「仕事をする＝出勤する」というのが普通の働き方だったのはもう昔の話。コロナ禍を経て、今ではテレワークやリモートワークといった働き方が一般的になってきた。ところで、テレワークやリモートワークにも新しい常識やマナーがあるようだ。テレワーク・リモートワーク総合研究所が「テレワークのマナー」について市場調査を見てみよう。
テレワークで最も気を付けられているのは「時間厳守」
離れているからこそ、お互い気持ちよく仕事できるような気配りが必要ともいえる（「株式会社LASSIC」調べ）
コロナ禍を経て多種多様な働き方が世の中に浸透してきた。その1つがテレワークだろう。ちなみにテレワークとは、情報通信技術を活用して場所や時間にとらわれない柔軟な働き方をすること。リモートワークはその名のとおり、遠隔で仕事をすることを総称している。
業種によってはテレワークが難しい場合もあるだろうが、着実にワークスタイルの1つとして浸透しているのは確かだ。新しい働き方として定着している一方で、そのマナーや常識も変化しているようだ。テレワーク・リモートワーク総合研究所が「テレワークのマナー」について2023年11月10日から11月13日、20歳から65歳のテレワーク経験者の男女1044人に調査したところ、「テレワークで気を付けているマナー」で最も多かった回答が「時間は厳守する」で52.9％。次いで「チャットを見たらリアクションをする」が37.3％、「喋らないときはマイクをオフにする」が34.4％と上位3つを占めた。
時間や返答など社会人の基本的なマナーともいえる内容が上位というのは納得だが、割合が半数及び半数以下というのが低い気がするのは筆者だけだろうか。
また以降には、「通信環境を整える」が26.5％、「資料は事前に共有する」が20.6％、「表情やうなずきで反応する」「服装に気を配る」などが続き、テレワークならではの配慮ともいえる。
60代は「時間厳守」の意識が高く、女性はリアクションをしっかりとる傾向に
若い世代の方が「チャットを見たらリアクションする」「表情やうなずきなどで反応する」といったオンラインならではのコミュニケーションを意識しているようだ（「株式会社LASSIC」調べ）
では、「テレワークで気を付けているマナー」を世代別で分析するとどうだろうか。20代と60代を比較すると、世代間でギャップがあることがわかった。特に顕著だったのが「時間は厳守する」を60代の68.3％が意識しているのに対し20代は40.4％に留まったことだ。60代の68.3％という結果は他の年代や他の項目の中でも突出しており、ベテラン人材の時間への意識が高いことがうかがえる。
逆に20代は「チャットを見たらリアクションする」が42.3％と60代の27.8％よりもかなり割合が高く、オンラインだからこその気配りの違いが見てとれる。
（「株式会社LASSIC」調べ）
性別で「テレワークで気を付けているマナー」を分析すると、最多だったのがともに「時間厳守」で、男性が51.5％、女性が54.2％と性別による差はなかった。だが2位と3位が男性と女性では入れ替わっており、男性2位で女性3位が「喋らないときはマイクをオフにする」、男性3位で女性2位が「チャットを見たらリアクションする」という結果に。女性の方がコミュニケーションを大事にしているようだ。
アンケートの結果から、出社して仕事をするのもテレワークで仕事をするのも、時間厳守や情報の共有、相手の気持ちを思いやりながら仕事をするというのは共通するマナーのようだ。マナーを守ってこそ円滑な人間関係が築けるのは言うまでもない。
出典元:【LASSIC】
