後47か月目までは、1か月ごとに実質負担額が月額再分割支払金にあたる4,000円分ずつ増えていくことになります

(画像引用元:ドコモ公式サイト

「いつでもカエドキプログラム+」は従来の「いつでもカエドキプログラム」と何が違うの?

「いつでもカエドキプログラム+」と、従来の「いつでもカエドキプログラム」は、実は23か月目以降の端末返却だと実質負担額は変わりません。「いつでもカエドキプログラム+」の方がお得になるのは、12か月目~22か月目までの期間に端末返却を利用した時です。

一例として、iPhone 15 Pro 1TBモデルを12か月目で返却した場合で考えてみます。

【従来のいつでもカエドキプログラムの場合】

端末代金291,830円 -(残価145,200円 + 早期利用特典合計3,300円)=実質負担額143,330円

【いつでもカエドキプログラム+(プラス)の場合】

端末代金291,830円 + 早期利用料12,100円 -(残価145,200円 + 13~23か月目の分割支払金合計70,125円)=実質負担額88,605円

このように、12か月目でiPhone 15 Pro 1TBモデルを返却すると、いつでもカエドキプログラム+利用の方が54,725円もお得になります。1年程度で最新のスマートフォンに乗り換えたいと考えている人には見逃せない金額です。

ドコモ「いつでもカエドキプログラム+」のメリット

「いつでもカエドキプログラム+」について解説してきましたが、最後にメリットをまとめておきます。

従来よりも早いスパンで「1年ごと」に新たな機種を利用しやすい

「いつでもカエドキプログラム+」では13か月目以降の分割支払金が免除されるので、従来の「いつでもカエドキプログラム」に比べて、1年ごとに新たな機種をお得に利用しやすい設計になっています。

機種代金の高いスマホが入手しやすい

「いつでもカエドキプログラム+」の対象機種は2023年9月以降に発売された最新機種。iPhone 15 Pro Max や Galaxy Z Fold5 など、最新の機種代金が高いスマホを分割支払いで購入でき、さらにトータルの支払い代金も抑えて入手しやすいというのがもっとも大きなメリットのひとつでしょう。

実は回線契約不要

「いつでもカエドキプログラム+」も「いつでもカエドキプログラム」も、両方ともドコモが提供する特典プログラムで無料のdポイントクラブへの加入は必要ですが、実はドコモの回線契約は不要。ドコモから他の回線への乗り換えを検討している場合でも、そのままプログラムは継続できます。

最安料金プラン「irumo」も対象

ドコモの回線契約が不要ということは、ドコモで回線契約をしている人でも料金プランを問わず「いつでもカエドキプログラム+」が利用可能ということ。料金を抑えたライトユーザー向け料金プラン「irumo」利用者も、もちろん「いつでもカエドキプログラム+」に加入できます。

ドコモで2023年7月から提供が始まった新料金プランについてはこちらを参考にしてください。

まとめ

今回は「いつでもカエドキプログラム+(プラス)」の罠について詳しく解説しました。

上記でも解説しましたが、23か月目以降は「いつでもカエドキプログラム(プラス対象機種)」が適用され、従来の「いつでもカエドキプログラム」と実質負担額が同じになってしまいます。「いつでもカエドキプログラム+」をお得に利用する場合はできるだけ早く、22か月目までの利用をおすすめします。

オトナライフ編集部
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